宝くじが当たりやすくなる唯一の科学的方法
今日から年末ジャンボ宝くじの発売が始まった。
有名売り場では、験を担いで朝から(前日の夜からさえ!)長蛇の列がつくられて人々が殺到している。
しかし、そんな光景に一抹の疑問を感じざるを得ない。
なぜなら、宝くじの当選確率は、"完全に売り場とは無関係"であり、全国どこの売り場においても"一律"なのだ。
ではなぜ、当選者を多数輩出する有名売り場が存在するのか?
それは「販売数」が多いからにほかならない。
一度(それこそ幸運にも)当選者が出た売り場では、そのことが呼び水となり、さらに購入者が増える。そしてさらに当選者が出て購入者が増える…という循環が起きてくる。
ところが科学的に見ていけば、一つの売り場における総販売枚数と当選枚数の比率はどこの売り場でも数をさばいていけば「ある一定値」に収束していく。
だから、特別に当たりやすい(当たる確率の高い)売り場は存在しない。
もし存在するとしたら、それは「初期確率のゆらぎ」か「不正操作」なのだが(日本の政治のような後者は考えないようにしよう)、基本的には販売数の少なさによるただの初期確率のゆらぎにすぎないことになる。
たとえばそれは、サイコロを1回振って1の目が出たときに「このサイコロは1が出やすい」と早々に判断を下すようなもので、2回目以降に出る目は実際は1~6の等確率であるし、何万回と繰り返すうちにそれぞれが均等に6分の1へと近づいていく(それが自然の摂理というものだ)。
当選者数が多い売り場から宝くじを購入しても、あるいはもし仮に今まで当選確率が高かった売り場から購入したとしても、今回買った手元にある宝くじの当選確率は、残念ながら、ごくありふれた平均値である。
今まで当選数を多く出し、今までの当選確率が高い売り場で宝くじを買うということと、その売り場で買った宝くじの当選確率とは、本来無関係なのだ。
だから、宝くじが当たりやすくなる唯一の科学的方法は
「できるだけたくさんの宝くじを購入すること」である。
数で勝負していく以外に勝ちはない。
多くの資金を準備して、宝くじの購入に投じることが一番合理的というわけだ。
縁起を担いで、猫に宝くじを拝んでもらったり、銀箔饅頭を食べたり、地方遠征するくらいなら、それらの"諸経費"をすべて宝くじ購入に投じた方が当選確率は高まる。
また、高額当選者の言動を真似しても、自分に当たる確率には影響しない。
なので、特段に験を担く必要もないし、誰かの真似をする必要もない。
ただたくさんの宝くじを買う、というシンプルな行為が当選確率を上げるのだ。
なーんだ、そんなこと単純なことか!
と思うかもしれない。
でも、さらにもう一歩踏み込んでみると面白い。
実は、宝くじの販売時期によって期待値(当たると予想される平均金額)が微妙に揺らいでいるのだ。
正確には計算していないが、商業戦略を考えたとき、おそらく1年の中で年末ジャンボがもっとも期待値が高く、サマージャンボがその次に続くはずである(興味のある人は計算してみてほしい、そして結果を教えてほしい笑)。
だから、その期待値が一番高いものに集中的に資金を投じることこそが一番良い選択になる。
つまり、一年間(せっせと働いて)お金を貯めて年末ジャンボをできるだけたくさん買う、というのが最も合理的な宝くじの買い方になる。
というわけで
さぁ、年末ジャンボをいっぱい買おう!!
どこでもいいので、近くの売り場で。
(1等の当選確率は2000万分の1くらいなので基本的に当たらない。でも文字通り、万が一当たったらどうする?)
まずバッターボックスに入らなければどんな人でもホームランは打てないように、宝くじは買わなければ絶対に当たらないのだ。
ただ、メンタルリスクの分散として、売り場に並んで購入するときにはこう考えることにしよう。
「自分は、宝くじの助成事業への寄付をしている。つまりこれは公益事業への寄付、慈善活動。社会よ、未来に永遠(とわ)に平和であれ」と。