定時と東京から見る働き方改革

久しぶりに東京に出張した。

改めて感じたのは人の多さ。朝も夕方も電車はギュウギュウ。ドアに押し付けられるほどの混雑。各都市に出張で行くが、東京の混雑ぶりはいつ見ても異常である。完全にキャパオーバーだろう。こりゃあ自殺したくなったり、会社に行きたくない人がいてもおかしくないわと思う。精神を正常に保ち定時出社する人は勤勉でスペックが高いし、それだけで褒められる価値がある。

確かにヒト、モノ、金、情報が集まる東京圏に住むメリットは多少あるかもしれない。とはいえこうも思う。敢えて今のIT社会、交通網が発達した社会でそこまで「首都圏」にしがみつく意味はあるのかと。一昔前ならまだしも、情報の部分で東京に住むメリットは薄れつつあるだろう。人の交流にしてもリアルの交流を補完できるITツールも、移動手段もある中、同様の流れであると思う。過密な首都圏に敢えて本社機能や住居機能を置く必要性を見直す余地は大いにあると思う。

また、会社員でたいてい決まっている「定時出社」に価値はあるのかと。特に過密の首都圏では右へ習えの定時出勤には疑問しかない。

首都圏の平均年収は確かに他地域と比べて高いが、物価、家賃などの生活コストもそれ以上に高い。首都圏で暮らす家庭収益のメリットはあるのか。人口が多いがゆえの混雑、各商業エリアの行列での待ち時間。時間損失も相当大きいように思う。

そんな中、その首都圏で敢えて混雑する時間をターゲットに通勤するメリットは何だろう?そもそも右向け右で定時を設けるメリットは何だろう。

あまりにフリーにしても、生産性が悪いのかもしれないが今の8時〜9時の始業時間の幅を6時〜10時程度の幅でバラけさせるくらいはやれるのではないだろうか。ならば、キャパオーバーの首都圏の混雑も少しは解消される気がする。

最近行った、レザージャケットのオーダーメイドの店舗。店舗の営業は水曜日から日曜日のみ。開店日も15時15分〜19時19分の4時間のみの営業である。

最初はそのユニークさに驚いたが、生産性が非常に高い取り組みに思えた。

来店コア時間のみにしか開けない。人手不足だ、客の減少だと世の中言われるが「本当にコアな時間帯はどこか?」「本当に収益性を上げられるポイントはどこか?」「自分の顧客はどこにいるか?」真剣に考えたらこの店舗のように、その店、会社、人オリジナルの行動時間帯が生まれて当たり前なのだと思う。

働き方改革が問われるが、単純なファッション感覚でなく、企業側にも働き手側にも「核心はどこなのか」真剣に見つめ直すことが求められているように思う。

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