介護業界の人材不足が深刻だってよ。人手不足の原因や解決策を徹底調査!
日本の介護業界は深刻な人材不足に直面しています。厚生労働省の推計によると、2025年には介護人材の需要が253万人に達する一方で供給は約215万人にとどまり、約38万人の人材が不足すると予測されています。介護業界では現在でも人材確保が難しい状況ですが、さらに深刻化すると懸念されています。
2025年問題とは?
介護業界の2025年問題とは、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となることで生じる様々な課題を指します。主に以下の点が懸念されています。
介護需要の急増
2025年には65歳以上の高齢者人口が全体の約3割、75歳以上が約2割を占めると予測されています。これに伴い、要介護認定者数も716万人に達すると推計されており、介護サービスの需要が大幅に増加すると見込まれています。
介護業界への影響
サービス提供体制の逼迫
介護需要の増加と人材不足により、十分なサービスを提供できない状況が生じる可能性があります。
介護職員の負担増加
人手不足により、現場で働く介護職員の業務負担が増大する恐れがあります。
介護の質の低下
人材不足や負担増加により、介護サービスの質が低下する可能性があります。
対策
政府や介護業界では、以下のような対策が検討・実施されています。
介護人材の確保・育成
処遇改善や研修制度の充実によるキャリアアップ支援
【業務効率化】
デジタルツールやAI技術の活用による業務の効率化
外国人材の活用
介護分野における外国人労働者の受け入れ拡大
地域包括ケアシステムの構築
医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される体制の整備
2025年問題は介護業界だけでなく、社会全体に大きな影響を与える課題です。持続可能な介護システムの構築に向けて、様々な取り組みが求められています。
介護業界の人材不足の現状
介護業界の人材不足は非常に深刻な状況にあります。2035年には約297万人の需給差が生じると予測されています。つまり、介護が必要な人に対して介護する人材が圧倒的に足りないということです。また介護労働安定センターの調査によると、介護事業所全体の66.3%が人手不足を感じているとのことです。
介護業界の人材不足の主な原因
人材不足の背景には以下のような要因があります
給与・待遇の問題
介護職は身体的・精神的負担が大きいにもかかわらず、給与水準が低いことが多い。
社会的評価の低さ
介護職の重要性が十分に認識されておらず、社会的評価が低い傾向にある。
過酷な労働環境
人手不足による長時間労働や休息不足が常態化している。
身体的負担
介護業務は身体への負担が大きく、29.8%の介護労働者が「身体的負担が大きい」と回答している。
少子高齢化
高齢者人口の増加に対し、生産年齢人口が減少している。
介護業界の人材不足への対策
介護業界の人材不足に対して、以下のような対策が講じられています。
処遇改善加算:介護職員の待遇向上やキャリアアップ支援のための補助金制度
資格取得支援: 職場が介護資格取得の費用を負担し、スキルアップを促進
福利厚生の充実:食事補助サービスなど、職員の定着を促進する取り組み
技術やITの活用:業務効率化や負担軽減のための技術導入
これらの対策を通じて、介護業界の人材確保と定着率向上を目指しています。しかし、問題の完全な解決にはまだ時間がかかると考えられます。
介護職が増えないのはなぜ?
介護職が増えない主な理由には以下のようなものがあります
待遇面の問題
低賃金
介護職は身体的・精神的負担が大きいにもかかわらず、給与水準が低いことが多い。
労働条件の厳しさ
長時間労働や夜勤などが常態化しており、ワークライフバランスの確保が難しい。
社会的評価の低さ
介護職の重要性が十分に認識されておらず、社会的地位が低いと感じられている。これにより、職業としての魅力が低下している。
身体的・精神的負担
身体的負担
介護業務は身体への負担が大きく、29.8%の介護労働者が「身体的負担が大きい」と回答している。
精神的ストレス
利用者や家族との関係構築、緊急時の対応など、精神的なストレスも大きい。
人材育成の課題
キャリアパスの不明確さ
介護職のキャリアアップの道筋が不明確で、将来の展望が描きにくい。
教育・研修の不足
十分な教育・研修機会が提供されていないケースがある。
業界のイメージ問題
「3K(きつい・汚い・危険)」といったネガティブなイメージが根強く残っており、新規参入を躊躇させる要因となっている。
少子高齢化の影響
生産年齢人口の減少により、介護職を含む多くの業界で人材の確保が困難になっている。
これらの要因が複合的に作用し、介護職の増加を妨げています。解決には、待遇改善、社会的認知度の向上、労働環境の改善、キャリアパスの明確化など、多角的なアプローチが必要です。
介護人材の不足による問題は?
