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手詰まり感をなくし、BtoC事業をグロースさせる方法~実践編~

どうも、まんじゅうマーケティングのおざきです。
ついに、今年から花粉症の仲間入りを果たしました。

はい、前回の記事(思考編)に引き続き『まんじゅう流グロース法(永遠のβ版)』をつらつらと書いております。
だいぶ長くなってしまったので、「思考編」「実践編」に分けました。

▼思考編はこちら

僕のコンサルティングでは、「たしかに」「なんでこれしてたっけ?」「もう一度、見直してみよう」みたいな反応を多くいただきます。なので、このnoteも、そんな体験をしてもらえたらと思いながら書いてます。

ただ、「これをやれば売上があがります!」といった内容ではないこと、ご留意ください。

思考編は実践の基となる思想についてかきました。実践編はグロースやマーケティングに対して行動起こせるように話をまとめます。

実際にグロースしたい企業(BtoC)と立ち会う中で、実践し検証してきた結果を、5つにまとめました。(+おまけ2つ)

結論から述べますと、グロースを考える上で欠かせない5項目があります。

①数値目標の前に立ち返れる目的を見出す
②「誰」を知り、「こんな人たち」を形成する
③どのように感じてもらうかを考案する
④HOWはとにかく量をだす
⑤いろんな視点がもてる効果計測

あまり難しく考えずに、直感的に解釈できるように努力しましたが、わかりにくかったらごめんなさい!

それでは、解説していきます。

数値目標の前に立ち返れる目的を見出す

ビジネスの最終的な数値目標は「利益をいくら残せたか」です。そのためにKGI ・KPIやOKRといった形で、ブレイクダウンされ個々人の数値目標となっていきます。

ただ、利益との繋がりが見えやすい目標と、見えにくい目標が存在します。例えば、広告の成果、オペレーション改善といった数値化されるものは見えやすく、デザインやブランディング、顧客体験など数値化し難いものは、利益との繋がりが見えにくい。

そして、どちらの目標にも弊害が起こる可能性があります。見えやすい目標は、漠然と達成することが目的となってしまう。見えにくい目標は、ホントに意味があるのか?と懐疑的になってしまうことと、利益とのつながりが見える目標よりも低く評価されてしまう。

上記の弊害を防ぐ方法は、意識的に目標の目的に立ち返ることです。目的に立ち返ることで、目先の数字だけでなく少し先まで見通したり、視野を広げて行動ができる、時間軸が長い中で目先ではなく、将来の大きな成果に向かっていることを自分も評価者も再認できます。

そのためにも、立ち返れる目的をまず見出しておくことが大事になります。

「なぜ、この目標を達成するのか?」
自分で立ち返って納得できればまた前を向けるし、わからなかったら上司や近くの人に聞いてみましょう。個人と企業を合わせた目的の置き方が上手なマネジメントや人材がいる企業はつよいなぁと感じます。

認知科学の一例で「チェンジ・ブラインドネス」という概念があります。「6人の内、白色の洋服を着ている人たちが、バスケットボールのパスを何回まわしたか数えてください」と伝えられて映像を見ます。途中にゴリラが動画内に出てくるんですが、半数の被験者がゴリラの存在に気づかなかったという実験が有名です。(これを聞いて実験の動画みたら絶対気づきますがw)

要するに、意識的に注意しているモノ以外が、変化しても気づかないことが多いんですね。人が注意を払える範囲は限界があります。

だからこそ「目標に注力、目的に立ち返る」ことは、長い時間軸でグロースには欠かせない要素です。

「誰」を知り、「こんな人たち」を形成する

そもそも、グロースには顧客にサービスやプロダクトを買って(使って)もらう必要があります。自ずと、誰が買っているかを知り、誰に買ってもらうかターゲティングを考えることはグロースに重要ですよね。

そこで、顧客を着実に増やしグロースをスピディーに進める、おすすめの方法があります。「個人」を知って「集合」に変換し、集合に向けて施策をアプローチしていく方法です。

まず「個人」を知っていきます。
具体的には、購入・行動履歴など定量データを基にすごく熱狂的な顧客と、そうではない顧客の話を聞いてみましょう。「買った理由」に注目しても、こちらが想像し得る答えしか返ってこないので、彼らの価値観や、日々の行動、自社との出会いでおこった変化など、「その人を知ること」に注目してインタビューします

