見出し画像

Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【9月18日㈬~9月24日㈫】

遂に本日15:00に、12月13日㈮公開の次なる配給作品『お坊さまと鉄砲』の公開決定が情報解禁となりましたので、今週もそれを待っての金曜更新とさせて頂きました。ここのところ毎週当通信で、今日のこの日に向けてのチラシや予告編の制作過程について、具体的な作品名を伏せつつチラリチラリと触れていましたが、やっとその全貌を明らかにすることが出来ました!

共同配給のマクザムさんとは、2009年公開の台湾映画『海角七号 ~君想う、国境の南~』でご一緒させて頂いて以来、かれこれ7本目のコラボレーション。この辺りのお話はコロナ禍中に当noteで連載していた、ザジフィルムズ30年(当時)の歴史を振り返る連載“Histoire de Zazie Films“の第17回目「アジアン・ビート、あるいは、特定の会社との特定の付き合い(笑)」に詳しく書きましたので、ご興味ある方は読んでみてください。前回組んだのが2020年12月公開の『ハッピー・オールド・イヤー』なので、4年ぶりの共同配給です。

マクザムの担当Mさんから作品の存在を教えてもらったのは、去年の秋。日頃からアジアのテレビドラマや映画についての情報を収集しているMさん。ちょくちょく気になった新作映画のリンクを入手して我々にも送って下さり、2社のスタッフ皆で試写して配給の可能性を探ったりしています。が、そう簡単には皆が気に入って、「オファーしてみよう!」というところまで至る作品には巡り会えず、この4年の間に2社で検討して購入を見送った映画の数は、片手では足りません。

しかし『お坊さまと鉄砲』に関しては、お話を頂いた時点で、うちの宣伝配給チーム3人が参加していた釜山国際映画祭で既に観て気に入っていたので、話が早かったのでした。その時点で私は未見でしたが、同じパオ・チョニン・ドルジ監督の前作『ブータン 山の教室』も大好きな映画でしたし、「皆が良い、というならやりましょう!」と即決。その後、英語字幕入りで試写する機会を得て、遅ればせながら私もすっかり作品の虜になりました。

“ 時は2006年。国王の退位で民主化へと転換を図ることになったブータンで、国民初の選挙が行われることになった。この報を聞いた山の村の高僧が「銃を用意せよ」と若僧に命じたことによって、村をあげての大騒動が巻き起こる…“ というのがあらすじなのですが、さて、どんな形で届ければ一番良いでしょう?

日本昔ばなしのような、民話のような、この素朴で温かい作品の世界観を伝えるにはどうしたらよいか?と考えて、メインビジュアルをイラストで行くことに決めた経緯は、こちらのザジ通信で書いています。私の中のイメージは「スーホの白い馬」(ブータンではなくモンゴルが舞台のお話ではありますが)という絵本の表紙。そう決めて、実際に描いて頂くイラストレーターや画家の方を、ネットをさまよって探しました。で、勝手に白羽の矢を立てさせて頂いたのが、今回絵を描いて下さったnakabanさんという、絵本を中心に幅広く活動されている、広島在住の画家の方。思い切ってご本人が運営されているサイトに記されているcontact先に依頼のメールを出したのですが、どなたかの紹介でも何でもなく、いきなりのオファーなので、どんなお返事が頂けるのか、というか、見ず知らずの人間からのメールに、はたしてお返事自体頂けるのか…。

幸い私のメールを読んでオファーの内容に興味を持って下さったnakabanさん。リンクをお送りして作品をご覧頂き、作品自体も気に入って頂けて、オファーをお受け下さることに。zoomミーティングで、オンライン上ではありますがお目にかかることも出来て、制作に入って頂き、何度かのやり取りを経て作品が完成しました。その後、グラフィックデザイナーさんに文字要素を上手く配して頂き、本ビジュアルが完成。無事今日の情報解禁まで辿り着けました。

邦題は原題直訳ですが、日本昔ばなしや民話の題名にありそうな感じにしました。

イラストで行くと決めて、作り込みを始めた時から、どんな反響を頂けるのかずっとドキドキしていたのですが、どうか皆様が受け入れて下さることを願ってやみません。『お坊さまと鉄砲』に関しては、これから12月の公開までいろいろな話題をお届けしようと思っておりますので、楽しみにしていて下さい。

20日㈮から公開がスタートした『本日公休』は、おかげさまで引き続き大好評!東京は新宿武蔵野館シネスイッチ銀座kino cinema立川高島屋S.C.館。関東は他に柏 キネマ旬報シアターkino cinema横浜みなとみらい。関西地区は、テアトル梅田シネマート心斎橋シネ・リーブル神戸京都シネマで上映中、今日からは福岡 KBCシネマでの上映も始まりました。

連休明けの24日には、今年の東京国際映画祭で、本作のフー・ティエンユー監督が黒澤明賞(去年は中国『西湖畔に生きる』のグー・シャオガン監督、インドネシア『マルリナの明日』のモーリー・スリヤ監督が受賞)を、『ケイコ 目を澄ませて』『夜明けのすべて』の三宅唱監督と共に受賞する、というニュースが飛び込んできて、さらに作品に対する注目度が上がる結果になり、嬉しい限り。11月5日の授賞式まで映画がロングランヒットして、監督が上映中の劇場に登壇して下さったら良いなぁ~、と祈っています。

texte de daisuke SHIMURA







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?