本当に泣いた作品3選

私が人生で泣いた作品を3つ紹介します。
ちなみに3つの内訳は小説と漫画と舞台芸術(能)です。

「泣いた」の基準は厳密にいきます。
実際に、物理的に、私の涙腺から液体がこぼれたものに限定し、本当はじーんときた程度なのに記事のために盛ったとかは一切ありません。

また、いちいちくだくだと作品紹介に字数を費やしたり、読めだの観ろだのおすすめもしません。
だって泣いたんですから。それ以上の言葉は不要でしょう。

さっそく紹介していきます。

1.モモ
説明不要の超有名児童文学作品です。
私がこの本を手にとったのは成人してからでした。

もう随分昔の話になります。
私は営業の合間に、高田馬場の駅近のマックで遅めの昼休憩を取ることにしました。
お行儀悪く本を読みながら昼食を取ります。

文庫本のモモを開いて読み進め、物語中盤の時間の花のシーン。
ここで泣きました。ぼろぼろ泣いた

俺のこの取るに足らないくっだらないバカみたいな営業をやってる時間と。
片手にもった、ペラペラで味わいのないただ腹を膨らませるためだけのマックのハンバーガーと。
それらと引き換えてあまりに美しい時間の花の描写と。

教えられたのです。こんな取るに足らない社会の歯車やってる私の心にも美しい時間の花が咲いているのだと。

午後のマックでカウンターに座ったスーツ姿の冴えない男が、ハンバーガー片手に泣いているのは、さぞかし異様な光景だったことでしょう。

追記
2024年10月に絵本のモモが出版されました。
買うつもりで本屋に行って、買わずに帰ってきました。
いくら絵本でも30ページでモモの内容を語るのはちょっと無理があったかなというのが私の結論です。

2.ヴィンランドサガ
略してヴィンサガ。漫画です。アニメ化もされています。アニメの当該シーンで泣けるかはわかりません。

この作品は知り合いからおすすめされて読み始めました。
私はおすすめされた作品はわりと素直に読むことにしていて、更にこのヴィンサガは全く別系統の友人2人から名前が出てきて自分の中の優先順位が一気に上昇して購入に至りました。

ヴィンサガは2回泣いています。

1回目は奴隷編ラストの14巻

ギリ堪えていたのに最後まで持たず涙がこぼれてしまいました。

ただ、泣いた話に水を差すようで恐縮だがひとつ言わせてほしい。
あの流れで次ヴィンランド行きません金策しますはないですよ。

がっかりしすぎて購入を中断してしまいました。
数年放置して、その後友人からちゃんとヴィンランドに向かったと聞いて再開しました。

2回目は26巻
ヴィンサガをここまで追いかけてきた人は全員泣いたのでは?

このシーンで交わされるのは特に気の利いた台詞ではありません。ありふれた普通の言葉です。
絵も丁寧に書かれていますが突出した画力とも思いません。

ただこれまでに1話ずつ愚直に積み重ねてきた描写で泣けるシーンとなっています。

初期から奴隷編開始のあたりまではこの作品に宗教的な説教臭さを感じた時期もありました。
だんだんとそういう押しつけがましさもなくなってきて、この26巻でありふれた作品とは一線を画す高みへ至ったと感じました。

ヴィンサガ自体はこれからも話数を重ねていくでしょうが、26巻は後から作品全体で見渡しても屈指の名シーンになるのは間違いないでしょう。

3.隅田川
能の演目です。
鑑賞記事をnoteに書いています。

なぜか鑑賞記事内では泣いたと書いてないですね。

泣くほど感動したのは、舞台の一体感、没入感あってこそでした。
動画でみても謡曲集で台本を読んでもこの感動は味わえないでしょう。

とにかくラストシーンは幻想的で素晴らしいです。

歌舞伎にも隅田川ものがありますが、能とは別の話のようなので、この記事を読んで気になった方は能で観るようにしましょう。

ちなみに
私はゲームが好きで相当やっています。小説よりも漫画よりも圧倒的にゲーム作品に費やした時間のほうが多いです。
しかし残念ながらゲームで涙したことはありません。
小説と比較してゲームはストーリーの表現に制約が多いからだと思います。

この記事を読んだあなたの泣いた作品もこっそり教えてもらえたら嬉しいです!

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