いまさらですが…わたし、卵のこと知って「卵のある生活」始めました。
こんにちは。JA全農広報部 note編集部員Nです。
ところで、私ごとではございますが…、今人生で一番太っていまして。いい加減、なんとかせねば!と思い、ジムに通うことにしました。そこでインストラクターのお兄さんに「タンパク質をとりましょう。卵を1日2〜3個食べてくださいね」と言われー、
え、卵って…1日1個までじゃないのですかっ!!?
というわけで、全農グループで鶏卵の卸売販売を担うJA全農たまご株式会社へ突撃!卵に関する情報を発信する経営企画課の川口真平次長と管理栄養士でもある辻井朋香さんに、毎日卵を食べるようになって疑問に思っていることや気になっていること、いろいろ聞いてみました。
卵について気になっていること、教えてください!
部員N:さっそくですが、今まで「卵は1日1個まで」と頑なに信じていましたが…??
辻井さん:1日1個までと言われるようになったのは、1913年の海外での研究がきっかけでした。食事から摂取するコレステロールが人体にどのように影響するかという実験でウサギに卵を食べさせたところ、ウサギの血中コレステロール値があがってしまいました。そこでコレステロールの高い卵は控えた方がよいということになりました。コレステロールは細胞膜やホルモンを作る材料でありとても重要な物質です。人間は食事から摂取するほかに体内で合成しており、食事から摂取するコレステロールが増減しても体内で合成する量を調整できるため、血液中のコレステロール値は一定に調整することができます。ウサギは草食動物なので、もともと動物性の卵を食べないため、人間のように調整することができません。食事からとる量が多かったら体内で作る量を減らすなど、人の体では調整することができるので、その実験は誤りだということになりました。
部員N:そういうことだったのですね。では1日に何個食べるのがよいのでしょう?
辻井さん:卵は食物繊維とビタミンCを除くすべての栄養素が含まれていて栄養価が高いので、積極的に食べていただければと思いますが、管理栄養士の立場としては卵以外の食品からもバランスよく栄養摂取することが望ましいので、1日2個程度を目安にしてください。
部員N:毎朝、ベーコンエッグを食べるようにしています。上手に目玉焼きを焼くポイントを教えてください。
辻井さん:ぜひ半熟で食べてほしいので、賞味期限内の新鮮な卵を使ってください。まず、卵を常温に戻します。冷たいままだと火が通りにくいので底が焦げやすくなります。ぬれ布巾を用意して、熱したフライパンに常温に戻した卵を低い位置から割り入れてください。高い位置から割り入れると、卵黄にある卵黄球がつぶれて食感が悪くなってしまいます。卵を入れたらフライパンをぬれ布巾の上に5秒ほど置きます。そうすることでも底が焦げることを防ぎます。再び弱火にかけてふたをせずに5分ほど、カフェ風目玉焼きの完成です。
(教わって焼いたのがサムネイルの目玉焼き!黄身もトロトロ~)
部員N:毎日卵を食べるようにしていますが、なかなか2個3個と食べるのは難しい。うまく取り入れる方法はありますか?
辻井さん:私はまとめてゆで卵を作って、ストックしています。お弁当に入れたり、味玉にしたり、手羽元と煮たり、ハンバーグに入れたりと応用がききます。
部員N:なるほど!今まで、ポテトサラダや卵サラダを作るのに1個だけゆでるのは面倒だな…と思って避けていました。ストックしておけば、いろいろな料理にも使えますね。
川口次長:我が家では、たこ焼き風にして食べます。ゆで卵にたこ焼きやお好み焼き用のソース、かつお節、青のり、マヨネーズをかけたら完成です。ゆで卵は冷たいままでもOK。子どもにも好評で、2個はペロリと食べられますよ。
部員N:ゆで卵を作る際のポイントは?
