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草創肇希
2021年7月3日 23:42
星のアクセントが散らばる夜空の下、白い砂浜で、僕達は二人で話をした。「百合子のこと、どうなった?」「やっぱり、捨てる事にした。」「そっか。」 そこに居るはずのもう一人が居なかった。僕たちは3人家族じゃなかったっけか。 心のずっと下の方から、重油の匂いがした。ずっと蓋をしてきた重油の匂い。今となってはどうでも良いはずの、腹の底に溜まるような匂い。 「せかいのおわりだね。」