介護人材の不足は様々な深刻な問題を引き起こす可能性があります。主な影響は以下の通りです
サービスの質の低下
介護の質の低下
人手不足により、一人の介護職員が担当する利用者数が増加し、十分な介護を提供できなくなる可能性があります。
事故リスクの増加
職員の疲労や注意力の低下により、転倒や誤薬などの事故が増える恐れがあります。
介護職員への負担増加
長時間労働
人手不足を補うため、残業や休日出勤が増加し、介護職員の心身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
バーンアウト
過度の負担により介護職員の精神的・身体的疲労が蓄積し、バーンアウトのリスクが高まります。
経営面への影響
人件費の上昇
人材確保のため、給与や待遇の改善が必要となり、事業所の経営を圧迫する可能性があります。
サービス提供の制限
十分な職員を確保できず、新規利用者の受け入れを制限したり、サービスの縮小を余儀なくされる場合があります。
社会的影響
介護難民の増加
介護サービスを受けられない高齢者が増加し、いわゆる「介護難民」問題が深刻化する恐れがあります。
家族介護の負担増
介護サービスが不足することで、家族による介護の負担が増加し、介護離職などの社会問題につながる可能性があります。
地域格差の拡大
都市部と地方の人材確保の差が広がり、地域によって受けられる介護サービスの質や量に格差が生じる可能性があります。
これらの問題は、介護を必要とする高齢者の生活の質を低下させるだけでなく、社会全体に大きな影響を与える可能性があります。介護人材の確保と定着は、高齢化社会における喫緊の課題となっています。
介護業界の人材不足を解消するには?
介護業界の人材不足に対する主な解決策として、以下のようなものが挙げられます
待遇改善
給与水準の向上
処遇改善加算の活用などにより、介護職員の給与を引き上げる。
労働環境の改善
長時間労働の是正やワークライフバランスの確保に努める。
人材確保・育成
外国人介護人材の受け入れ
技能実習生や特定技能外国人の活用を検討する。
資格取得支援
介護福祉士資格の取得を推奨し、職場でのキャリアアップを支援する。
教育・研修の充実
継続的な学習機会を提供し、スキルアップを促進する。
業務効率化
ITやテクノロジーの活用:介護ロボットやICTを導入し、業務の効率化を図る。
業務の見直し:不要な業務を削減し、介護職員の負担を軽減する。
イメージ向上
社会的評価の向上:介護職の重要性や魅力を広く社会に発信する。
キャリアパスの明確化:将来の展望が描けるよう、キャリアアップの道筋を示す。
多様な人材の活用
高齢者の活用
元気な高齢者を介護スタッフとして雇用する。
パートタイム労働者の活用
短時間勤務やフレックスタイム制を導入し、多様な働き方を提供する。
これらの対策を総合的に実施することで、介護業界の人材不足の解消を目指すことができます。ただし、根本的な解決には時間がかかるため、長期的な視点での取り組みが必要です。
介護職のイメージアップはどうすればいい?
