名月の中身は緑色
十五夜だからといって何かをするということは幼い頃から特になかったのだが、今年は珍しくお月見饅頭を食べた。うさぎさんが餅をついている姿が焼き印になっている、キュートな二口サイズの饅頭である。
生地は月をイメージしたと思われる、綺麗な黄色。対する中身は鮮やかながらも落ち着いた緑色。成分表によると、どうやら青えんどう餡を使用しているらしい。
緑色の餡ってことは、要はうぐいすあんぱんってことでしょ?と思いながら食べたところ、おおよそ白餡味だった。舌が繊細であれば青えんどうの風味を感じられるかもしれないが、残念ながら力及ばず……。
だが、うぐいすあんぱんの場合は明らかに豆豆しさがある。色だけを見て「青えんどう餡=うぐいす餡」と早合点していたが、こんなにも違うとなると別物に違いない。
そうだとして、うぐいす餡と青えんどう餡は一体何が違うのだろう。
いや、モノが違うのはそうなんだろうけど、具体的な説明を求められた日には苦笑いしてその場をやり過ごすしかない。そんな未来を防ぐため、今のうちに調べるべし!
……あ、あれ?
もしかして……同じ?
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みなさん、私はわかりましたよ。
※みなさんは既にご存じだったかもしれないが、授業参観の発表会だと思って温かい目でご覧いただきたい。
結論から言うと、うぐいす豆と青えんどう豆は同一品種である。
しかし指す対象が若干異なっており、具体的には以下のとおり。
青えんどう豆:えんどうを乾燥させたもの
うぐいす豆:青えんどう豆を柔らかく煮て甘く味付けしたもの
なお、えんどうの乾燥前が「グリーンピース」、完熟前に収穫したのが「さやえんどう」とのこと。豆界のブリだったのか君たちは(?)。
(↓↓参考サイト貼っておきます)
好みがわかれるほどの別物っぷりながら兄弟であることは自明である粒餡/こし餡と違い、場合によっては同義として扱われるにもかかわらず赤の他人と(三谷に)思われてしまった青えんどう餡/うぐいす餡。
とはいえ今回食べた青えんどう餡は、白餡とのミックス。もしも青えんどう餡100%のものがあったなら、「これ、うぐいすあんぱんのやつじゃん!」となったのかもしれない。
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そういえば、月を見るのを忘れていた。
お月見し慣れていなさが完全に出てしまったが、「月より団子」ということで勘弁してほしい(饅頭だよ)。