ウェルテル効果、というものがあるらしい。 ドイツの詩人ゲーテによる『若きウェルテルの悩み』を読んだ若者たちが相次いで自殺したことにちなんでおり、メディアの自殺報道によって自殺者が増えることが証明されたという。 このウェルテル効果まではいかなくとも、竹内結子さんの自死は僕にとって(同時に、世界中の人たちにとって)とてもショックな出来事で、日曜日から気持ちがどんよりと沈み込んでいる。 今こうして文章にすることさえもつらいことなのだけど、気持ちを整理して前に進むためには必要な
自分がやりたいことは何か? その解決札が見つからないときがある。 「やりたいことの不明」には2種類のタイプがあって、1つは自分がやりたいことが本当に見つからないタイプ。 そしてもう1つは、やりたいことがたくさんありすぎて絞りきれないタイプだ。 僕は後者だったので、それはもう、大学生のときも、大学を卒業するときにも迷いに迷って大変だった。 大学に最初に入った動機は、高校時代に数学が好きで理系に進みたいと思っていた中で「宇宙」のことを研究してみたいと思ったからだった。
「将来の夢 かもめ」と大胆にも小学校の文集に書いたことがあった。 心を透明にして天空を自在に飛び回れたら、どんなにか気持ちいいことだろう、と童心には魅力的だったらしい。 ・・・・・ 「専門学校には行かないの?」と尋ねると、家庭の事情で行けないんです、と彼女はよどみなく答えた。 東日本大震災の傷跡がまだ残る2013年の夏、石巻の仮設住宅で出会った高校生だ。 カメラが好きなようで、澄み切った青空の写真を見せてくれた。 「本当は進学したいけど…。まずは働いてお金をため
昨日、友だちとラーメンを食べに行ったときに 「どうしようもない人間っているよね」 という話になった。 たしかに、いるのだ。世の中には一定数。少なからず。 不倫をする人間、ストーカーや暴力などの犯罪を犯す人間、嘘や悪口を言う人間、自分勝手な人間、トラブルばかりを引き起こす人間、など。 僕はそもそもそういう種類の人間とはできるだけ関わらないように生きようと努めてきたのだが、やっぱり30年も生きていると、いやおうなく出会ってしまう。 有限な人生は、どんな人とどう過ごすか
つくづく自分は恩知らずだなぁと反省させられる。 いや、何がという具体的な案件があるわけではないのだけど、 恩に敏感で人間的に素晴らしい人に触れると、すごいなぁ、こういう人になりたいなぁと思う。 ・・・・・・ 「恩」とは「因を知る心」という意味で 今自分がこのように存在している原因は何か? それを知る心が「恩」といわれる。 今の自分という結果を生み出している原因をたどっていくと、 30代の自分を支えてくれている友人や知人がいて、 20代を支えてくれた友人や知
先日、いつものように友だちとボードゲーム会をしていたときのこと。 オープンボドゲ会は、誰でも参加できるウェルカムなスタイルなので、会場に看板をだしていると初対面の人が参加してくれることがある。 こないだは、たまたま通りがかった年配の女性が「ボードゲームって何ですか?」という感じで会場に入ってきた。 「え、外国人ですか?」と開口一番に聞かれたことはさておき、、、 とりあえず一緒にボードゲームをして遊んだ。 絵しりとりの「ウォッチャ」というゲームをやったり、ひとしきりゲ
最近、かの痛ましい京都アニメーション放火殺人事件に関連したニュースをよく目にする。 青葉容疑者が全身やけどの状態から奇跡的に快復を遂げ、供述を始めているらしい。 去年の7月に起きた事件だから、あれからもう10か月経つことになる。 今年に入ってからはコロナ騒動があって意識がすっかりそちらの方に向いてしまっていたが、やはりあの事件を思い返すたび、胸がずきん痛くなる。 ニュースによると、青葉容疑者のやけどの状況では死亡率が95%以上だったという。 治療にあたる医療関係者の
僕が仏教を本格的に勉強していたのは今から10年以上前の大学生のときだったのだけど、 なかなか分からなかったことの一つが「人生は苦なり」であった。 今となって思い返してみれば、人生にはいろいろな種類の苦しみがあるのだなぁと理解できるが、当時はよくわからなかった。 こんな楽しい人生、なぜ「人生は苦しみ」なのか?と。 それはたぶん大学時代は、お金・時間・人間関係・体力・身分などに恵まれていたからだったと思う。 もちろん、10代のときには、いじめや受験勉強に悩まされたことも