次に「集合」を作っていきます。
30人くらい話を聞けば、顧客がどんな感じの顧客が多いのかグルーピングができるはずです。きれいな分類表を作るのではなく、切り口を変えながら「こんな人たち」ぐらいの「集合」を3〜10個くらいつくりましょう。そして日々更新しながら、継続しましょう。

「個人」→「集合」の変換ができたら、次は実際の施策に活かしていきます。「〇〇な人たち」に買ってもらうためには?と考えやすくなり、施策の精度も高くなると思います。

加えて、図らずもセグメントを切っている状態なので、効果計測、分析もしやすくなっているはずです。「こんな人たち」を把握しておくことはグロースの基礎になります。

どのように感じてもらうか?

「こんな人たちに買ってほしい!」までわかったら、次は彼らがどのようにに感じたり・思ったりすれば、買って(使って)もらえるかを考えていきます。

街を散策中、とある飲食店をみて「なんか、このお店おいしそう」って感じることありませんか?

でも、食べてもいない、入ってもいない前情報がほとんどない飲食店に対して「おいしそう」と感じたんでしょうか?

端的に言うと、人は経験則から「おいしいお店」=「〇〇や、▲▲がある」といった可変する方程式を持っています。今回も「〇〇や、▲▲」が あったので、「おいしそう」と感じました。

(僕の場合は、こじんまりとしたウッディな雰囲気で、本格的なフレンチの調理法が書いてある黒板メニューがあると「この店はおいしそう」と思うことが多いです。笑)

そして、そのお店を自分の中にある「おいしそうな店」カテゴリーBOXに分類します。さらに「機会があったら行ってみたい店」or「すぐにでもいきたい店」といった行動に近いBOXにさらに分類されます。

つまり、「おいしそうな店」カテゴリーに入ると、「来店」という行動につながりやすくなり、逆に、「おいしくなそうな店」カテゴリーに入ると行動は遠ざかります。

これをグロースに置き換えると、「買う」という行動の前にあるカテゴリーBOXを見つけ、そのカテゴリーBOXに分類されるための施策を回せばグロースは進みます。

そのために、「買う」から逆算してカテゴリーを探す、カテゴリーに分類されるためにはどのように感じてもらう必要があるのかを知り、考える必要があります。

具体的には、前章で分類した「こんな人たち」ごとに、買いたい気持ちになるカテゴリーを様々な粒度でさがし、そのカテゴリーに分類されるためには、どのように感じてもらう必要があるか、仮説を立てて、実施、検証を繰り返します。

行動につながるカテゴリーは同じでも、分類する基準は人によって様々。ですが、経験から価値観は形成されるので「こんな人たち」のカテゴリー分類基準は割と類似してるなぁと思いました。

(ここで二重過程論について話したいですが、長くなるので割愛。)

HOWは量をだす

「どんな人たちに」「どのように感じてもらうか」は設定できました。(そして、相変わらず長文になってきました。)

ここからは、上記を生活者(消費者)へ「どうやって伝えていくか」、手段(HOW)についてです。

前提、手段(HOW)は無数に存在するし、環境や運によって効果も変わってくるので、手数打ってしっかり計測して、PDCAを回し続けるしかないです。

手段は量が大事です。お金をかけろ、我武者羅に動けという意味ではなく、とにかく考えながらやってみる。上手くいかなそうなことでも、とりあえずやってみる。もちろん、許容されるリスク内で。

株と同じで、ずっとプラスになることはなく、損切とうまく付き合えるかで結果は変わってきます。(塩漬けしてるお前が言うな👹)

とは言うものの、意外と手数の量を出し続けるのって難しいですよね。自分たちだけでは限界…。そんな時には、専門家やプロ、経験者に頼りましょう。(宣伝)

HOWから入ってしまうと、双方でふわふわ、しっくりこないことが多いですが、

>数値目標の前に立ち返れる目的を見出す
>「誰」を知り、「こんな人たち」を形成する
>どのように感じてもらうか?

前述した、上記3点ができていればアウトソーシングもより上手く活用できるはずです。

(機会がありましたら、まんじゅうマーケティングにもご用命ください!)

