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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【10月2日㈬~10月8日㈫】

10月2日から開催されていた第29回釜山国際映画祭が、11日に閉幕。日本から参加されていた上映作品の関係者や、バイヤーの方々も続々帰国しているようです。

今年はザジからは誰も参加しませんでしたが(私は一度も行ったことがありません)、宣伝・営業の3人が参加した去年の釜山については、ちょうど1年前の当通信でチラリと書きました。後日談になりますが、帰国後にマクザムさんが「配給しませんか?」と持ってきて下さった映画が、釜山でうちの3人が観て気に入っていたブータン映画『お坊さまと鉄砲』。私はその時点で未見でしたが、3人が皆気に入っているのだったら「ぜひやらせて下さい!」と即答。トントン拍子で配給させて頂くことになったのでした。

あれから1年。今日はその『お坊さまと鉄砲』のプレス向け試写の1回目でした。最近はオンライン試写でご覧になる方も多いので、実際に試写室に出向いてご覧下さる方は昔ほど多くはないのですが、多くの方がご来場下さり、注目度の高さが伺え、無事に船出が出来た感じです。予告編のネット解禁はちょっと遅れてしまいましたが、来週には行えそうですので、もう少々お待ち下さい。

釜山に参加しない代わりに、私は次の月曜に日本を発って、フランス リヨンで行われるリュミエール映画祭(トップ画像は、去年撮ったリヨンのリュミエール研究所入口)と同時開催のクラシック・フィルムマーケット、21日からカンヌで行われるテレビ番組見本市MIPCOMに参加するため、9泊11日の出張に出かけます。5月のカンヌには行かなかったので、(6月末のイタリアン・スクリーニングを除けば)映画祭のマーケット出張は8ヶ月ぶり。なので今週はその準備に明け暮れています。リヨンでもカンヌでも日中は、出張費の元を取ろうと(笑)セールス会社とビッチリミーティングを入れているので、そのミーティングを実のあるものにすべく、各社のライブラリー作品リストの予習中。もう何十年も同じ作業をしていますが、穴があくほど見尽くていると思ってたリストの中に、見落としていた作品を発見したり、新たな作品が追加されていたりするので気が抜けません。

こちら、去年最終日に街ランした際に撮った、丘の上の教会からのリヨンの街並み。

「リヨンに出張に行く」と話すと、8割方の人から「いいな~!リヨンはグルメの街だから美味しいレストランがいっぱいでしょ?」と言われますが、
この円安の折、星付きレストランに出かける予定なんてありませんし、映画祭に参加する3日間は、基本夜はテキトーに済ませつつ映画祭の上映作品を観ようと思っています。去年はきちんと下調べをしていなかったために、いざ観ようと思ったらチケットがSOLD OUTだったりしたので、今年は前もってチケットを取りました(バイヤーは、スペシャルスクリーニングを除き、オンラインで8本まで席を取ることが出来ます)。が、プログラムには英語字幕の有無が書かれていません。フランスで行われる市民映画祭なので、フランス語圏の映画は字幕なし、そのほかの国の映画はフランス語字幕、と考えたほうがよさそうなので、三船敏郎特集の1本として上映される、三船唯一の監督作品『五十万人の遺産』('63)、恥ずかしながら未見のままだったイザベル・ユペール特集の1本『天国の門』('81)、フレッド・ジンネマン特集の1本『男たち』(’50)、スクリーンで観たことがない『スミス都へ行く』(’39)の4本の席を押さえてみました。

そしてもう1本。こちらはスペシャル・スクリーニングなので有料なのですが(€20なので、そこそこ良いお値段です)、弊社で配給したカール・テオドア・ドライヤーの『吸血鬼』(’32)が生演奏付きで上映されるようなので、こちらも取ってみました。これが一番楽しみ!

リヨンに4泊した後、18日の金曜の日中にTGVでパリに移動、2泊します。パリではリュミエールMIPCOMのマーケットには来ないフランスの会社の方のオフィスを訪ねてミーティングしたり、フランス在住の友人、留学中の友人、パリ在住の映画ジャーナリストの方と会食したり、こちらもビッチリ予定を入れてしまいました。航空運賃やホテル代がバカ高なので、1回の出張で出来ることは全部しなければ!という勢い。そして日曜の午後、パリから再びTGVに乗ってカンヌへ。月曜から2日半、MIPCOMでミーティングです。

こうして書いていると、この出張、仕事以外にもいろいろイベントがあってちょっと楽しそうだと思われそうですが、それは大きな誤解です。経費や労力に見合った成果を上げなくてはならないので、小さな胸はプレッシャーで押し潰されそう(笑)。エイヤーッ!と気合を入れないとを乗り切れません。私が「どうしたの?テンション低いねぇ」と言われる時はだいたい海外出張前。持病の“出張前うつ“である場合が多いです(現地では気合を入れているので元気ですが)。

次回の当通信は、リヨン、もしくはパリからお送りすることになると思いますが、今回のような“自分語り”はほどほどにして、有益な情報をお届け出来たら、と思っております!

最後に。引き続き好評上映中の『本日公休』はすでに公開4週目に突入。11日からは宮城 フォーラム仙台、静岡 シネ・ギャラリー、岡山 シネマ・クレール丸の内、12日からは金沢 シネモンド、富山 ほとり座、大分 シネマ5、那覇 桜坂劇場での上映もスタートします。ぜひお近くの劇場にお越し下さい!

公式Xは、フー・ティエンユー監督の多大なご協力により、出演者の俳優の皆さんの、日本のお客様に向けたメッセージを続々アップ中、今後も貴重な映像を投稿していく予定ですので、こちらもぜひチェックしてみて下さい。

ではでは行ってまいります!

texte de daisuke SHIMURA


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