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どらやきもケーキだった
「食べ比べ」ということをした最も古い記憶は、10歳になる前だったと思う。
きっかけは忘れてしまったが、ケーキ屋さんのチーズケーキを食べ比べようということになった。といっても大量にかき集めるというわけではなく、家族分をそれぞれ違うお店で購入し、みんなで少しずつ食べたのだった。
結果、不二家のスフレチーズケーキが優勝。私はチラシに載っていたチーズケーキをきれいに切り取ってA4用紙に貼り、味の感想を書いたミニ新聞を作った(もしかしたら、食レポの起源もこれだったりして)。
この食べ比べ回に加え、ケーキはそもそも記念日等で食べる機会が定期的にあった。そのため自然と、「ケーキとは、たとえ同じ種類でもお店によって多種多様である」という認識ができていたのかもしれない。
それに引き換え、どらやきに関してはどうだったか。
振り返ってみると、そもそも食べる機会がなく、したがって長いこと見向きもしなかった。餡それ自体は好きだったが「ここのが1番!」のようなこだわりはなく、良く言えばどれもみな平等という認識。
つまり、市販/専門店はもちろん、市販同士でも違いを考えたことがなかったのである。
しかし当然ながら、ひとつとして同じものはなかった。
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生地は割としっかりめ。粒餡は甘め。
見た目も、ケーキほどの違いはない、茶色と暗い紫色のサンドイッチだと思っていた。しかし、まずそこから間違いだった。
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その大部分は粒餡によるもので、生地は洋菓子を思わせるふわっっふわ具合。
そして、食感も風味も甘さも全然違う。
何に重きを置いて作っているか推測しやすいものもあったりなんかして、もしかするとケーキよりも個性を出しやすいのか?と思いさえした。
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軽めでもふもふな生地。小豆の味もしっかり感じられる。
賞味期限に幅があるのも、ケーキとの相違点と言える。
例えば、三谷が流行らせたくて仕方がない「ばたどら」を販売する千秋庵総本家。こちらの通常どらやきは5日ほど。
では、かぼちゃ商品を多数出してくれていた和創菓ひとひらはどうか。ここのどらやきは3週間ほどと長めなのである
逆に短いのが、北海道土産の定番・六花亭。通常どらやきのほかに「ご容赦どらやき」というのがあり、なんと1日しかもたない。どらやきは数日置いたあとのしっとり具合が美味しいというパターンもあるが、これに関してはできたてゆえの美味しさを楽しむものなのなのだろう。
ちなみに私は、「買ってすぐに食べねばならない」というプレッシャーに勝てず、未だ挑戦できていない。
しかし冷静になってみると、これがケーキだったら1日は当然というか、プレッシャーも何もないのである。
……これも、ケーキとどらやきに対する認識の違いなのだろうなあ(詠嘆)。
***
ケーキと同じく、お店によって多種多様などらやき。
今まで食べてこなかった分を取り返すかのように、今後もあれこれ食べていくことだろう。
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