酢飯ふりかけ――夢かうつつか

白米よりも酢飯や塩おにぎりに魅力を感じがちな私に、朗報と悲報が同時に舞い込んできた。

「すしっこ」みたいな名前の酢飯ふりかけが過去に存在していたことがあったらしい、が、検索しても出てこないらしい。

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びっくりするくらい曖昧な情報に思わず笑ってしまったが、ソース元は我が母である。

話によると、かつお節系の「あじぶし」や鮭フレーク的な「さけっこ」というふりかけがあり、その仲間の一つに「すしっこ」みたいな名前のもあったというのだ。

すし太郎のように具材入りではなく、さらに混ぜ込むわけでもない。あくまでも甘酸っぱさが足されるふりかけなのである。

しかし同世代の父は「すしっこ」のみを知らず、『すしっこは夢なのではないか』と言ったそうな。

事実、他の2つは検索すると「味ぶし」「鮭っ子」としてヒットし、志村けんさんと加藤茶さんがそれぞれのパッケージを持っているCM画像も出てきた。しかし、そこに「すしっこ」の姿はない。

さらにドリフターズ全員が写った画像を見ても「めんたい子」「カレー教室」「焼き肉」「焼きたら子」が加わるのみで、「すしっこ」は影も形もないのだった。

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カレーだけ「教室」なのって何？という疑問も新たに湧いてきているところだが、それはそれとして「すしっこ」の所在である。

以下では他の商品名にならって「寿司っ子」としておこう。

　

現在はどの商品も廃盤になっているっぽいが、寿司っ子以外は似た商品がありそうだし、味のイメージも湧く。

しかし、かけるだけで酢飯のような味になるふりかけなんて今まで聞いたことがない。そして酢飯好きとしては1番食べてみたい。それなのに1番存在が怪しまれているというのは由々しき事態である。

冷静に考えて、当時あっても無くても今現在は存在していないのだから、食べられないことに変わりはない。仮に存在が証明されたところで、私はせっせとすし酢を混ぜ込むしかない。

とはいえ、1度聞いただけではイメージできなかったトリッキーふりかけが過去にあったというのは面白いではないか。それに、母は夢ではなく現実を見ていたのだと父に証明したいではないか。

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つきましては、「寿司っ子（仮）」及び、混ぜ込みタイプではない酢飯の素等について情報をお持ちのかたはぜひこちらまでご一報願いたい。

（ご存じない場合は、おすすめのふりかけでもいいです。みんなの好きなふりかけが知りたい……。）