超具体的!「学びに向かう力」を一気に高める4~6年算数授業開き
算数の授業開き。
教科書を開いて、問題に取り組むよう指示を出す。
やらされる授業。お葬式のような雰囲気のつまらない授業。
4月のキラキラした目の子どもたちに対する申し訳なさ。
「これから算数学ぶのおもしろそう!」って思ってほしいのに、どうやって授業を始めればいいのかわからない。
これは、先生になったばかりのころの僕の姿そのものです。
1、いきなりお葬式のような授業はいやだ。
きっと、そう思っている若手教員の方、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方に向けて、
筑波大学附属小学校への授業参観5回・ポスターセッションで発表1回
市内算数研究会での授業発表・文書提案
算数の本50冊以上を読んできた僕が、
こんな子どもたちを育てたいという思いをどのように指導に生かしているのか、1時間の授業の流れの中で紹介していくものです。
経歴を書いておいて改めて思いました。
そんなすごい先生じゃなくね?^^
いやでも、めちゃくちゃ専門で算数をやってきたわけではないので、
逆に「ちょっと学んだ教員があまり算数を得意でない方に向けてできるだけ具体的に!」をコンセプトに書くのはおもしろいのでは? と思っています。
実は、僕がnoteを始めて最初に書いた記事がこれです。
3年の間に2000人以上の方にご覧いただきました。
とは言っても3月と4月だけ読まれる記事ですが・・・^^
ここで、今の自分の価値観をプラスして、文章も改めて見直し、板書例の写真と指導案ものせました。リニューアルしたパワーアップ版としてお届けします。
ぼくは4月の授業開きと夏休み明け最初の授業でこの授業をしています。
同じ授業はタブーでしょ?と思う方がいらっしゃるかもしれません。
もちろん、知識を得る授業においては、同じ授業をやっても「もう知っているよ」となります。
しかし、学びに向かう力を高めるという観点でいうと、答えを知っている方が問題に対するハードルが下がっていいのではと思っています。
しかも、何カ月も経てばそんなにしっかり覚えていないものです。
(それはそれで残念ですが・・・笑)
児童からしたら学習したことがある授業だとつまらないのでは?
と思われるかもしれないですが、
事実、僕のクラスでは「あれ、やったことがあるような……」という反応をする児童が多く、むしろ一度やったことが考え方のヒントになっていました。
今回紹介する教材はシンプルかつ、簡単で誰でも参加でき、様々な考えができるめちゃくちゃおもしろい、すっごい教材だと思います。
児童が興味をもちやすく、3年生までの知識があれば解けるので、単元の順番によらず授業ができるのも魅力です。
実際にこの問題を授業で取り扱っている人は全国にたくさんいると思います。そこに僕なりに学びに向かう力を高めるためにできる指導と、なぜその指導をするのかという意図を具体的に紹介します。
1時間の授業の紹介ですが、「このような場面でこのように指導するのアリだな」と思っていただければ、1年間の授業に転用可能な指導を盛り込みました。
授業参観や観察授業にも使えると思います。
これまで算数についてあまり学んでこなかった先生にとっては授業観を一気に高めることができる記事になっています。
約1万文字ありますので、全部読まず気になるところだけでも読んでいただければ幸いです。
それでは先に板書例と指導案から
2、学びに向かう力を高める方法
学びに向かう力を高める4つのステップ
① 「こんな学び方をしてほしい・こんな子になってほしい。」という思いを授業者が明確にもつ。
② ①を実践している児童を見つけて価値づける。
③ ①を実践している児童がいなければ示す。「こんな場面では~のように考えられるといいね」
③ ①を実践している児童をまた見つけて、また価値づけて広げる。
今回は1時間の授業なので①と②を主に紹介します。
この授業は飛び込み授業もふくめて10回以上やっていますが、いつも子どもたちは楽しそうに授業に参加しています。
ただ、正直クラスの実態によって同じようには授業できません。
したがって、ここには書いてあるけれど、実際1時間のなかではあれもこれもできないよねって部分もあります。
でも、こんな場面があったらこんな指導したいなとイメージをもてるのが大事だと思います。
したがって、これから紹介するものをすべて1時間でやるのがいいというわけではなく、こうきたらこう返すと子どもたちの学びに向かう力が高まるとイメージがわくような記事になればうれしいです。