介護業界のイメージアップには、以下のような取り組みが必要です
処遇改善とキャリアパスの明確化
給与の改善
介護職員処遇改善加算制度により、給与水準が向上していることを広く周知し、介護職の魅力を高める。
キャリアアップの支援
キャリアパス制度を導入し、職員のキャリアアップを支援することで、将来の展望を持ちやすくする。
業界の魅力発信
ポジティブなエピソードの共有
介護職員が感じるやりがいや利用者との関わりのエピソードを発信し、業界のポジティブな側面を伝える。
イベントやメディアを通じた情報発信
厚生労働省や介護事業所がイベント、テレビ、SNS等を活用して介護の仕事の魅力を広く伝える活動を行う。
労働環境の改善
ストレスケアの整備
定期的な面談や適切なシフト管理を導入し、職員のメンタルヘルスをサポートする。
業務効率化
ICTの活用やユニットケアシステムの導入により、業務の効率化と職員の負担軽減を図る。
社会的評価の向上
介護職の重要性の認知
介護職の社会的な重要性を理解し、適正な報酬と労働環境を提供することで、社会的評価を高める。
これらの取り組みを通じて介護業界のイメージを改善し、人材確保につなげることが期待されます。
介護の仕事の魅力5選
介護の仕事には多くの魅力がありますが、特に以下の5つが挙げられます。
①感謝の言葉
介護職では利用者やその家族から感謝の言葉を直接受ける機会が多く、仕事のやりがいを感じやすいです。「ありがとう」といった言葉は、日々の業務の中で大きなモチベーションになります。
②高齢者とのふれあい
高齢者とのコミュニケーションを通じて、人生経験や価値観を学ぶことができます。特に若い世代にとっては、異なる世代との交流が新しい視点を提供し、自己成長につながることがあります。
③キャリアアップの機会
介護職は、未経験から始められる職業であり、さまざまな資格を取得することでキャリアアップが可能です。例えば、介護職員初任者研修から始まり、介護福祉士やケアマネージャーなどの資格を取得することで、専門性を高めることができます。
④知識とスキルの習得
介護を通じて得た知識やスキルは、自分自身の将来や家族の介護に役立つことがあります。介護に関する知識は、社会全体が高齢化する中でますます重要になっています。
⑤勤務時間の柔軟性
介護職はシフト制で働くため、勤務時間の融通が利きやすいです。これにより、家庭やプライベートとの両立がしやすく、子育て中の方や他のライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
これらの魅力は介護職を選ぶ際の重要な要素となり、業界の人材確保にも寄与する要因となっています。
介護の知識は日常生活にも役に立つ
介護の知識は日常生活において以下のように役立ちます。
①家族の介護に役立つスキル
介護職で身につけたスキルは、家族の介護が必要になったときに非常に役立ちます。日常生活の支援方法や認知症の方への接し方など、介護職で学ぶことは家庭での介護にも応用可能です。
②健康管理と予防
介護の知識を活用することで、高齢者や自分自身の健康管理や介護予防に役立ちます。例えば、転倒予防や適切な栄養管理など、日常生活での健康維持に貢献できます。
③緊急時の対応力
介護の知識があると、緊急時に迅速かつ適切に対応する力が養われます。例えば、急な体調変化に対する初期対応や、必要な医療機関への連絡方法などを理解していると安心です。
④コミュニケーション能力の向上
介護では利用者とのコミュニケーションが重要です。この経験を通じて、相手の気持ちを理解し、適切に対応するコミュニケーション能力が向上します。これは日常生活や職場での人間関係にも役立ちます。
⑤自立支援の知識
介護の知識を持つことで、高齢者や障がい者ができるだけ自立した生活を送れるようにサポートする方法を理解できます。これにより、家族や周囲の人々の自立を支援することができます。
これらの知識は専門的な場面だけでなく、日常生活においても非常に価値があるものです。
まとめ
介護業界は「仕事がキツい割に給料が安い」というイメージですよね。
でも本当にそうなのでしょうか?
ぜひ自分の目で確かめて、実感したことを発信していってほしいと思います。
介護職1年目のぼくが今、わかったこと。
介護業界で働く人たちは、人のことを想い、考え、支援し続ける
とっても魅力的な人たちです。
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