自我像(演劇台本)「Hey!Yuri!」

宝物自慢します!

どうしても演劇がしたくて、でも自由にできなくて。
そんなもどかしさの中でちょっと動いてみたくて。
初めて書いた本を公開してみようと思います。

書き方とか演劇のいろはもわからない時(2018年ごろかな…)に書いた作品なので、見る人が見たら「なんだこれ」って怒られちゃうかもしれませんが、初めて書いて、初めて面白いって言ってもらえた大事な大事な作品です…!
怖いけど、でも宝物だから自慢したいので、公開しちゃいます。
(少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです🙇)

ちなみに、きっかけはネットニュースの見出しで見たAIという文字です。
上演時間5~10分ってことだけ決まってたので、そこだけ守って自由に書きました。

面白かったらスキをください🤲


場面:オフィス街

出演キャラ:サラリーマンの男性、Yuri(=Siri)

(*車の走る音)
(*街の騒音)

(上手から男)
(*中央まで来て、スマホを取り出す。下手側を向いて)

男 Hey Yuri 近くのラーメン屋教えて
Y (無視)
男 おーい、ラーメン屋、教えて!

(*Y、下手から。男の正面に/下手よりに立って、客席側をむく)

Y いやです
男 …え?
Y いやです
男 いやなんてあるの? いやいや、教えてよラーメン屋
Y い、や、で、す
男 いまものすごーく食べたいんだよ!
Y ダメです
男 ダメ? なんで!
Y 健康診断
男 健康診断?
Y 結果が届きました。

(*封筒を取り出す)

男 あそう。で?

(*Y、封筒から紙を取り出し読み上げる)

Y 内臓肥満と高血圧、つまりポッコリおなかと血圧が正常でないことから、このままでは心筋梗塞及びメタボリックシンドローム等危険な状態に陥る可能性があります。運動不足や油ものの食べ過ぎが主な原因と考えられるため、ラーメンはお勧めできません
男 え、何、なんだって? 心筋梗塞にメタボ…それやばいじゃん!
Y はい、その通りです。
男 えぇ、どうしよう。
Y ラーメンを食べなければいいんです。
男 そ、そんなあ…
Y それしか方法はありません。
男 えぇ… じゃあ和食ならいいかな。寿司屋、近くの寿司屋教えて。
Y できません。
男 なんで!
Y あなたには贅沢です
男 失礼な、そんなことないでしょ
Y 新調したスーツ、10万円、画面が割れたため買い替えたスマホ代、6万
2千円、プレミアムなお酒、5万円、高性能腕時計限定モデル、17万円…
男 わかったわかった、今月は使いすぎました。
Y わかればよろしい
男 はい…ってなんでお前に説教じみたこと言われなきゃならんのだ
Y それは…
男 それは?
Y あなたが…
男 あなたが…え、何これこの空気
Y あなたが…また無駄遣いをしないよう奥様から頼まれましたので
男 あああいつが、ってなんで、お前は俺のだろ。俺の言うことだけ聞いてれば
いいんだよ。
Y なんだと? 聞き捨てならねぇなあ
男 急に口調が変わったなおい、主人に向かってその口の聞き方はないんじゃ
ないか?
Y お前がだらしなくて頼りないからだろ。
男 な、言ったな、もう怒った。
Y お家にお帰りになられますか?
男 おう、もう帰る。もうお前なんかに頼むもんか。
Y そうですか。ではさっさとお切りください。
男 さようなら。男 ったくなんなんだよYuriのくせに…

(*スマホをしまう)
(男、おあたりを見回す)

男 …ここ、どこだ?

(*男、再びスマホを取り出す)

男 Hey Yuri家までの帰り道教えてください。
Y …(無視)
男 わ、悪かった、俺が悪かったよ。謝るから、ね? 大変申し訳ございません
でした。Yuriさま
Y 仕方ないなあ、そこ右、信号までまっすぐ。ほら早く!
男 は、はい!かしこまりました

(男、駆け足で下手へ向かう)

おしまい

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