3、こんな子になってほしい19のこと
では実際にどのように発問をしたり、価値づけをしたりしているのか、具体的な場面を通して紹介します。
★問題と出合う場面
まず、黒板に 「 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 」
と数字をかいていき、
T:さて、先生はどんな問題を出すでしょう。
と児童に投げかけます。
受け身にならず先のことを考える子になってほしい、課題意識をもち新たに問題を自分たちで作るようになってほしいという思いからです。
どうしても授業というと、先生が問題を出して答えるという場面が出てきます。
でもこれだけだと、主体的な姿は見られないでしょう。
次はなんだろう、こんな問題考えてみたいなと思う場面が増えるといいなと思っています。
①「先のことを考える児童になってほしい」
そのために「さて、先生はどんな問題を出すでしょう。」
耳を傾けると
C:足し算かな。
C:かけ算だと思うな。
C:いくつか使って○○にするのでは。
などの反応が返ってきます。今回は足し算を扱うつもりでいますが、足し算ではないかと言った児童がいたとしても、他の児童の考えも聞いていくようにします。
②教員の考え当てクイズにしない
そのために1人の児童の考えで終わらず他の児童の考えも聞いていく
足し算という声が聞こえてすぐに、
T:そう足し算を考えよう。
などと言うと、教師が考えていることを当てることを求めていくことになってしまいます。
なので、ここでは問題を自分たちで作るようになる前段階としての活動にすることを意識していきます。
③問題を自分たちで作る意識
そのために教師が考えていることクイズをしない
一通り意見が出たところで
T:色々な問題ができそうだけど、さっき○○さんが言った足し算を考えよう。みんなぴったり答えが合うかな。
と言って足し算の問題を扱います。
もし、最初に黒板へ数字を書いていく段階で
C:足すのかな。
のような声が聞こえてきたら
T:すばらしいね。何も言わなくてもどんな問題が作れそうか考えることができているからそんな言葉を言えるんだね。
他のみんなも次の問題や、これからの問題で同じように先のことを考えることができるといいね。
と伝えます。これにより
④問題を考えたいと思わせる
ことができるようになります。
そのために、子どもが考えた問題につきあうこと意識が必要だと思います。
また、足し算をしようと言った時に
C:めんどうくさい。
などの声が聞こえてくれば
T:素直な気持ちを言えてえらいね。
と言って黒板に「めんどうくさい」とふきだしで書きます。めんどうくさいなんて子どもに言ってほしくない、めんどうくさいことをやらせるのも大事など考えがあると思います。
ただ、算数ではめんどうくさい時に楽な方法はないかを考えられる子になってほしいという思いをもっているのでこのような指導をしています。
ということは
⑤めんどうくさいは宝
となります。
そのために、普段から素直なつぶやきに目を向けるようにしています。
ここで
T:めんどうくさい時に楽な方法を考えられるのは、算数を学習するうえでとっても大切なことだよ。と価値づけたいところです。
しかし、この先で
C:楽な方法を考えた。
という児童が現れることを期待しています。
そこで価値づけることが一つ減ってしまうのはもったいない。
これは「こんな学び方をしてほしい・こんな子になってほしい。」を示すよりも、実践している児童を見つけて価値づける方がより主体的に学んでいる姿だと考えているからです。
ここでは、「めんどうくさい」という言葉だけをクラスで共有し次に進んでいくことにします。
⑥教えるよりも、子どもから引き出す
そのために、先に考え方を教えない
ここで問題を自分たちで作るようになるために実践している手立てについて整理します。
★考える場面
「1~10」を足すと?と黒板に書いて、それぞれ考える時間を設けます。
この際、机間指導に入っていくのですが、その際見るポイントが2つあります。
1つ目は問題の答えが合っているのか、どれくらいのスピードで解くことができるのかというクラスの学力状況を把握していくこと。
もう一つが複数の考え方をしているかを確認すること。
⑦机間指導は状況把握と次への展望
そのために、視点をもって机間指導をする。
一つの考えで終わらずに、粘り強く考え、他の考えがないかを考えている子になってほしいという思いから、そのような態度で学んでいる児童がいるかを見ていきます。
