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ホーソン効果

ホーソン効果
誰かに見られるとやる気が出る心理

これは1926年から1933年までにアメリカのホーソン工場で行われた実験で明らかになった効果です[1-3].この実験では,照明の明るさを一定にする場合と段階的に明るくする場合で労働者の生産性が変化するかを検証しました.結果として,どちらの場合でも労働者の生産性は変わりませんでした.一方で興味深いのは,実験する前より実験後の方が生産性が上がっていたということです.

これは実験監督者に観察されていることで従業員たちに「俺たちは期待されている!」または「恥ずかしいところを見せたくない!」という心理が働いたからとされています.

自宅で作業をするより職場に行ったほうがやる気が出たり,図書館の方が勉強が捗ったりするのはホーソン効果の可能性があります.

リモートワークでやる気が出ない場合は,zoomやSkypeなどのビデオチャットで通話しながら作業したり,作業している様子をLive配信したりすれば,ホーソン効果によってやる気が出てくる可能性があります.

ちなみに
ホーソン効果に関して諸説あり,「相手の期待に応えようとする心理」という定義も存在します.今回はLutzの論文[4]を参考に,「誰かに見られるとやる気が出ること」をホーソン効果としました.

また,ホーソン効果が本当に実在するかは研究者の間でも議論が分かれています.

参考文献
[1] Mayo E. MacMillan. (1933). The human problems of an industrial civilization. 
[2] Roethlisberger F.J., Dickson W.J. (1939). Management and the worker.
[3] Gillespie R. (1991). Manufacturing knowledge: a history of the Hawthorne experiments. 
[4] Bornmann, L. (2012). The Hawthorne effect in journal peer review, Scientometrics 91, 857–862.

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