辻井さん:家庭で作るゆで卵は、加熱具合やヒビの入り方などにより日持ちが変わるため、冷蔵保存で2日以内に食べるのがおすすめです。食べきれる量を作り置きしましょう。万が一賞味期限が過ぎてしまったとしても、中心温度を70℃で1分以上加熱すれば安心して食べることができます。
川口次長:逆に新しい卵の卵白には炭酸ガスが多く含まれていて、ゆで卵にすると食感が悪くなります。また、ゆでているときに炭酸ガスが膨張して卵殻膜(卵の殻の内側にある薄膜)が殻に押し付けられてむきにくくなります。ちょっと日が経ったものの方がつるんときれいにむけますよ。
部員N:卵の殻の色が白いものと褐色のものがあります。褐色の方が値段はちょっと高めだし、栄養価も高いのでしょうか?
辻井さん:殻の色の違いは鶏の種類によるもので、一般的に赤い羽の鶏は褐色の卵を、白い羽の鶏は白い卵を生みます。同じエサを食べた場合、栄養素の違いはないと言われています。褐色の方は値段が高いからいいと思いがちですが、同じ量の卵を産むときに赤い羽の鶏の方が食べるエサの量が多くコストがかかっているので、卵の販売価格も高くなる傾向があります。
部員N:では黄身の色の違いで栄養価に違いがあるのですか?
辻井さん:ビタミンE強化など特定の栄養を強化した卵がありますが、栄養素の量は食べるエサによって変わります。卵黄の色は栄養価というより食べたエサの色に関係しているので、卵黄の色が濃いから栄養価が高いということは特にありません。多くの場合、エサの50%以上がトウモロコシなのでトウモロコシの黄色が出ています。もっと濃い色にしたいときはパプリカなどを入れることで赤みの強い卵黄になります。
部員N:ときどき白身に赤っぽい点が入っていることがありますが、あれは何ですか?
辻井さん:「ミートスポット」と呼ばれる卵の殻の色素が集まったもので、食べても問題ありません。殻に色がついている卵であれば一定数見られるもので、小さいものから4ミリくらいまで、数個入っているときもあります。白色の卵にも入ることがありますが、白だから見えづらいですね。気になる場合は、取り除いてもらえば大丈夫です。
部員N:今まで白身にある白いヒモ状のものを取り除いていました。そちらにも栄養があると聞きましたが??
辻井さん:カラザといって卵白の成分がかたまったもので、卵黄を卵の中心につなぎとめておく役割があります。シアル酸という免疫力を高める成分が含まれているので、特に気にならないのであればそのまま食べてもらった方がよいです。料理の見た目や、生で食べるときに気になる場合は取り除いてください。
部員N:卵にも旬とかはあるのですか?
辻井さん:一般的に、鶏が栄養を蓄える繁殖期が旬と言われていますが、今では鶏が卵を生みやすいように環境を整えているのと、安定した品質の卵を生産する技術が整っているので、年間を通しておいしい卵が食べられます。
川口次長:鶏も暑いと卵を生みづらくなりますし、寒いと体温調節に体力を使います。鶏舎では温度調節したり日照時間を調整したりして、生産者さんが鶏たちの過ごしやすい春のような環境を作り、できるだけ安定して出荷できるように努めています。
部員N:卵の保管はどうしたらよいのですか?
辻井さん:ドアポケットに入れると扉の開け閉めの衝撃で卵内が揺れたり、温度変化によって劣化が進むことがあるので、冷蔵庫の奥にしまう方が向いています。卵の尖がった方を下にしたまま、パックごと入れてもらった方が安心です。
川口次長:卵は揺れると劣化してしまいます。デリケートなので、卵のパックも衝撃を与えないように卵を点で優しく支える構造になっています。
部員N:ところで好きな卵料理は何ですか?