この後、考えの交流の時間に入るのですが、2つ3つと様々な考えをしている児童がいても、その児童が考えたことをみんなに説明したいと考えているかどうかはわかりません。
授業者がどの児童がどのように考えているのか把握しておくことが大切であると考えています。
そして、2つ目の考えをしている子を見つけて
「すごいね。1つの考えで終わらずに、どんな考えができるか考え続けている子は、いろいろな考えができるようになるね。」
と言って
⑧粘り強く考える子を育てる
そのために、やはり机間指導で何気なく見ないようにするのが大事だと考えます。
★交流する場面について
考える時間を取るとほとんどの子が「55」という答えにたどり着くことができます。この問題は足し算という比較的簡単な問題であり、全員が同じ土台で考えることができることが1つの良さと言えます。
T:答えはいくつになったか言える人。
と投げかけ挙手を求める。簡単な問題では、ほとんどの子が手を挙げることができる。手を挙げる子が少ないようであれば
T:近くの子と確認していいよ。
と言い、間違えることの恐怖心をとってから、もう一度手を挙げるようにしてたくさんの児童が手を挙げられるようにしていきます。
それでも、挙げない子がいるようだったら
「当てられたら困る人は手を挙げましょう」と聞いて手を挙げていない子を当てる
手を挙げている子がいたら「困っている時に素直に表現できて素晴らしい。」と伝えます。それは、わからないことや困っていることをそのままにしない姿勢を大切にしながら学んでほしいという思いもあるからです。
⑨困っているを表現できるってすごいをクラスの風土に
そのために「当てられたら困る人は手を挙げましょう」
他には「自信ある子は高く、自信がない子は低く、書いていない子はあげない」と指導する方法もあります。手を挙げていない子には個別に支援に行く
このようにして手を挙げる練習から行っていきます。
挙手発言に否定的な意見もあると思いますが、
ぼくは、いざというときに手を挙げられる子になってほしい。
誰かが答えを言ったらノートに写すような人任せの姿勢で学んでほしくない。
自分の声を人前で響かせる経験をたくさんしてほしい。
簡単な問題でも手を挙げないと参加しなくても良い雰囲気ができていく。
という思いから挙手を大事にしています。もちろん無理強いはしません。
ということで、手が挙がらないなら
⑩手を挙げる練習から
そのために、小さく挙げればあてないよ! も一つの手段
しっかり手を挙げている子がいたら、
T:いいね!人任せにせず、考えたことをしっかりみんなに伝えようとする人が多くてすばらしい。と伝えます。
答えが「55」であることを確認し、どのように考えたかを交流する時間とします。まず授業者が
T:えっと、1+2が3でしょ。3+3が6だから、えっとえっと…で55か。大変だな。
などとあえて大変そうに途中の計算について確認をしていきます。
ここで
C:別の考えがある。
と児童から声が上がれば
T:先生は何も言っていないのに、自分の考えを言いたいと言えるのはすごいね。
そして、答えが出たら友だちとおしゃべりをしている人もいる中でも〇〇さんは一つの考えで終わらずに考え続けていたよ。みんなもこんな風に学べるといいね。
と伝えます。授業者の指示で問題を解くだけでなく、自ら考えを広げていく子になってほしい。間違いをおそれず考えを伝えられる子になってほしい、一つの考えで終わらずに、粘り強く考え、他の考えがないかを考える子になってほしいという思いがあるからです。
⑪別の考えができるってすごいをクラスの風土に
そのために、別の考えをしている子をしっかり価値づける
別の考えがあるという児童がいなければ
T:他に考えはないかな。→A
と聞きたくなるところで
T:みんな同じ考えということだね。→B
と聞くようにします。
Aの聞き方だと児童に
T:ほかにも答えがあるけれど、気づいた人いないかな?
と言っているのに近い。自ら別の考えがあることを言える児童になってほしいという思いから、Bのような言葉で聞くようにしていきます。
⑫他の考えありますか?と言わない
そのために、「みんな同じだね。」と聞く
それでも別の考えをしたという児童がいなければ机間指導で見つけた考え方を紹介するか、
T:先生は~のように考えてみたよ。今度は別の問題でも他に考え方はないか考え続けられるといいね。と言いながら③考え続ける姿勢を大切に学んでほしいと思っていることを示していくようにします。
⑬他の考えがなかったら示す!
