十二月の短歌自選
一月も早くも2/3が過ぎようとしています。
今年の年明けは、一心に無事を祈っていました。
まだ起こっていない事を想定して、それに対して備えをする、それは勿論大事な事であると思います。
でも
去年こちらに短歌を投稿するようになってから、所謂コロナ禍が始まり出した頃から、煽られる不安ばかりの情報の洪水に飲み込まれて生きてきてしまった自分であった事に気付き始めました。
自分では“自分”で判断し、行動していたと思っていましたが、その実は、まだ現実化していない“不安を感じる自分”が現実の行動を作っていたと省みられたのです。
水が不足すると流れれば本当にスーパーの棚から水がなくなり、それは薬でも米でも同じように起こりました。
と考えると、まだ起きていない現実は、確定している訳ではない漠然とした不安からも作られてしまえるものでもあると思えてきたのです。
それは果たして私達の望む現実の姿なのだろうか、それ以前に、太陽の光に満ち溢れた美しい自然の景色を目の前にして、大きな矛盾を感じてきました。
先ずは、この目の前にある幸せに感謝をしよう。美しいと感じるものがある気持ちを大事にしよう。
不安を感じるよりも、何事もなかった一日の幸せで心を満たそう。
そう感じながら過ごすようになった半年でした。
まだ起きていない事を現実化してゆくのならば、それは不安ではなくて、目を閉じた時に自分の意識の底から本当にやりたい事で作っていきたいのです。
そんな思いを持ちながら、この半年、短歌を作り続けてきました。
拙い歌ではありますが、考える事を促してくれた歌に育てられてきたとも思えます。
忙しない日もあり、思うように規則正しく投稿出来ない日もありますが、自分を見つめるために、今年ももう少し続けていけたら…と思っています。
今年も皆さまにとりまして
実り豊かな年でありますように✨✨
お祈りいたします。
1/19(日)
終点のある
チケットをポケットに
行きたい場所は違う気がする
車窓から
逃がしているのは景色より
旅出ち前の昨日の自分
落葉を
終わりと思えていた頃に
見えてなかった大切なもの
それぞれの
木々の炎の色見せて
燃え尽きながら始まっている
天秤の
左右の皿に辛きこと
のれば相殺される感覚
眠り入る
同じ布団に目覚めても
六時間後の違う場にいる
泣きながら
動く歩道に生まれ落ち
歩かなくても流されてゆく
金太郎
飴のどの位置切ったって
最後は笑顔の私でいたい
星空を
タイムラプスで見てみれば
家族といられる時間の重なり
一筋の
わたしの軌道は天空を
共ゆく縁に支えられたり