最近、facebookのニュースフィードが「ブックカバーチャレンジ」で溢れている。 これは7日間、自分の好きな本のカバーを写真にとって投稿するというもので7人につなぐバトンリレーだ。 僕のfacebookでは、たくさんの友だちがブックカバーチャレンジをしていて、つねに本の紹介が流れてくる。 ちなみに冷静に考えてみると、7を10回かけると約3億、11回だと約20億に達するから、ブックカバーチャレンジが12段階目に至る途中で地球の全人口が本を紹介することになる(笑) (な
「ギュオーーーン」というブルーインパルスのけたたましい飛行音で目を覚ました。 石巻にいたころは、仕事やら遊びやらで朝方まで起きていて、ようやく床についた頃、 何度このブルーインパルスをうらめしく思ったかしれない。(戦闘機ファンに怒られそうだが、、、) 今はただただなつかしい。そしてやがてまた疎ましく思うことだろう(笑) 人間は生来的に、善にも悪にも、慣れる生き物なのだ。 起きたのは、朝8時くらいだろうか。 今からきっかり1年前に石巻を離れ、仙台に移った。 が、今
あらゆる巷のゴシップが霞んでしまうくらい、世界は今コロナの話題で溢れている。 コロナの本当の恐ろしさは、コロナ自体にあるのではなく(生物学的には自己増殖すらできない生物未満の代物なのだから)、それによって引き起こる人々の不安の増殖にある。 まず第一に特効薬がない。そして次に、この状況がいつまで続くのか、つまり普通に仕事をして生活する平穏な日常がいつ戻ってくるのか、先行きがまるで見えない。 この二重の不透明性によって、不安がどんどんと増殖している。 しかし、哲学的には、
先日、仏教の話を聞きたくなって講話にお参りしてきた。 浄土真宗の開祖・親鸞聖人の教えについてで 内容は「悩んでいる人を助けるには、まず自分がどのような心でなければならないか」というもので、感動しきりだった。 3月はボランティア活動に励んでいたので、ぜひ聞かせて頂きたいタイムリーなお話だった。 ・・・・・ 実はあまり知られていないことだけど(とりたてて口外もしていないのだが) 僕が仏教に出会ったのは幼稚園の頃で、早熟だった。両親が「困ったときにはこれを唱えるといいよ
つくづくハードな幕開けとなった2020年の日本であるが、安倍政権がことごとく批判を受けている。 過去の数々の所業を見れば、国民から嫌われるその報いは当然ではあるのだが、 個人的に今回の全国休校は、素晴らしい英断であったと思っている。 おそらくは、今までの初動の遅いひどい体たらくな対策への国民野党の批判を受けとめて「今回は素早く」という反省があったのではないかと信じている。 しかし、自業自得とはいえ、安倍政権はやること為すことがすべて批判され「進むも地獄、戻るも地獄」。
「歴史は偉大な人物によって作られるものではなく、困難な状況によって作られる」と歴史家ウィリアム・デュラントは言った。 かつて日本は敗戦や震災という困難な状況を経験し、そこから努力して新たな価値観を作り上げてきた。 今、日本は新型コロナウイルスによる危機に直面しているが、この困難な状況に対峙し、知恵と努力を結集して乗り越えていかなければならないだろう。 困難な状況は、既存のシステムの歪みを露呈する。 政府のリーダーシップや各機関の連携、働き方や学校など、時代や社会の変化
"You are the average of the people you spend the most time with" (Jim Rohn) 「あなたは最も多くの時間を一緒に過ごした5人の平均である」(ジム・ローン) 最近の国内外の色々な自己啓発本を読んでみると、21世紀はどうやら「環境の時代」らしい。 世の中に選択肢が増え、欲望を掻き立てるツールが無限に溢れてきている。 そんな中で、(皮肉なことに)人間の精神は脆弱さを加速し、環境に振り回されることになる
まるで冬眠から目がさめたコグマのように、最近ゆるやかに活動を始めていて、有り難いことにいろいろな出会いが生まれている。 出会いは不思議だ。 人生で一番好きな言葉は? と聞かれたら、僕はダントツでこの言葉を挙げたいと思う。 「袖触れ合うも多生の縁」 この言葉には、ものすごい深い仏教の思想が背景にあって、 仏教において運命は、"運命論"ではなくて、"因果論"で語られている。 すべての結果には必ず原因があり、原因があって結果が生まれてくるという基本思想を根幹として