交渉力
橋下徹氏の著書。彼の数多くの政治での喧嘩、発言、交渉などの発信はそれほど注目されることのなかった歴代の大阪の首長と比べて異端の存在だったと思う。
毎日のように大阪府知事や、市長がメディアに取り上げられ、場合によっては喧嘩も辞さない言動は物議を醸すこともあったが、反面非常に力強くて頼もしくも思えたものだ。
何より敏腕弁護士ということもあり、議論で負けない。発言が端的で歯切れよくわかりやすい。ビジネスマンの私としても憧れる存在でもある。その彼の交渉力、発信力の核となる考え方がこの本には盛り込まれている。キーワードを抜粋していこう。
●交渉力とは、話をまとめる力
●交渉成功のポイントを一つだけ挙げるなら「自分の要望の整理(優先順位付け)」、たくさんの要望を2つのグループに分ける。絶対に譲れないものと譲れないものに分類し、絶対に獲得したい要望をできれば一つに絞る
●交渉は大きく分けて2パターンしかない。敵対的交渉と、強調的交渉
●実践的交渉では3つの手法だけ知っておけば良い。①利益を与える(譲歩する)②合法的に脅す ③お願いする
実際に橋下氏が政治の場面で使った具体的な事例、体験を交えて書かれており非常にシンプルでわかりやすい。
要望の整理、優先順位付けについては、早速私の営業の仕事で活用しようとおもう。
あと、私はコーチングを学ぶ機会があったがコーチングはまさに相手側の要望を引き出し、整理する。優先順位付けをする。など交渉力にもつながる要素であると改めて気付くことができた。
さて、話は少し脱線するが、コロナウイルスで世間に不満が渦巻いているが、我々が個々で考えなければいけないのはまさにこの本で交渉のポイントとされている「何を要望しているか」を理解することなのかもしれない。
なんとなく不安な感情を、その裏返しの「何があれば満たされるのか」「今何が必要なのか」をまず一度立ち止まって自分自身で整理すること。
そして、それを自分の職場に要望するのか、家族に要望するのか、はたまた家族に要望するのか。自分は何を交渉できるのか?行動できるのか?
社会や政治に不満を言う前に、一番必要なのは「要望の整理」なのだと思う。
不満を「要望」に変換することで、行動できることも増え、それが自分の周囲や場合によっては世界を変えて行くことに繋がるのだと思う。
♯交渉力 ♯橋下徹 ♯新型コロナウイルス
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