掌編3分の旅『お母さんと刑事さん』
僕ね、お母さんのこと大好きなんだ。お母さんはとっても優しい良いお母さん。いつも僕のことを心配してくれて、僕の障害になるものをいつも先回りして取り上げてくる。お陰で僕は転んだことなんて一度もないんです。優しいお母さんがイケナイって言ったら、僕はどんなことでもすぐイケナイことだと認めるんです。例えば塾のテストで百点取らないのはイケナイこと。ワルいお友達と遊ぶのもイケナイこと。学校から帰る時に寄り道するのはイケナイこと。お母さんの気に入らないお絵かきをするのはイケナイこと。お母さん