保護者代表謝辞（保育園）
双子の長男長女の卒園の際、保護者代表の謝辞を述べさせていただきました。初めての経験でしたが、事前の準備に意外と時間がかかりました。
文章作成の際は、長すぎず短すぎず、また、多方面への配慮をしなくてはいけません。
そして、文章完成後は印刷して複数の紙を貼り付けるのですが、これがけっこう手間がかかりました。
元教師ということもあり、本番はあまり緊張しませんでしたが、事前に3回ほど練習を行いました。
以下はその原文です（個人や団体の名称は伏せてあります）。
時間は15分程度でした。
謝辞
穏やかな⽇差しに春のおとずれを感じる季節となりました。今⽇の佳き⽇に、〇〇組12名のためにこのような⼼温まる卒園式を挙⾏していただき、⼼よりお礼申し上げます。僭越ではございますが、卒園児の保護者を代表いたしまして、⼀⾔ご挨拶をさせていただきます。
本⽇卒園する⼦ども達は、保育園が開園し、移転し、発展する過程とともに成⻑してきました。⼦ども達の中には、△△の建物での開園当初から⼊園し、▲▲組から５年間を過ごした⼦どももいます。新しい園舎が完成した際の内覧会では、オシャレできれいな建物や内装に保護者としてもワクワクした気持ちを抱いたことを今でも覚えています。
想えば、保育園が開園して間もない頃は、まだとても⼩さい⼦ども達でした。通い始めの時期は、お⾒送りの際に⼤泣きし、後ろ髪をひかれる思いで仕事に向かい、申し訳ない気持ちを抱いたことが多くありました。しかし、⼣⽅のお迎えの際は、楽しく過ごせたことが⼿に取るようにわかる⼦どもの笑顔に、いつも胸をなでおろしていました。そのような⼦ども達が、今では⾃ら進んで保育園に向かったり、「お迎えが早い」「早く⼩学校に⾏きたい」と言ったりする姿は、嬉しい反⾯、少し寂しい感じもしますが、この数年間の著しい成⻑にとても驚いています。
園⻑先⽣やＭ先⽣をはじめ、先⽣⽅におかれましても、⾊々なことが⼿探りだったと思いますが、常に⼦ども達のことを⼀番に優先していただいたおかげで、とても素晴らしい環境で過ごすことができ、⼤変感謝しております。新型コロナウイルスが猛威をふるった時期では、難しい判断が多かったと思いますが、ほとんど休園することなく、常に⼦ども達や保護者の⽬線に⽴ってくださいました。
いい先⽣ばかりで、施設がオシャレできれいなことはもちろんのこと、おいしい給⾷は、⾷育にも⼒を⼊れており、⾒た⽬もカフェのようにオシャレで、いつも⼦ども達をワクワクさせてくださいました。保育活動も多彩で、英語、硬筆、体操、様々な場所での⼾外活動、季節に応じたイベントなど、貴重な体験を⼦ども達にさせてくださいました。また、誕⽣⽇会や運動会、お遊戯会などの⾏事は、⼿作りの温かみが感じられ、⼦ども達や保育園に対する先⽣⽅の思いがあふれていました。特にお遊戯会は、⼦ども達の年齢や個性に応じた内容や役割を、先⽣⽅がよく考えられていると感じました。⼀⼈⼀⼈が主役となり、できる範囲で⼀⽣懸命に表現している歌や踊りなどを⾒ていると、「みんな違ってみんないい」という⾔葉が頭に思いうかび、深く感動を覚えました。保護者としては、どうしても他の⼦どもの成⻑が気になってしまい、「周りと⼀緒でなければだめだ」と考えがちですが、そもそも、成⻑には個⼈差があるという基本的なことを思い出すことができました。
この先、⼦ども達は⼩学校に通うことになり、勉強やスポーツなどで他者と⽐較されることが多くなることはやむを得ません。他者と⽐べて、できることよりもできないことに⽬がいきすぎると、⼤切な個性を失ってしまうことも考えられます。そのような時は、お遊戯会のときに感じた「みんな違ってみんないい」という気持ちを思い出し、「⼈⽣百年時代」と⾔われている⼦ども達の⻑い⻑い⼈⽣に対して、⻑期的な視点でしっかり寄り添っていきたいと思います。
⼦ども達においても、●●保育園での経験から、それぞれの個性に⾃信をつけることができたと思います。価値観が多様化している昨今だからこそ、その素晴らしい個性を⼤切にして、好きなことや得意なことを中⼼に、これから先の⻑い⼈⽣を焦らずに楽しんでほしいと切に願っています。
結びになりますが、●●保育園は、保護者としても⾃慢の保育園であり、⼦どもを通わせることができて本当によかったと思っています。これまで担任をしてくださった先⽣⽅はもちろんですが、特にＡ先⽣は、約２年間担任として、⼦ども達の個性をよく把握され、⼀⼈⼀⼈に親⾝に向き合ってくださったので、安⼼して預けることができ、⼤変感謝しております。
●●保育園の今後ますますのご発展と、本⽇ご参列のすべてのみなさまのご健勝とご多幸を⼼からご祈念いたしまして、お礼の⾔葉とさせていただきます。これまで本当にお世話になり、誠にありがとうございました。
令和6年３⽉16⽇ 保護者代表 ⾓ 祥平