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手塚版「死後の世界」「日本発狂」

今回は手塚版「死後の世界」「日本発狂」をお届けいたします。
本作はあまり知られていないマイナー作でありますが
不思議な人気作と言いますか
実は結構面白いと言われている隠れ人気作でもあります。

ボク個人的にはあまり好きではないんですが
今回はその「日本発狂」をちょっと掘り下げてみようと思いますので
ぜひ最後までお付き合いください。


それでは本編行ってみましょう。

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さぁ本作はですね
はっきり言って面白いのか面白くないのか分かりません(笑)

ですから傑作と言う人もいるし意味不明、面白くないという人もいて
その意見がはっきりと分かれる作品になっています。

ボクはぶっちゃけ後者で、
世間で面白いと言われる度に
何度も何度もチャレンジしてみるんですけど


やっぱり面白くないんですよね(笑)

でも本当に面白いっていうファンの方も多いので
隠れ傑作には間違いないと思うんですけど…

まぁこれは好みの問題もありますしボクが未熟なんで
もう少し成熟してから読めば面白いと感じるのかもしれませんが…
それでもこの動画を配信するにあたりもう一回読み直したんですけど



やっぱり…面白くなかったです(笑)


はい…というわけで
そんな不思議な傑作「日本発狂」見ていきましょう。

あらすじは
定時制高校に通う少年、通称イッチが学校帰りの終電の駅のホームで
一人の女の子に恋をしてしまいます。

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そしてその帰り道で幽霊の行列を見てしまい
そこへ偶然出会った雑誌記者、本田に声をかけその一部始終を伝え
「何かあったら編集部に電話したまえ」と言われ別れます。

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そして帰宅すると…

さっき駅のホームで見かけた少女が自宅にいたんです。

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するとその少女はすぐに消えてしまい
これが夢か現実か分からなくなってしまうんですね。


翌日
このことを雑誌記者の本田に伝えようとするんですが
なんと本田は交通事故で死んでしまうんですね。

本田が運ばれた病院に駆けつけると
昨日の少女が再び姿を現します。
少女は自分の素性を明かし
実はその少女は10年前に死んだ幽霊だったんです。

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少女と本田に出会った数奇な巡りあわせから
死後の世界の情報を知り
現世と来世、そして死後の世界のトラブルに
巻き込まれていくというストーリーであります。



本作は1974年、学習雑誌『高一コース』に掲載されました

「日本発狂」なんてタイトルがついているので余計ややこしいですが
死後の世界現世が交錯するオカルトSFといったテイストの漫画です。

連載が学習雑誌で高校一年生を対象に描いているので
リアルとファンタジーの間のような曖昧さがあり
漫画としてサラリと読む分にはいいですけど
手塚治虫だから何か仕込んでいるに違いない!
死後の世界に対して哲学的な答えがあるのかも…?
なんて期待して読んでも実は何もありません(笑)

「死後の世界」「輪廻転生」を描いているので
少し期待してしまうのは分かるんですけど…
実際何もないんですね(笑)


同じテーマの火の鳥を100点とするなら…

この作品は38点くらいですね。
ちょいと辛口に聞こえるかもしれませんが
まぁそんなもんでしょう。

だけど火の鳥とは違う輪廻転生観もあって
火の鳥はコスモゾーンという概念があるんですけど
「日本発狂」はプシー粒子なるものが死んだ人間に入っていくという概念を持っています。

ちょうど1974年にこのプシー粒子なるものが発見されたみたいですけど
学術的に認められたものなのか良く分かりませんが
旬な話題だったのでおそらく取り入れたのだと思われます。

あとはUFOとかオカルト要素も入っているので
好奇心旺盛な学生時代にはちょうどいいのかもしれません。
ですがそれが逆にどっちつかずの中途半端な作品になった感は否めません。

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こんなのもありましたね~。

懐かしい
とにかく時代がこういうのを欲していた時代です。

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「日本発狂」もその当時のブームに合わせたマンガですね

いきなり本家「火の鳥」の爆裂作を目にすると
青少年たちは失明しちゃうかもしれないんで
…というのは大袈裟ですけど
よりファンタジックにと敷居を低くして
エンタメ要素を加えているのは事実だと思います。

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当時の社会情勢も意識した内容を
シレっとぶち込んでくるあたりさすがではありますが
オカルトとSFを足して100で割ったら訳わかんなくなったというのが
本作の正しい正解ですかね。

なんかじんわりボロカスに言ってるように聞こえるかもしれませんが
贔屓目なしに見ていくと、どうしてもこうなっちゃうんですよ。


実際あとがきで手塚先生も
「死とUFOとをSF的にドッキングさせようと思いついて始めたこの作品も
思った通り暗い話になってしまいました」

と言っておられます。
本当に後半は段々辛気臭くなってくるというか…
訳わかんなくなってくるんですよね(笑)

「始めはつとめて明るくとぼけて書き出したつもりでしたが
次第にじめじめした展開になりこれはいかんぞと思ったら後の祭りでした」

…とも言ってますから後半は完全にお手上げになっちゃてますね。
手塚先生お決まりの飽きちゃったパターンのにおいがプンプンします(笑)

ちなみに
この前年の1973年に同じく『高一コース』で掲載された「ユフラテの樹」の方がボクは好きですね

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「ユフラテの樹」では誰もが一度は考えたことがある
「超能力を手に入れたい」という願いを
手に入れたことによって破滅してしまう高校生を描いており
人を裁くことが招く悲劇、
そして未熟な人間にはどんな力も扱えないといったテーマが描かれています

そしてこの「日本発狂」では
誰にもが考えたことがある死後の世界をテーマに
現世が辛いからって簡単に自殺なんかするなとか、
受験ノイローゼなんか大したことない
死後の世界も現世と同じくらい戦争している
大変だから今を一生懸命生きろという

どちらも
多感な高校生の等身大の悩みに寄り添ったテーマを
仕込んでいる辺り高校生というターゲットを意識して書かれているな、
とは思うんですが
やっぱり「日本発狂」の後半は少々奇天烈感が否めないので
テーマ的にも構成的にはちょっとランクが落ちてしまうかな…。


まぁここら辺は本当に好みの問題でありますから
ボクの好みではなかったという一つの見方でありますし
冒頭に申し上げたようにめちゃくちゃ面白いという方も結構おられますので
少しでも興味が沸きましたら読んでみて感想お聞かせください。


あと余談なのですが
この「日本発狂」が
あの新海誠監督の「君の名は」に似ているらしいですね。
公開当時はチラホラとそういう声も聞こえてきましたが
ボクは「君の名は」を見てないんで
この件については全く語れません。

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ちょこっとネットでどんなストーリーなのか調べてみましたが
やはり実際に見てみないと正確にその世界観は分かりませんし
これだけでは何とも言えないですね。

手塚治虫が元ネタだって言われても、まぁあり得るよねって感じで
辿っていくと似たような描写があってもなんら不思議ではありませんしね。

この「君の名は」の感想で「日本発狂」のココに影響を受けてるってところありましたらぜひコメント欄にて教えてください。

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…という訳で今回は「日本発狂」をお届けいたしました。

手塚版「死後の世界」とも言える本作
年齢層低めの設定になっておりますのでお子さんや
学生の方にはちょうどいい内容かと思います。


これじゃあ物足りないという方にはぜひ
「火の鳥」シリーズをおすすめします。
ぶっちぎった生命観
度肝を抜く圧倒的な世界観にきっと放心すると思います。
全日本人必読の最高級エンターテイメント作品でありますので
ぜひご覧になってみてください

最後までご覧くださりありがとうございました。


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