マーケター目線で語る新日本酒ブランド禅利(ZENRI)の価値
はじめまして。 京都・伏見の地で350年続く酒造会社発、プレミアム新日本酒ブランド「禅利(ZENRI)」 のマーケティングを担当しております、 株式会社オズ・リンクの三吉と申します。
現在、【禅利】のブランディングやマーケティング、クリエイティブの部分でお手伝いさせていただいております。
今回の【禅利】公式note記事では、マーケティング目線で、禅利の商品やそこに関わる方々のお話をさせていただければと思っています。よろしくお願いします。
マーケターとしての衝撃体験
突然の強いメッセージからのスタート、大変失礼いたしました。
これは、【禅利】の商品ラベルの裏に書く商品紹介文を私が提案したときに、【禅利】の生産者の方に言われた言葉です。
自分で言うのも恐縮ですが、私はマーケターの中でも商品の価値を引き出し、言語化するのは得意な方だと思っていました。※もちろん、今まで数多くのFB(フィードバック)は受けてきました。
しかし、「気持ちが悪い」と言われたのは今回が初めての経験――マーケターとしてかなりの衝撃を受けました 。
【ブランディングにおける機能的価値の言語化】
まず、ブランディングには、2つの価値を持つ事がとても重要だといわれています。
・機能的価値・・・その商材が機能面や品質面においてお客様に提供できる価値のこと
・情緒的価値・・・商品やサービスを使用した際にお客様が体感できる精神的な付加価値のこと
機能的価値については、作り手さん自身は気づいていない点を私たちマーケターが気づき、引き出す事も多くあります。
今回の商品紹介の文面も、機能的価値を言語化した例のひとつと言えるでしょう。
「気持ちが悪い」が意味する0+の価値
では、話を「気持ち悪い」に戻します。私が生産者の方から「言い回しが気持ちが悪い」と言われたのは、以下の文章です。
<BEFORE>
ふくよかさと繊細を兼ね備えた生酒。祝米のポテンシャルを引き出す伏水の中硬水を採用。口当たり前半のなめらかな透明感と、後半に広がるふくよかな香りの変化をお楽しみください。
ふむふむ……。とても良くはないが、とても悪くはない…。(ふくよかは、2つもいらないですね)
では、生産者の方は、どうして気持ち悪いと感じてしまったのでしょうか。
それは、私が「0(ゼロ) ➡ 1(イチ)」で生まれた商品の機能的価値の引き出し方をしてしまったことにあります。
ん? どういういう意味? と思われたかもしれません。
ここでいう「0(ゼロ)」とは、何もない所。
例えば、「こういうベネフィットを持った化粧品が作りたい!」といった場合、0(ゼロ)からどうしようってなりますよね。 まずは、OEM会社に連絡して……などなど、「何もないゼロの状態」から動き出すのではないでしょうか。
ですが、今回の【禅利】の場合は、0ではないんです。0では無かったんです。とはいえ「1」でもないな…… というわけで「0+(ゼロプラス)」としましょう。
0+(ゼロプラス)――つまり、元々そこにある「水(+)」や「土地(+)」から生まれた商品であるという事。その捉え方が私には出来ていなかったのです。だから「水を採用した」という言葉を使ってしまったのですね。
この事実に気づいた時、私は再度強い衝撃を受けました。
今まで数多くの化粧品ブランドの立ち上げにかかわってきましたが、 ほとんどが「0(ゼロ) ➡1(イチ)」である事。 そして、「0+(ゼロプラス)」というのがどれだけ素晴らしく希少性のある付加価値なのか、という事に改めて気づかされる経験でした。
伝統と土地が生み出す価値を伝えるために
禅利の+の部分である、350年守り続けてきた手造りの伝統や、京都の米や水。そこに宿る人々にとっては当たり前でも、消費者の方々にとっては価値となります。
その+を機能的価値ではなく、それを超えた価値として、消費者の方々にお伝えしていかなければいけないと、今回のご指摘の件で強く強く感じました。
では最終的に、【禅利】の商品ラベルの裏に書く商品紹介文はどんな文章になったのか……。それはぜひ出来上がった【禅利】を実際に手に取って、ぜひチェックしてみてください。
日本酒を、京都から世界へ。伝統をつなぎ、多様性を認め、世界を変える。
2023年5月新発売の、プレミアム新日本酒ブランド【禅利】にご期待ください。
日本酒を、京都から世界へ。
Sake from Kyoto to the world.
●2023.5.25(thu) MAKUAKE[限定166本]先行発売スタート
●2023.6.28(wed) WEB限定 公式販売スタート
■ 禅利公式サイト https://www.zenrikyoto.com/
■ Twitter https://twitter.com/zenri_jp
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■ Instagram https://www.instagram.com/zenri_jp/
■ TikTok https://www.tiktok.com/@zenri.kyodenbito
■この記事を書いた人
株式会社オズ・リンク CMO 三吉 愛子
2011年11月京都生まれのミネラルコスメブランド「VINTORTE(ヴァントルテ)」立ち上げ。現在では、自社化粧品ブランド事業(VINTORTE、_NEUR)、パーソナルジム(RACINE)事業マーケティング、クライアントのブランドマーケティング事業の責任者を務める。
■株式会社オズ・リンク https://www.ozlink.co.jp/
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