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ブラックジャックの感動の神エピソード「おばあちゃん」涙が溢れすぎて死ぬ!
今回はボクの好きなブラックジャックのエピソードを紹介します。
ブラックジャックは、ほんと
手塚治虫の集大成ともいえる命のドラマがキラ星の如く並び
感動や共感を呼ぶ名シーンが数えきれないほどあります。
もうそれこそ山のようにありますよ。ほんと。
選びきれない中、無理やり選んだランキングはこちら
どれかを選べなんて無法の暴挙と言える所業でありますが
その中でもボクが好きなエピソードを今回は一つ選んでご紹介します。
それはコチラ
第89話「おばあちゃん」
出ました。これは名作中の名作です。
ファンの方なら「はいはい」って感じの超名作。
涙なしには語れない号泣必死の感動作となっております。
名作でありしかもブラックジャックの名言のひとつとも数えられる
あの言葉も入っているというね、
もう絶対に読んでおいてほしいエピソードになっております。
手塚治虫漫画全集では10巻
チャンピオンコミックスでは7巻
手塚治虫文庫全集では4巻
その他いろんなバージョンに収録されております
リンク貼っておきますのでチェックしてみてください
ちなみにこちらの記事もどうぞ
今回こちらの作品をご紹介いたしますが
完全ネタバレします
だってオチのあの名セリフを紹介したいんですから!
オチのセリフが名セリフになっているんで紹介しないわけにはいきません。
ですので
ネタバレしたくない方は見ないでくださいね
まぁ何回呼んでも感動するんですけど
初めての方はぜひその感動を
生で味わっていただきたいと思っております。
それではあらすじを。
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ある暑い夏の日、車がエンストして困っているという夫婦に
偶然出会うブラックジャック
家まで乗せて行くことになり車中で甚大先生という名医の話を聞きます。
家まで送ると夫婦はお礼がしたいといい
半ば強引にブラックジャックを家に連れ込みます。
招かれた家には男性の母親であるおばあちゃんがいました。
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このおばあちゃん
初対面のブラックジャックにいきなりお金を話をしたり
嫁に留守番代としてお小遣いをせびったり
どうやらお金にガメついおばあちゃんの様子
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ブラックジャックが帰った後も
息子夫婦とはお金の口論が絶えず毎日、「金金金金…」
いいかげん息子夫婦もがめついおばあちゃんにウンザリしていました。
「一体おばあちゃんはそんなにお金を貯めて何に使っているんだろう」
そんな疑問から息子夫婦は
おばあちゃんの通帳などを調べても
一切残高が残っていません。
調べても調べても分からないのですが
何やらおばあちゃんは時々一人でどこかに出かけて行くことが
あるらしいということが分かります。
ある日、息子は出かけて行くおばあちゃんの後をこっそり
つけていくことにしました。
すると、おばあちゃんは、ある大きなお屋敷に入っていき
そのお屋敷の老婦人にお金を渡していたのです。
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偶然その日はそのお屋敷にブラックジャックが訪ねてきており
おばあちゃんがなぜお金を持ってきているのかを
老婦人から聞くことになります。
甚大先生とはブラックジャックと同じような名医で
高額な治療費を請求するが腕はピカイチという
まさにブラックジャックのような医者でした。
しかし20年前に甚大先生は亡くなっています。
なのにおばあちゃんはなんでここに通っているだろう…。
老婦人はブラックジャックに語ります。
おばあちゃんが若い頃、自分の赤ちゃんがほとんど生き延びられないという難病にかかりそれを治してもらうために甚大先生治を頼っていたのです
その治療費はなんと1200万
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おばあちゃんは、その金額に驚くも
「この子が助かるためなら」と即答
「一生かかっても払います」と約束し、
身のまわりのものを殆ど売り払い、貯金もすべて預けたのですが、
それでも500万円ほど足りませんでした。
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そこから誰にも明かさず血が滲むように働き
雪の日も
嵐の日も
お金を貯めて返済し続けていました…
そしてついに今日、
偶然にも最後の治療費の返済が終えた日だったのです。
後をつけてきてそれを窓越しに聞いていた息子は号泣
母の深い愛情と
それまで母を疑っていた事を恥じた心と
複雑な感情が入り混じって涙が止まりません…
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母に駆け寄ると母は返済の肩の荷が下りたのか
ぐったりと倒れこんでいました。
気が緩んだとたんに
大脳に出血している脳溢血と診断するブラックジャック
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母を助けてほしいとブラックジャックにお願いする息子
ブラックジャックはこう言います
「治る見込みは少ない、90%命の保証はない」
「だが、もし助かったら3000万円いただくが…」
「あなたに払えますかね?」
すると息子は一瞬驚くも
「い、いいですとも!」
「一生かかってもどんなことをしても払います!きっと払いますとも!」
と即答
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そして最後のブラックジャックのセリフが
「それを聞きたかった」
…と物語は終わります。
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カッコイイ、くぅ~
最高! 最高すぎてもう言葉もありません!
