日々の映画(21)
前日の夜中から雨が降っていて、雪か霙になるかもしれないと聞いていたが結局雨で。止むこともなく、夕方に近づこうとしているのにいまだに降り続けている。こういうのって凄くなにかに閉じ込められている感覚になる。狭いところがそんなに得意ではないから少し窮屈というか息苦しさを感じてしまう。あまりやる気も起こらないから洗濯もアイロンもせずにぼんやりと過ごしていた。
WOWOWで朝から映画を流しっぱなしにしていて、今朝は「ウンタマギルー」という古い邦画をやっていて、わけわからない感じになってしまったので気分を変えようとちょっと心温まる作品を探した。「ホールドオーバーズ置いてけぼりのホリデイ」を観ることにした。
寄宿学校で暮らす男子生徒たち何人かが様々な理由でクリスマス休暇に家に帰れず学校に残り、監視役の癖つよ先生と2週間過ごすという話。展開がわりと期待を裏切る形で進んでいき、惹きつけられた。先生も生徒も、スタッフでいる料理長の女性もそれぞれが悩みを持ち葛藤しながら共に過ごしていく。
まったく交流のなかった他人同士が2週間過ごすってかなりヘビー。これってコミュ力高い人が一番しんどいシチュエーションだなって思った。映画に出てくる人たちはコミュ力がほぼ無い。だからなのか自分をさらけ出して徐々に距離が近づき理解しあっていく。その過程がとても丁寧に描かれていて、人と理解しあうってことはやっぱり自分自身を見せることなんだなと再確認。
私は人と話すことや人を知ることが好きだけど、ほんとの自分を出せているだろうかと考えた。嫌われたくないとか、良いところだけ見せたいとか、理解したふりをしているだけかなぁとか。自分のことをほんとに分かった時に答えられるんだろうけど、まだよく分かんないでいる。いい年してまだ分かんないのかよって思われるだろうけど、人間だもの。思考や性格だって日々変わっていくよねって開き直ってみる。
子どもにも大人にも生きづらさはあって、それに蓋をしたり発散したり、方法を見つけなきゃいけないしんどさ。人をいじめたり、お酒に逃げたり。世界中の人たちが他人にも自分にも優しい方法を見つけられたらいいなぁって思う。良い映画だった。