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「お金の授業」批判を受けて
第19回金融教育に関する実践報告コンクールに入賞して、先日、朝日新聞さんに取り上げていただきました。
ネットニュースにもなってたくさんの方に知っていただきとてもうれしく思っています。今後金融教育をやってみようかなという小学校教員が増えていくとうれしいです。
しかし、ネットニュースになるということで、顔も名前もわからない方々に様々なご意見をいただきました。少しずつ増えていくコメントに恐怖を感じそわそわしていました。
ただ、少し時間が経ってアンチというよりは実践に対する建設的な批判をいただけたと前向きにとらえています。
そこで今回はいただいた批判的なコメントに思っていることを整理したいと思います。
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他人ができないこと、やりたくないことを、代わりにやることも一つの価値ですが、価値はそれだけではないと思います。今回のアンケートでも「一生懸命頑張っている姿があったから」「元気をもらえたから」という理由で購入してくださるかたがいました。様々な価値について考えられる実践になればいいなと思っています。
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お金がない小学生でもできるから始まったのでぞうきんは自分たちの家で出たタオルを使いました。厳密に言うと、糸は家庭科で使っている裁縫セットのものを使用しましたが。
時間外自主的活動は、今回のコンクールに送る文書作成、ゲストティーチャーとのメールのやり取りなどについては勤務時間以外になってしまいました。しかし、基本的には子どもたちが考えて話し合ったものを、授業時間中に準備しているのでそれほど多くの勤務時間外の時間は使っていないと思います。
あと、全く出世の予定はありません^^;
なんなら昇給の評価に色がつくことすらありませんでした。
実力のまま、プラスしてー^^;
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投資のための授業というよりは、小学生でお金について聞いたり触れたりする時間を増やして、よりよい生き方を考えていこうというのが目標です。その入り口として消費、浪費、投資の考え方がある、投資の一つにふるさと納税があるという流れで子どもたちは学んでいきました。投資するには当然投資するだけの資金が必要になります。そのためのお金の作り方を考えて実践してみました。
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おっしゃる通り、意欲的に取り組んだ子どもたち、この実践を一緒にやってくれたり理解してくれたりした職場の仲間、これに応募してみたらと実践コンクールのチラシをくださった教頭先生、素晴らしい取り組みですねと応援してくださった保護者の皆様に感謝です。
また、様々なお金に関する実践をされている方はいらっしゃると思いますが、優秀賞をいただいたことで僕もそのような実践をしている中の一人としてより多くの人に知ってもらえるきっかけになったかなと思います。けして、この実践が優れた実践とも思いませんが、「お金の授業やってみたいな」とか「そういうのありだね」って価値観が少しでも広まってほしいという思いで書かせていただきました。僕以外の優れた金融教育や総合的な学習の実践がより多く広がっていくことを願っています。
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自分たちの市には寄付したところで、返礼品がもらえないことを教えていただいた際に、ふるさと納税で自分の町の税金が減っているという地域があることも学習しました。
ただ、制度として社会の中で存在しているのでデメリットがあるから使ってはいけないではなく、いろんなメリット・デメリットをわかったうえで将来的にそれぞれが判断し行動していくことが大事だと思います。したがって、まずは知ることが大事であり、デメリットがあるから教えないという方が問題があると考えます。
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ここが一番伝えたいところで、「むしろなんでもお金になってしまう時代になった」と考えた方が良いと思っています。インターネット上では「愚痴を聞きます。」や「デートプランを提案します。」など、これまでは友だちと話していた、たわいもない話がお金を払って受けるサービスになっています。コンサートほどではないにしても、大道芸や流しのマジシャンは本実践と同じようお客さんの前でパフォーマンスをしてお金をもらっています。今回もお金をいただいていないという方もいらっしゃいました。お金をもらえた理由をいくつかに分けて考えたことで、子どもたちはサービスに対する多面的な良さを考えていくことができたと思っています。
ということで、思っていることを書かせていただきました。注目していただけたというだけで幸いです。まだ実践は途中ですので、これからも課題に向き合ってよりよい活動にしていきたいと思います。