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シャトー・ペイルドン・ラグラヴェット1998

フランス、ボルドー地方メドック地区のワインです。
1998年のシャトー・ペイルドン・ラグラヴェットはAOCリストラック-メドックとなっていますが、今現在販売されているものは、AOCオーメドックに変わっていました。
そのあたりの変遷はよくわからないのですが、リストラック-メドックはジロンド川上流部の左岸にあり、コミューンのリストラック-メドック村から広義のオーメドック地区にAOCを移したという事でしょうか。

ちなみにボルドー地方はフランスでは南西部にあり、日本で言うと北海道北部、利尻島あたりです。

どちらにしろメドック村は世界有数の赤ワインの産地であることは間違いなく、世界五大シャトーを有している(シャトーブリオンのみクラーブ地区)
すばらしいテロワールの場所なのです。

どのようなテロワールを有しているかというと、ジロンド川左岸の砂地で適度な斜面があって水はけがよいこと。
メキシコ湾流の影響で温暖だが緯度の関係で暑すぎないこと。
またボルドー地方は大西洋の海洋性気候であるために気温の急激な変化がなく、また霜の被害にもあいにくい気候なのです。
そしてある程度の降水量もあって、砂地の多いメドック地区は排水もよいため、土壌が暖まるのも早く、これは晩熟タイプのカベルネソーヴィニョンには好都合なのです。

さてシャトー・ペイルドン・ラグラヴェットですが、クリュ・ブルジョアという格付けになっています。

格付け難しいですね。2008年までは「AOC法」、2009年からは「AOP法」と呼び名が変わっています。
ここでは詳しく触れませんが、特定生産地において品種、醸造法などが決まっていて、なおかつ一定品質を保っているワインです。

メドック地区では1級から5級までの等級の公式な格付けがありますが、
さて、クリュ・ブルジョアとはですが、
メドックの格付けとは別に1932年にボルドー商工会議所と農業会議所が中心となって始まり、現在までいろいろと変遷があって、公式な格付けになったり取り消しになって認証になったりと、また有名シャトーが軒並み脱退してその存在すら危うくなった感もあります。

ちなみに2級から5級の格付けでも等級以上に高評価なワインもあって
こちらは、「スーパー・セカンド」と呼ばれています。
これはメドックの格付けワインの「セカンド・ワイン」とは違いますのでご注意を。

長い前置きですみません。
本題のシャトー・ペイルドン・ラグラヴェットです。
1998年はボルドーにとってはまあまあ優良なビンテージです。
今から過去10年、ボルドーはかなり秀逸なワインを産してしるので、
今後が楽しみなフルボディのワインも多く、ちょっと頑張って買っておくのもいいですよ。

見た感じオリは溜まってはいないようです。
抜栓ですが、23年目ということで、かなり注意して開けたのですが
コルクが途中で折れました。。。
そういう時のためにプロング式ワインオープナーというのがありまして
それをそっと入れた瞬間コルクがドボンしましたw
更にそういう時のためにコルクリフターというものもあるのですが
うちにはないので、茶こしでワインをグラスに注ぎますwww

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濃いルビー色でまさにピークを迎えた感じ!
グラスを回すとグラスの壁に張り付いてすっと落ちる位の粘性です。
ブラックベリー系の渋甘な香りと、バニラっぽい優しい香り、少しだけタールっぽい土のニュアンスも感じます。結構複雑。
カベルネソーヴィニヨンの比率が高いので、タンニンはかなり感じます。
コクがあってやや酸味もあります。

そして料理が肉うどんって、あ~たワインがかわいそうでしょう。
こちら知り合いが讃岐から送ってくれたのですが、腰があってそれはうまい。でですね、意外でしょうけど、濃い口しょう油と赤ワインは結構相性がいいです。
おまけに牛肉ぶっかけですから最強です。卵も入ってますw

そして余韻がかなり長く残るので、食後ワインだけでも楽しめます。
私はワインは舌の根元の方が感応がよく、赤ワインの美味しさを感じやすく後味も残ると思っています。じっくりと根本付近でワインを転がしてみてください。ごきゅごきゅ飲んでいたのとは雲泥の差ですよ。

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