Colgateのマーケティングの秘訣
歯は大事です。メキシコに来て、それを学んだダイゼンです。
さて、今回は歯磨き粉メーカーとしても有名な会社Colgateについて。
正直日本じゃあんまり馴染みはないと思いますが・・・。
いや、そうでもなさそうです。
ホワイトニングに効果があるとかで、結構人気みたいですね。
(参考にこちらの記事をどうぞ)
こちら、楽天にも。
日本って結構ドメスティックメーカーが占めているイメージですが、
その日本に入り込むColgateの凄さ、わかりますよね?
今回の翻訳ビデオはColgateのマーケティングについて。
Colgate(コルゲート)とは
調べてみると、200年以上の歴史のある会社なんですね。
創業は1806年、Wiliam Colgateさんという石鹸産業家の方が創設しました。
1928年にシャンプーなどを製造するPalmoliveと合併。
今はColgate-Palmoliveが親会社になっています。
メインの製品はオーラルケア製品。
歯ブラシ、歯磨き粉、洗口液などのオーラルケア商品から、
ハンドジェル、洗剤、さらにはペットフードまでをカバー。
Colgateが売りにしているのは、つまり
Comodity(コモディティ)・日用品 なのです。
基本的に生活必需品であるため、
競合が常に存在する、というのがColgateの課題でした。
そこをどう克服したのか?
競合をどう淘汰したのか
Colgateの扱っている商品は日用生活品ということは先ほども述べましたが、
消耗品は常に需要がある一方、競合は常に存在するものです。
主な戦略は
①製品ラインナップを広げる
②参入障壁を作る
③広い供給ネットワークの構築
④顧客との関係づくり
⑤認知バイアスの利用
①製品ラインナップを広げる
創業当時はオーラルケアに焦点を当てて、
主に歯ブラシ、歯磨き粉、洗口液などといった製品を販売していました。
そこから顧客の課題にフォーカスを始めていきます。
その例がホワイトニング。
一つの歯の課題から、どんどん派生して、
枝分かれに課題が広がっていき、
一人の顧客に対して、色々な角度から
様々な課題へとアプローチしていきました。
そして、製品ラインナップを
豊富にしていくことを可能にしたのです。
つまり、一つの製品からキャッシュを生み、
その生まれたキャッシュから、次の課題を克服する
製品を生み出し、そのサイクルの連続だったと言えます。
②参入障壁を作る
もちろん売る場所での展開も力を入れています。
製品ラインナップを豊富にすれば、
次は販売の棚にも力を入れることができます。
つまり、棚をColgateの製品仕様にしてしまう。
棚をColgateで埋めれば、自然と目が行き、ビジュアルにも効果的。
さらに製品ラインナップが多いことによって、
Colgate全商品割引など、グループとして
安く売ることができるというメリットも存在します。
このようにして、競合排他していったわけですね。
世界展開の戦略とは
③広い供給ネットワークの構築
では、次に世界中にどのように展開していったのか。
規模が大きくなれば、それだけ、供給ネットワークも
広がっていくのは当然です。
つまり、Colgateのネットワークは世界の街から村までを
網羅しているということになります。
巨大企業のメリットとして、人口の少ない地域でも、
競合がいないので、ネットワークの広さで
供給できるということがあります。
Colgateもそのうちの一つの企業で、
それをオポチュニティと捉えることができます。
さらに、村で歯に関する教育をColgateが行えば、
教育を通じて、歯をケアする大切さを理解するだけでなく、
Colgateを浸透させるということにも繋がります。
実際にColgateは教育面にも力を入れています。
オーラルケアの教育を学校で行う。
↓
Colgateの商品を使う
↓
子供達
オーラルケア=Colgate
↓
子供達は将来のColgateのお客さん
ちょっと洗脳みたいで怖いですが、
これも立派な戦略ですよね。
ブランドイメージを構築する面では有効的です。
レビューで勝つ
④顧客との関係づくり
もちろんインターネットを駆使して、
顧客との関係づくりに取り組んでいます。
Colgate製品のレビューをしてもらったり、
顧客が抱えている問題をSNSを通じて拾ったりしています。
最近は顧客から拾い上げた課題から、
糖尿病対策であったり、環境問題にもフォーカスして
製品開発に取り組んでいます。
⑤認知バイアスの利用
ではどのようにして、製品に対して
いいレビューを取得することができ、
購入まで結びつけることができるのでしょうか。
それを助けるのが「認知バイアス」の利用です。
次のブログで取り上げますが、簡単にいうと、
心理的に人間が陥りやすい偏見を利用して、
消費者を引っかけるためのマーケティング手法です。
Colgateが用いたのは「バンドワゴン効果」。
ブランド力を高めるために、Colgateの評判を
上げるための施策を行なっています。
これにより、ブランド力だけでなく、
競合も淘汰できるということです。
では何を行なったのか?
顧客に直接マーケティングを行うのではなく、
Colgateは歯医者や医者、専門家に対して、
積極的なマーケティングを行いました。
もちろん実際に質が良くないと、
プロも使いませんから、質の良さをアピールして、
実際の現場でも使ってもらう。
さらには、レコメンデーションをもらう。
それを実際の顧客・ユーザーが見る。
「歯医者さんが言うなら大丈夫だろう」
そして顧客のレビュー・クチコミもふえる。
ここで認知バイアスというのは、
バンドワゴン効果(バンドワゴンこうか、英: bandwagon effect)とは、ある選択肢を多数が選択している現象が、その選択肢を選択する者を更に増大させる効果。「バンドワゴン」とは行列先頭に居る楽隊車[1]であり「バンドワゴンに乗る」とは時流に乗る・多勢に与する・勝ち馬に乗る[2]という意味である。(Wikipedia)
すでに名声・評判・評価を得ているColgateこそ、
これを利用して、Colgateを利用するする人を増やすということです。
また、歯医者や専門家が監修して製品を作っています。
「歯医者さんが監修してるなら本物だろう」
こう、思ってしまいますよね?
マーケティング戦略まとめ
大企業だからできるんじゃないの?と思うかもしれませんが、
学ぶべきこと、実践できることはあるかと思いました。
まとめ。
①1個の問題にフォーカスせよ
一つの問題から一つの製品を生み出し、
生み出したキャッシュから次の課題に取り組む。
そのサイクルの繰り返しです。
②インターネットを用いて、参入障壁を作れ
直接ユーザーに働きかけて、
優位なポジションを獲得する、ということですね。
いかにコミュニケーションが重要なのがわかります。
③認知バイアスを利用せよ
歯医者のレコメンデーション=良い製品だ!
と思わせるような仕組みづくりです。
ざっと説明しましたが、私がこの動画から学んだことは
マーケティングは人の心を動かす手段である、という基本的なことです。
実際に製品が悪くても、マーケットでは勝つ、
製品が良くても、マーケットで負ける、
ということはよくあること。
Colgateは、実際に私も歯磨き粉使ってますが、悪くないですね。
つまり、マーケットも制し、ユーザーの心も掴んだ、
いい例だと思います。
余談
最近、セラミックを入れた歯が痛むので、
改めて、歯を大事にすることが重要かと
反省しているダイゼンでした。
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