『嬢王の劣情』
嗚呼、私の心はどうしたの。
あなたを思って鼓動が速まるの。
あなたが欲しくてたまらない。
私は手を伸ばしているの。
けれどどこにも届かない。
私が伸ばした手は彷徨うばかり。
嗚呼、とてもとても妬ましいのよ。
私以外と楽しそうに笑っているの。
私以外は要らないの。
それに気づけぬ愚かなあなた。
欲しい、欲しい。
あなたを手に入れたいの。
欲の渦がぐるぐる渦巻くの。
黒く濁った欲の塊。
私の心は感情に支配されてゆく。
欲に塗れて、周りが見えぬ。
恋は盲目、言葉の通り。
理解はしてても止まらない。
けれども、これは見せられぬ。
あなたへ魅せるの、綺麗な私。
醜い心を押し込めて。
あなたへの想いを募らせてゆく。
あの娘がとても妬ましい。
無残な姿にしてしまい程に。
憎悪を込めた視線をむけて。
妬ましい、妬ましい。
憎き娘を射殺さん。
そこにいるのは私なの。
あなたの隣が欲しいから。
そこの娘を赤花に。
血乱れ、咲き誇る。
あなたの隣は私だけ。