辻井さん:とろとろ半熟のオムライスです。ナイフを入れるとパカッと割れて卵がトロ〜ッとする…。入社してから卵料理を作る回数が増えたので、目玉焼きとかはきれいに焼けるようになったのですが、とろとろオムライスは練習中です。
川口次長:フレンチトーストです。漬け込む料理は面倒臭いと思われがちですが、電子レンジを使うと簡単にできます。卵1個と同量の牛乳、砂糖少々を混ぜて4等分した食パンを漬けて、電子レンジで500W30秒くらい。ひっくりかえしてもう1回30秒温めると、ほどよくひたる。それをフライパンにバターを溶かし、両面焼けばできあがりです。電子レンジを使った時短技がおすすめですよ。
川口次長:あとはやはり、卵かけご飯。卵博士でもある大学の先生が実験していたのですが、舌の味蕾がおいしさを感じやすい35度くらいに温めると、よりおいしく食べられるそう。ご飯に卵をかけて、しょうゆやだししょうゆで味付けし混ぜてから、電子レンジで20〜30秒ほど温めます。いつも食べている卵かけご飯より、さらにおいしく感じられますよ(混ぜないで電子レンジにかけると爆発することがあるので注意してください)。
辻井さん:卵かけご飯といえば、数年前に社内で「たまごかけごはんグランプリ」を開催しました。社員みんなで試食し、投票して決めました。1位がふわふわ山かけ、2位がふわふわ納豆、3位がカルボナーラ風でした。どれも手軽に作ることができるので、ぜひ試してみてください。
川口次長、辻井さん、ありがとうございました!
今回は私が気になっていることを教えてもらいましたが、JA全農たまごのホームページにはいろいろな卵情報やレシピが紹介されています。ぜひ、チェックしてみてくださいね。
また、「たまご」が食卓に届くまでの豆知識をまとめた「TAMAGO CITY」と、「たまご」の栄養素についてまとめた「TAMAGO LIFE」を作成し、「たまご」の正しい知識と魅力を伝えています。
JA全農たまご株式会社とは
全農グループで、国産鶏卵とその関連品目の販売に特化した鶏卵専門販売会社です。全国の生産者が生産する卵を仕入れ、主に消費地中心に販売しています。約9割が殻付き生卵の販売で、卵の殻をはずした液卵やゆで卵、温泉卵などの加工品、卵油も扱っています。
また、鶏卵生産者や工場に向けて、鶏卵用の資材、パック容器や業務用卵の紙のトレイ、卵の検査機械なども販売しています。
全農たまごのブランドエッグたち
しんたまご
31年前に開発したブランド卵。当時、卵はパックにサイズを記した紙が入っている状態で販売されていましたが、味やおいしさはもちろん、栄養素にもこだわった商品として商品名を打ち出して販売したブランド白卵のさきがけです。
とくたま
卵かけご飯に合う卵として、養鶏研究室と一緒に開発し、7年の歳月をかけて商品化しました。卵の味は鶏が食べるエサに関係します。エサに黒蜜、魚粉、こめ油を配合していて、飼料配合は特許を取得しています。黄身のコクや色にもこだわり、職人や総菜を手掛ける人たちにも評価が高い卵です。
農協たまご
「農協」を冠とした「農協牛乳」と同じ農協シリーズとして誕生。JAグループの卵で、パッケージに採卵日が表示してあります。
ほかにも、国産鶏種・国産飼料用米の利用や鶏ふんの利活用に取り組み、持続可能性に配慮した鶏卵・鶏肉JASを日本で初めて取得した「サステナブルエッグ」や、国産の飼料米を使用した「稲穂のかけはし」などがあります。
また、こだわりの卵と国産原料のよさをスイーツを通じて伝える洋菓子店「TAMAGO COCCO(たまごこっこ)」も運営。店舗内で製造するプリンやシュークリームなどの洋菓子や、マドレーヌ、フィナンシェといった焼き菓子を販売しています。TAMAGO COCCOのことは今度、改めてご紹介します!
卵は初夏から夏にかけて、消費が鈍くなります。そこで、JA全農たまご社内では5月から7月まで、1日に卵2個食べる「たまごスタンプラリー」に取り組んでいます。1日2個、3カ月で182個食べればクリア!昨年からチーム対抗戦もあり、毎年白熱した戦いが繰り広げられています。社員自ら実践することで、夏場の不需要期でも食べやすい方法などを考えています。また、社員のみなさんは卵のソムリエ「三ツ星タマリエ」の資格も取得。卵の知識を習得し、卵の魅力や素晴らしさを伝えることで、消費拡大に寄与することを目指しています。
よ~し。わたしも負けじと1日2個食べるぞ!―とその前に、筋トレもせねば…(実は4月から行けていません…)。老後に備えて、タンパク質摂取にも努めたいと思います。
サムネイル画像
「朝ご飯に目玉焼き丼」
Model:おむレッツくん(JA全農たまご公式キャラクター)