50-58 売れ残り続出!大失敗? 第2回販売会 お金の授業
人のためにお金を使いたい
⇒ふるさと納税に寄付したい
⇒寄付するお金がない
⇒ぞうきんを売って(ダンスパフォーマンスをして)お金を集めよう
⇒そのイベントの名前は「きふフェス」だ!
となり、約8500円を売り上げた子どもたち。
第2回の販売会「夏5フェス」に向けて準備・話し合いを進めていきました。
50~56時間目 準備・練習・会場設営
活動一週間前からはポスターなど制作、手作り作品の作成、ダンスの練習
など急ピッチで進めていきました。ぞうきん70枚を作るという目標を掲げたは良いものの、数人でその数は難しく、2時間クラス全員でぞうきん作成の時間を取りなんとか目標の数を作ることができました。
57・58時間目 「夏5フェス」
いよいよ2回目の販売会でした。
販売するのは以下の通り
★ダンスがよければ50円
手作りの
①ぞうきん50円
②ティッシュケース150円
③ペンケース200円
ここで、前回の販売会で上がった課題とその改善策を整理してみます。
課題と改善策
① 参加者のほとんどが保護者の方だった。
⇒地域にポスターの掲示
地域の方に来ていただくためにポスター・チラシを制作し、近隣公共施設の体育館、図書館、行政センターの3か所にポスターを掲示していただく。ポスターは手作りからcanvaに変更し質を上げていく。
② ぞうきんが売り切れてしまった。
⇒目標人数を設定し、その人数分の商品を用意する。
具体的には約70人の参加があったのでポスターの効果を考えて125人に来ていただきたい。そのためにぞうきん70枚、ティッシュケース30個、ポケットティッシュ25個作成する。ぞうきん以外のものも作成し、お客さんが少しでもほしいものを選べるようにする。そして、材料費がかかるものは金額を上げる。また、整理券を配布し、後から来た方にも買っていただけるようにする。
③ 手作り作品の品質・ダンスのレベルを上げたい。
⇒材料の購入・動画でお互いにCHECK
手作り作品は前回の売り上げから糸やボタン、フェルトなどを購入し装飾を施すなどして質の良いものを作っていく。
ダンスはchromebookで練習の様子を作成し、お互いに見合いながら動きをそろえていく。
④ 「すべて買ってもいいですか?」と質問されて、答える人がいなかった。
⇒販売リーダーを決めて、困ったことがあればリーダーが判断する。
整理券をやめるタイミングはリーダーが決める。その他、値下げなどもそれぞれリーダーと相談して決める。
などなど。改善を重ね、当日を迎えました。
さて、どれだけの方にお越しいただき、どれだけの売り上げが出るのか。
当日の結果
来客が前回とほぼ変わらず約70名で、そのうち12名が地域の方
125個作った手作り作品は・・・
ティッシュケースが10個、ペンケースが2個、ぞうきんが25枚
も売れ残ってしまいました。
残念。
子どもたちは悲しかったり、悔しかったりで涙する子も・・・
というのは冗談で、大喜び。
なぜかというと・・・
売り上げ目標の13500円を
大幅に上回る17100円
いただくことができたからです。売れ残ってしまったのは残念ですが、せっかく来ていただいたのに買ってもらえなかったということがなかったということもプラスにとらえている子がたくさんいました。
ダンスが5600円いただくことができ、アンケートにも「前回よりも良い動きになっていました。」という嬉しい言葉が。
そして、なにより手作り作品で11500円
ペンケースやティッシュケースの単価が上がったことで材料費の1500円を差し引いても大幅に利益が上がりました。
来客者数について
来客数は正直にいうと、公共施設のポスター作戦はほとんどはまらなかったというしかないでしょう。
子どもの振り返りから
「すごく有名な会社は全く知らない人を、お客さんとしていて、ぼくたちはほとんどの方が学校の方だった。今日は大人にむけての準備になったと思う。」
と書いている子がいました。もちろん、今回保護者でない地域の方であふれかえるイベントになっていればそれはそれで素敵だったなとは思います。
しかし、そううまくはいかないということも大事な勉強だと思うわけです。
一般の会社の方々が広告にどれだけのお金を使っているのか。
それは自分たちが駅にポスターを出そうとして数万円することを知った時にも少し理解したとは思いますが、ここでも広く知ってもらうことの難しさを実感できたかなと思います。
とはいっても、1時間で12人の方にお越しいただきました。これは全くダメだったとは言えないでしょう。
実はこのほとんどがポスターではなく、宣伝係の子が校門の前に立って通りがかった方に声をかけた成果だったのです。
これだけ、SNSなど様々なコンタクトができる時代でもやはり直接会って直接話すということの素晴らしさも感じました。
売れ残りについて
売れ残りについては、もちろんすべて売れればよかったなとは思います。しかし、来ていただいたすべての方に購入していただけたこと、早めに売り切れになると売り上げをのばすことができないので売り切れにならない方がよいと考えていたことからプラスにとらえた方がよいと考えます。
整理券も作ったのですが、早々に何個でも買っていただけるようにしたり、半額にしたりとしていきました。
整理券を作った意味がなかったという子はいませんでした。
備えあれば憂いなし。
判断をした販売リーダーの子が
「もう少し人がいる時間から半額にしていたら全部売れていたかもしれない。」
と振り返っている様子がありました。
どれだけ、真剣に考えて責任をもって判断していたのかがよくわかります。そんな学びがあったのも売れ残りがあったからこそ。
全体をふりかえって
保護者からのアンケートでも
「子どもたちが努力してきた姿が想像できました。」
など嬉しい言葉がたくさん。
ペンケース200円という設定も高いとならないか心配していましたが、
「寄付であるなら高いとは感じない」
という意見をいただき一安心。
やはり売ったのはモノの対価だけではないと再認識。
モノがほしい
努力に対する評価
活動に対する賛同
寄付したい
入場代
子どもたちとのつながり
子どもが喜ぶ顔を見たい
子どもたちを応援したい
子どもたちに元気をもらいたい
分解していくといろいろな要素がありそうです。
販売目標の数に向けて時間を見つけて制作している様子、chromebookを使って動画にダンスの様子を収めお互いにアドバイスしながら練習している様子、元気に「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」という姿、準備片付けに積極的に取り組む雰囲気。
その日のふりかえりを書く時間。「10分くらいとるね。」と言って始めたにもかかわらず、30分間黙々と書き続ける子どもたち。
こんな姿を見られるのが、教員の良い場面だなと感じずにはいられません。
結果、売れ残りがあったり来場者数が前回と変わらなかったりはしましたが、一番の目標である売り上げ目標を達成し、子どもたちは主体的に活動していたことを考えると大成功と言うしかありません。
やっぱり総合的な学習おもしろいです!!!
そう思う教員が増えてほしいなと願っています。
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