いや~。何回見ても泣けるなぁコレ
紹介してても泣けてくる。
おばあちゃんって言うのがもうダメです…。
おばあちゃんっていうタイトルだけど
目線は自分のお母さん。
だから自分を賢明に育ててくれた母親の姿を想像しちゃってもうダメ
マジで胸を打ちます…ほんと。
一見するといじわるで性格の捻じ曲がった嫌味なおばあちゃんだけど
実際は自分の苦労を隠して
ただただ愛する息子のために
ひたむきに自分の人生をも捧げてきた一人の母親のお話なんですよね。
息子に心配をかけさせないために家族のだれにも話さず
黙々と生きてきた母親の深い愛情を知ったとき…
息子は、、、、
もうね、こんなん誰でも泣きますやん。
ヤバイですって。
マジでこの話、涙が抑えきれません。
そしてその母親の愛情だけでなく
息子が同じような境遇に立たされた時に一瞬ひるむも
喰い気味で「払いますとも!」と言い切るこのセリフ
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いや~すごいわコレ。
3000万円ですよ、3000万円を即答するなんて
人生でほぼない経験ですよ。
これね「命の値段」が3000万円なんじゃなくて
「覚悟の値段」が3000万円なんですよね。
だから最後にブラックジャックが
「それを聞きたかった」という名言に繋がるという。
これは読んだ方、みんなが
「自分にはこんな覚悟があるだろうか」ということを考えさせられる名言。
単に手術費用が高額というだけでは
ここまで読者を感動させられません。
現に「一生かかっても、どんなことをしても払います。」と言い放ったコマが最後のコマになっても物語としては成立するし全然面白い。
…だけど最後のこの一コマ
「それが聞きたかった」が入るだけで
「覚悟の度合い」が臨界点MAXまで跳ね上がるんです。
心臓をキューって握られたように引き締まるんですよね。
いや~参った。
この後にブラックジャックがどんな手術をしたのか
はたまたどんな請求をしたのか
完済できたのかなど一切語られておりません。
あえてココ、ココで終わる手塚治虫の構成力!
もはや脱帽ですね。素晴らしい。
ほんとひとつの映画や小説を見せられているような圧巻の技術ですよ。
これぞまさにブラックジャック。
もっと言えばブラックジャックは今回手術してないですからね(笑)
天才といわれた神業を披露しておりません。
必殺技を披露させないことで描く
「命の重み」「命への覚悟」
なんすかこの構成。完璧です。
というわけで今回は「ブラックジャック」好きなエピソード
「おばあちゃん」をご紹介しました。
いかがでしたでしょうか。
読まれていない方はめちゃくちゃ面白いのでぜひ読んでみてくださいね。
そしてまだまだご紹介しきれない名作はほんと唸るほどありますので
こちらもぜひ手に取って読んでみてください。