効果計測について

定量と定性データを計測し、指標は複数もつ

デジタル上での行動は定量データで取得しやすいですが、顧客の属性や、サービスに対する評価などは能動的に取得する必要があります。手法としては、アンケートが身近ですね。

ただ、アンケートまいても回答が集まらなかったり、偏ったりすることがあります。なので、購入の導線上に仕込んだり、ゲーミフィケーションの要素を使って回答率を向上させます。能動的に収集するデータは設計と工夫が必要なので早めにやっておきましょう。

定性データも定点的に収集しておくことで、集客の質について説明要因、ブランドの見え方など、定量では見つからない部分が可視化されます。(定量調査は原則として選択肢を用いるため、新しいインサイトは見つけにくい)顧客インタビューを積極的にタスクに組み込みましょう。

そして、指標は複数もちましょう。ただし、多ければいいということではなく、単一指標のみを追ってしまうと誤った見切りや、歪みが発生します。売上だけを指標にせず、顧客の満足度や転換率など組み合わせ複合的に指標をみていきましょう。

ウォッチングとモニタリングを分ける

ウォッチングは「血液検査」、モニタリングは「日々の体重測定」をイメージしてもらえると。

血液検査の結果、なんらかの数値(例えば、血小板の数とか)急激に下がっていたら病気を疑い、治療(処置)が必要になります。一方、体重が昨日から1kg増えたとてなんら問題ないですが、3ヶ月で10kg増えたらダイエットをはじめるかもしれません。

ウォッチングは、判断に即時影響を与える数値。具体例としては月次の売上、粗利、CPA、(サブスクなら)初回解約率、在庫ロス率、F2転換率など。これだ!というものでもなく企業によって様々です。

モニタリングは、トレンドや健康状態を把握する数値。具体例としてはLTVです。CVRや、認知度調査などもこちらですかねー。

事実と認知の偏りを意識する

「事実」と「認知」とはなんでしょうか?
事実は誰が見ても同じです。認知は事実から生まれる解釈で、人によって変わります。

2023年3月26日の都内で届出があった交通事故件数は73件です。(事実)
これが、良いと思うか、悪いと思うかは人によります。(認知)

コストを下げるため、コミュニケーションは「認知」でのやり取りの割合が多くなります。

計測した数値を分析する、打ち合わせや報告を受ける際は、この「認知」で良いか、「認知」がどの「事実」に基づいているか意識的に考えましょう。そもそも、事実が間違ってることもあれば、複数の事実と組み合わせると認知が変わることもよくあります。

おわりに。無駄なことなんて1つもない

初めて前編と後編に渡って、ビジネスをグロースさせる思考や方法について紹介してきました。

「〇〇がいい」「A社はこれで当たったらしい」「このフレームワークで解決」というよりは、丁寧に本質を考えていくことがやっぱり大事じゃない?ってことを伝えたくて書き始めました。

やっぱり正解はなくて、ある程度考えたらやってみる、そしてちゃんと振り返る、それらを線で紡いでいく。気づいたらストーリーになっている。

無駄なことは1つとなくて、具体と抽象、時間軸を伸ばしたり縮めたり、いろんな視点で向き合って、考えて、動いて、進んでいくことがグロースにつながる方法。が、現時点での結論です。

▼思考編

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もし、グロースに困っている方いましたら、ご連絡ください!
広告改善したい、CRMをちゃんとしたい、デジタル強化したいとかでも大丈夫です!
弊社は、自社事業とマーケティングやグロース支援事業の両輪でビジネスしています。(サイトは見にくくてすみません)

▼Twitter

おまけ:長期の場合は上手くいくことだけを考えない

右肩上がりに上がり続ける事業計画をよく見るんですが、凹む時もあるはずです。伸ばすことを中心に考えますが、落ち込んだ時の施策も考えれている企業さんってすごく強い印象があります。

おまけ:ビジネスは結果がすべてだが、人の成長は過程にある

ビジネスで結果がでないから、人としてもダメだみたいに同一視しては絶対良くないです。僕もこの教えでかなり救われました。

いくら努力しても、脳に汗かくほど考えても、シャカリキで動き回っても、思ったような結果がでないこともあります。

どんな結果でも、結果までの過程を振り返り、次に活かすことが大事なのかなと。

マークシートで、鉛筆ころがして埋めた問題と、考えて埋めた問題。鉛筆ころがした回答が正解でも、同じ問題をまた正解する可能性は低い。考えて回答した問題は、振り返れば、同じ問題を正解する可能性はかなり高くなるはずです。


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