泰然自若
目覚まし時計をとめ、髪をまとめ、服を着替え、お手洗いへ行く。
この流れは季節問わず同じだが、12月に入って少ししたあたりから、着替えとお手洗いの間に「居間にあるストーブの電源を入れる」が埋め込まれた。
動線上にはないため、これは冬季限定の新たなルート。
ナビで勝手に記されていく「軌跡」が分岐するイメージが浮かぶ。お手洗い後のルートは無数の点々で道が太くなっている。
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今年も順当に寒い。雪もどっさり降った。
しかし昨年に比べてどうか、と言われるとわからない。体感でもさっぱりだし、ニュース等で「例年よりも○○」と耳にしても、はえー、そんなもんだっけ……と実感がわかない。
対して、夏は「昔は〇度でも暑いって言ってたよね」という話をここ数年は毎年している自信がある。さすがに30度で驚きはしなくなったものの(嫌だけど)、27度でもげんなりだった日々のことは一生忘れないだろう。あの頃、北海道はほんと北海道してたよね……。
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この夏/冬の感じかたの違いを考えたとき、ここ数年の夏の劇的変化はもちろんだが、「冬に対するある程度の諦め」もひとつあるのではないかと思い至った。
北海道に生まれ育ったがゆえ、冬=寒いもの。そして雪は積もるものである(地域によって差はあれど)。
その点、夏に対しては「北海道なんだから、少しくらい涼しくないとつり合いが取れない」と思っている。つまり、まだ諦めきれていない。
ここ数年は確実にその均衡が崩れていて、北海道の旨味が薄くなっている。憤懣やるかたないが、いちいちぷんすかしていても仕方がない。そんなことしていたら無駄に体温が上がる。
あるがままを受け入れる、泰然自若が目標である。
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それでいうと、冬は怒ったほうがいいんだろうか。怒ることで体温を上げていく作戦。泰然自若、諦念で静かにしていたら、益々凍えてしまうから。
私は「カロリー怖い(そのままの意)」である故に現状ガリガリらしいので、熱の生成・保持力に乏しい。よおし、怒りの炎で温めていくぞ!
……その前に風邪ひきそう。
怒ってないでホットミルク飲もうかね。冬限定の4.0牛乳、1回くらい奮発してみようかしら。