その前に、他の考えをした子がいないか確認しておく
解法①
別の考えがあると言った児童の説明に耳を傾けてみると
C:「1+9=10」「2+8=10」「3+7=10」「4+6=10」もともと一つ「10」があり、5が残っているので「10×5=50、50+5=55」だから答えは「55」
と説明をします。
説明の途中は窓側か廊下側へ移動し、説明をしている児童と聞いている児童のどちらの表情も見えるところに立ちます。
そうすると、先生の方を向いて説明していても
「すごいね、みんなの方をむいて説明できたね」と
価値づけることもできます。
説明が終わった後に
T:「いい説明だったね。」
と声をかけたくなるところをぐっとがまんし、聞いていた児童の反応を見る。
C:「おお。」「なるほど。」
の声が上がれば
T:すごいね。しっかり話を聞いて理解したから反応ができたんだね。
と価値づける。私は誰かの説明をファーストボイスとし、「おお。」などの反応をセカンドボイスと名付けて呼ぶようにしています。
中でもこのセカンドボイスを大切にすることで、対話的な授業の実現を目指すことができると考え、話型を示すのではなく、自然な反応を大切にしながら授業を行っています。
⑭セカンドボイス→自然な反応
そのために、誰かが説明した後はすぐに教師が反応しない。
ちなみにセカンドボイスについてはこちらでも書いています。
セカンドボイスがクラスを変える!|たかてぃー@小学校、星野リゾート化計画 (note.com)
説明を聞いて拍手が起きれば
T:前に立つだけでも勇気がいることだよね。きっとみんなその勇気の素晴らしさに、そして説明のわかりやすさに拍手を送ったんだよね。仲間を大切にできて素晴らしい。
と価値づける。それは、友だちの話をしっかり聞く子になってほしいという思いと、考えたことを人前で説明できる子になってほしいという思いからです。
聞いている児童を価値づけることは、一見すると説明する子にとって関係ないようにも思えますが、高学年になってくると間違えてはずかしい思いをしたくないと考えて手を挙げなくなることが一つの要因と考えられます。
しっかり聞いていることと発言者を承認することができる雰囲気があれば、説明しようとする児童が増えることが期待できます。
聞くことを指導することが話すことにつながっていくということです。話すために話す練習も必要ではあると思いますが、まず取り組むべきは聞く力を高めることにあると考えています。
⑭話させたいなら、まずは聞く。
そのために、しっかり聞いている子を見つけて価値づける
また、説明の後には
T:おとなりさんに今の説明と同じように話してみよう。
と言って聞く力を高めるためにペア対話の時間を取ります。
アウトプットをすることによりインプットをより強めることもできます。
話せない児童が多いようであれば、話せる子を指名し
T:〇〇さんにもう一度説明してもらうけれど、自分が同じように説明できるくらいしっかり聞こうね。
と言うとより真剣に聞く児童が増えて、授業への参加度も上がってきます。
⑮参加度UPを目指す!
そのために「もう一回言ってみて」
解法②
解法①の説明が終わった後、また別の考えがあると言う児童が現れることを期待して待ちます。
C:1と10をセットに2と9をセットに…と考えると11×5=55となる。
という説明をする児童がいれば、1つ前の説明の時と同様に価値づけをしつつ考えの比較をしていくようにします。
するとセットにしているのが同じことに気づく児童や「10」のまとまりか「11」のまとまりのちがいがあることに気づく児童が出てきます。
ここで違いを明確にするため考え方に名前をつける活動を取り入れます。
考えを比較・検討し簡単にまとめようとする態度を大切にしてほしいという思いからです。したがって○○さん方式など人の名前にはせず、考え方を抽象化したものが良い事を伝えていく。以下のような図をかいた子が現れると
C:10虹セットと11虹セットがいいね。
などのネーミングが聞こえてくる。そして、比較する中で最初はめんどうくさいと感じていたものが簡単に計算できたことも共有していきたい場面です。
⑯ネーミングはまとめとして活用
そのために、人名を使わない。
①順番に足していく
②10のセットをつくる 10×5+5
③11のセットをつくる 11×5=55
の3つの考えが出た。(出なければ示す)
ちなみに、この3つの考えで算数的に価値が高いのはどれだと思いますか?
その答えは少し後にするとして……
T:みんな考えが同じだね?
C:もうないよ。
T:そんな時に次はこんな問題ができそう!って言えるといいですね。
C:かけざんをしよう
C:ひき算はできないもんね。
C:数を大きくしよう
ここでも「先のことを考える児童」「教員の考えクイズにしない」を意識しながら、意見を出しつくすところまで聞いていきます。
そして黒板に1~20の数字を書いていき「1~20の和」を求めていく。
めあてを立てるならこのタイミングがいいかなと思います。
めんどうくさい時に工夫すると簡単にできそう!
