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【手塚治虫漫画全集】全巻紹介 第8弾!200巻~239巻編

手塚治虫と言えば
ギネスブックにも載るほど膨大な数の作品を残している作家であります。
だから「名前は知っているけど何を読んでいいのか分からない」と言う方も多いと思いますし、ファンの方でも全部読んでいる方は少ないと思います。
そこでこの【note】では講談社発行の手塚治虫漫画全集をベースに
手塚作品をガイド的に紹介しています。

手塚治虫漫画全集は全400巻あり、今回はその第8弾!

200巻~239巻までのご紹介となります。
それでは本編をお楽しみください。


「火の鳥」


1954年 - 1986年の約30年もの間
手塚先生が生涯にわたって描き続けたまさにライフワーク的作品

マンガ史に燦然と輝く不滅の金字塔
これはもう超大作すぎて簡潔に語るのは…不可能です。
うん、不可能。。

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超大作すぎて
壮大が故に難しい、とっつきにくいというのはあると思います。
娯楽というより文学性が強く
非常にメッセージ性がある作品ですから
何がいいたいんだ?ってなるときもあります。

図書館にも置いてあるように子供でも読めるんですが
大人が夢中になってしまうほどの中毒性も持ち合わせており
その深い構成は、様々な作家さんたちによって解明というか
解説、考察のネタになっています。
でもそれが素人が立ち入れないくらい深い世界観に包まれちゃっている原因でもあると思います

この件については…ちょっと宜しくない傾向にあると思っています。

確かに深く壮大ではあるんですが
廻りの人がちょっとインテリマンガの代名詞的に
祀り上げているのはいただけないんですよね。

なんか「火の鳥」語ってる大人の人って怖くないですか?
「オレ知ってんぞ!」みたいな。


そもそもマンガは娯楽なので誰でも楽しめるのがベスト
なので誰でも気負いなく「火の鳥」を読んでいただきたい。

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何が正解とかではなく各々の感じたままに
語り合えば良いのではと思います。
大人から子供までありのままの感想があればいいと思う。
確かに難しいところはあるかもしれませんが、
それほどまでに読んだ方を夢中にさせる要素
あるマンガですからぜひ先入観なしに読んでみて欲しいですね。


って言っておきながらちょこっとだけ
マメ知識(というか予備知識)を語らせてもらいますね。
(なんやねん!…結局火の鳥好きは語りたくなる)


火の鳥とは、12の「編」に分けられます。
全ての「編」で、
不死鳥「火の鳥」の「永遠という概念」について語られており
それぞれの「編」で時代設定が異なっています。

1発目の黎明編は、卑弥呼の時代の日本が舞台です。
2つ目の未来編は、遥かなる未来 西暦3407年が舞台です。
3つ目がヤマト編は『古事記』『日本書紀』奈良時代が舞台です。

バラバラに見えて
時系列に並べると分かるんですが発表された年代が「交互」になっているのがわかると思います。
昔、未来、昔、未来と時代がどんどん現代に近づいてくる構成です。

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13編目に火の鳥の最終巻である「現在の物語」を書こうとしていたんですけど手塚先生が志半ばで絶命し絶筆になっちゃうんですよね。

だから2話目がいきなり最終回なんですよ。
2話目で衝撃のラストを描ききってこの先どうなるの?
って感じの第3話を読み進めていくとその全貌がだんだん見えてくる…


並大抵の構想力じゃむりですねこの業は!
ここら辺もまた亡くなったことで神格性が増して手塚治虫は現代史に名にを描こうとしていたのか???と話題になっちゃうんですよね。

これが「火の鳥」の面白さでもあり
著名人やマニアがこぞって解説、考察している理由のひとつでもあります。
ある種のダビンチコードみたいになっちゃってますからね。

だけどこのマニアックさが
素人が立ち入れなくさせる要素でもあるんですよね。


まぁそういう堅苦しいことは抜きにして
手塚先生の描く生命の神秘という物語をぜひ体現して欲しいと思います。

手塚のマンガの一貫したテーマとして
先生自身の戦争体験というものがすごく大きくて、命の尊さ、平和の大切さを未来ある子どもたちに伝えたいという思いを常に持っていました。
生きるという命への欲望
生と死が隣り合った物語の根底は戦争体験者ならでは表現です。

まさに手塚先生の「生命の尊さ」という思いこそが「火の鳥」に込められていると言えるでしょう。


「ザ・クレーター」


1969年から1970年に描かれた異色短編集
数ある短編の中でも名作揃いという声もありますが個人的にはまぁまぁかなって感じです。
全体的に暗いです。ちょっとひねくれた作品が多いですかね。

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これは恐らく当時手塚の作品はファンタジー色が強く時代遅れとされていた反動と言われていますし、大人向けのシリアスでシニカルなストーリーが多いのもそのためだと思います。

その中の「墜落機」という作品。

これは戦争に行った若者が敵艦に突っ込んで地元で英雄になったという設定なんですけど実は生きていて…地元に返ってくるんですね。

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そしたら今更、生きてちゃ困るって言われて、歓迎どころか臭いものにフタをしろ状態になっちゃうんです。
それで「もう一回突っ込んでこい!」って言われ
「いやだー!」ってなりながら突っ込むんですが…。
味方に突っ込んで終わりという。

ね、暗いでしょ。

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あと「クレーターの男」
これはある惑星で取り残された男が死を覚悟するんですけど
不思議なガスの力で生き延びることができたんですね。

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時間が立つこと130年、130年ぶりに人間に遭遇するんですが
ここでも歓迎されずに醜い人間の本性が見えるんです。
まぁラストは言わないでおきましょう。

面白さどうこうよりどうしてこんなストーリーが
沸いて出てくるんだろうって関心します。
短編の量で言えば手塚治虫の執筆量は他の追随を許さない圧倒的な本数を描き上げております。
そしてどれもジャンルやテーマが多岐に渡っており
本当に無数のアイデアが頭の中にあったんだと思います。
手塚短編の妙をお楽しみくださいませ。


「ショートアラベスク」


手塚版短編のさらにショート版です。
個人的にはもうちょっとページ数が欲しいものばかりで物足りなさが残る作品ばかりですが2本連続で収録されている「刑事もどき」
刑事とサギ師の凸凹コンビが事件を解決していくストーリーで
そのまま連載してもいいくらいの
優れた設定とキャラクターだと思います。

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他の短編もバラエティに富んでいて手塚治虫の様々なアプローチ、
引き出しの多さに内容はともかくちょっと驚いちゃう作品群ですね。
クオリティでいくとちょっと微妙なものもあり傑作揃いの短編というわけではないですが…(笑)。

手塚治虫が読みたい!って人からすると「ちょっと違うんだけどなぁ」ってなるので、初めて手塚作品にチャレンジする方は選ばないようにしましょう。

まさに玉石混交
手塚先生は優秀な作品を多く残してきている反面、
駄作も人並み外れて多いので初めての方はメジャー作から読むことをオススメします(笑)

特にラストの

「成功のあまきかおり」
これはあとがきで手塚先生本人も駄作と言っているように
なにがしたいのかわからない作品(笑)

一味違う手塚作品を読みたい方には良い作品なのではないでしょうか。

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今回はここまで

次回第9弾はこちら


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