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ディアオ・イーナン監督『薄氷の殺人』ビビッドな中国ノワール



<作品情報>

2014年・第64回ベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞と男優賞をダブル受賞したクライムサスペンス。中国北部の地方都市を舞台に、元刑事の男が未解決の猟奇殺人事件の真相に迫っていく姿をスリリングかつリアルに描いた。「こころの湯」の脚本などでも知られ、これが長編監督3作目のディアオ・イーナンがメガホンをとった。1999年、中国の華北地方。ひとりの男の切断された死体が、6つの都市にまたがる15カ所の石炭工場で次々と発見されるという事件が発生。刑事のジャンが捜査を担当するが、容疑者の兄弟が逮捕時に抵抗して射殺されてしまい、真相は闇の中に葬られてしまう。それから5年、警察を辞め、しがない警備員として暮らしていたジャンは、警察が5年前と似た手口の事件を追っていると知り、独自に調査を開始。被害者はいずれも若く美しいウーという未亡人と親密な関係にあり、ジャンもまたウーにひかれていくが……。

2014年製作/106分/PG12/中国・香港合作
原題:白日烟火 Black Coal, Thin Ice
配給:ブロードメディア・スタジオ
劇場公開日:2015年1月10日

https://eiga.com/movie/81092/

<作品評価>

85点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆

<短評>

おいしい水
好きっていう結論以外思い浮かばないです。
今でもなにがすごいのか未だに分からないんです。ストーリーはよくあるファムファタルものですし、特徴的な撮り方とかそういうわけでもないですし。なんでしょう。
やはり監督の計算し尽くされたストーリーテリング、何気ないけどこれまた計算され尽くした撮影と美術、あとロケーションの素晴らしさでしょうか。しかしそれは一部でしかないんですよね。
派手な訳でもないんですが心に大きなものを残していくような気がします。まさに白昼の花火のような作品でした。
こんなに何も言えないけど好きな作品あるんですね。

吉原
ジャンル的にはクライムサスペンスで猟奇的なシーンもそこそこ多いですが、全体的にはすごく静かな作品という印象を受けました。韓国ノワールのような暗い雰囲気と形式にとらわれない明るさが同時に存在しており、その不調和がより奇妙な雰囲気を醸し出しています。
良い場面がいくつもあり、そのシーンだけ何度も観たいと思わせられますが、通してもう一回観たいかと聞かれたらかなり微妙。観覧車のシーンのグイ・ルンメイの横顔や「美しき仕事」のドゥニ・ラヴァンの若く踊り狂う主人公が非常に印象的でした。

<おわりに>

 これぞ新時代のネオ・ノワール!と感動したものです。色使いが印象的な作品です。

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