という思いをもった子どもたちに
「1~20はやっぱりめんどうくさいよね?」と聞くと
「いや、でも簡単にできる方法がありそう」
なんて言葉が返ってくることがあります。
そこで、「では、めあては何がいいかな?」
なんて聞いて子どもの言葉で立てることにします。
課題意識が高まっていれば言葉はなんでもいいのですが・・・
「かんたんな計算の仕方を考えよう!」
と決まれば教師が決めためあてではなく
子どもたちが主体的に立てためあてになります。
これを最初の1~10の問題を出したじてんで「工夫して計算しましょうね。」と言ってしまったら主体的に考えられる部分を奪ってしまいます。
めあては子どもたちが課題意識をもったときに立てるべきだと考えます。
なんならその授業によってはない方がいいこともある。
⑰めあては子どもが立てる
そのために、課題意識が高まってからたてる
それでは、1~20の和をどのように求めるのか。
先ほどの1~10の和が55になることを使える児童がいたらおもしろい。
算数の演繹的な考え方が使えていると言えます。
それと1と20、2と19とペアをつくっていくと21×10で計算できるのもおもしろい考えです。
と考えると、1~Xの数の和を求めるとき
(1+X) × X × 1/2 と公式を作ることができます。
受験組の6年生ではこうやって考える子がいて驚きました。
と考えるとさきほど聞いた①~③でどれが算数的に価値がある?
と聞かれると③の考えに価値があるように感じます。
とにかくさっき考えた方法が使えないかを考えることは算数の中ではとても重要だと考えます。
算数の問題はとても美しくならんでいます。
その美しさを感じる子になってもらうために
⑱さっきやった考えを生かす
そのためには、黒板やみんなが見えるところに
さっきの考えを残しておくのが大事
★ふりかえる場面
そして、授業の終わりにはふりかえりを書きます。
ポイントとしては
・次に考えたい問題
・今日のナルホド
・友だちの○○がすごい
・授業前の自分とくらべて
・一つ下の学年の子に教えてあげたいこと
などを書くといいと伝えて、指導が生きているなと思う子のものを紹介していきます。最初の授業でこれをやることで、しばらく使える学びに向かう力が身につくと思います。
そして、最初の時間はノートを集めます。
ノートには1マス1文字で書こうね。
日付やNoを書こうね。
授業のはじめはページの上から書こうね。
そうすることで辞書みたいに使おうね。
などを言っています。
そして、学びに向かう力を高めるということでいうと、
特に大切にしているのが
心の声を書こうね。
ということ。友だちの考えを聞いて「すごい」とおもったらそうやってかく
「わかりやすい」「おもいつかなかった」などもそのまま書く。
これは、話をきいていないとできないことだし、先生が書いている黒板を
写すだけでない、レベルの高いことだよ。
と言って、自分なりのノートを書けるように指導をしていきます。
授業の中でも、つぶやいた言葉をふきだしで書いているのは、
素直に思ったことを表現できる子たちになってほしい
という思いがあるからですが、そことも通ずる部分があります。
そうやって指導する
⑲心の声の指導
そのために、広げたいノートをみんなが見える方法で共有する
指導者としてのふりかえり
僕自信、本実践を通して、教師の一言一言に意図を明確にもつことで児童の声の想定ができ、たくさんの声が聞こえるようになってきたと感じます。
「おもしろ算数」を使い、こんな風に学んでほしいと思う姿に価値づけを行うことで、学びに向かう力を高めることができ、さらにその力を普段の授業に転用していくことで、より学びに向かう力を高めることができると考えています。
今回の話とは直接関係ないですが、基本大事なことや課題意識、気づきのまとめは見やすい黄色(子どもは赤)で書くようにしています。
その次に少し見づらい赤(子どもは青)で、子どもの言葉やきまり(公式や単位)のまとめを書くようにしています。
それ以上の色はたまあにしか使いません。
学びに向かう力について
ここで改めて学びに向かう力について整理しておきます。
学びに向かう力とは何か。『学習指導要領解説総則編』、『学習指導要領解説算数編』では以下の通り、幅広く述べられている。この2つから教科横断的に育成すべきところと教科の中で育成すべきところがあると言えます。この2つを切って離すのではなく両輪で指導していくべきだと考えました。また、これらの力をさらに具体的な場面でイメージする力が授業者には求められると感じています。
学びに向かう力(総則編)
・主体的に学習に取り組む態度,
・よりよい生活や人間関係を自主的に形成す
る態度
・多様性を尊重する態度
…他 (一部抜粋)
学びに向かう力(算数編)
・数量や図形に親しみ、算数で学んだことのよさや楽しさを感じながら学ぶ態度
・数学的に表現・処理したことをふりかえり、多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度
…他 (一部抜粋)
これらを具体的な言葉で1時間の授業にできるかぎり詰め込んでみました。
まだまだ、1年通して指導していきたいことはたくさんありますが、
最初の方でこんなこと伝えられたらいいなってことを魂込めて書きました。
いいなって思ってもらえる部分だけでも生かしていただけたら最高でーす!
お読みいただきありがとうございました。
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