ラスト・ファラオの一家の物語
『エジプトの輪舞』(20世紀の波乱万丈のエジプト小説)ダウンロードしてくださった方々、ありがとうございます。ただ最終版(最後の修正版)は明日アップロード完了するはずです。それ以前版はところどころ読みづらく申し訳ありません。以後、気をつけます。明日(木曜日12・14)ダウンロードはOKだと思います。
紙書籍は週末ぐらいかな?未成年OKです、18禁ではありません。BL描写もマイルドです。歴史の勉強になります。高校生でも分かるようにというのは意識し、
「なぜ今日でもエジプト(中東)の絡む問題に英仏がでてくるのだろう」
「まさかスエズ動乱(第二次中東戦争)とハンガリー動乱(どちらも1956年10月)に接点があっただなんて」
(なお第三次中東戦争のあとにプラハの春が起こりますが、話が東欧ソ連に飛んじゃうためその辺の関連性は本書では省略しました)
「エジプトは長年多数の外国の支配下だったせいで、これだけ言語がぐちゃぐちゃしていたんだ」(←ファルークの第一言語はイタリア語、妻や母親は仏語、父親はイタリア語、祖父は仏語、後釜の王位を狙う王族の○○は独語、○○は英語、首相は仏語、、、、今のトルコ語とオスマントルコ語の違い、コプト語とか言語までもがややこしい国です)
「なぜスエズ運河をどこの国も狙うのか」
(↑ただし近日出す予定の1800年代編の小説の方が詳しくわかりやすく書きました)
「(第二次大戦中での)キリスト教国家同士の戦争に巻き込まれたことに対して、エジプト人はどう思っていたんだろう」
「イタリア語を話しイタリア文化で育ったエジプト国王(ファルーク)は宗主国イギリスとイタリアが敵同士になったことにどう対処したんだろう」
「エジプト革命は王家から見るとどういうもので、王家の人々はどうなったんだろう」
「エジプトのクリスチャンはどういう生活だったのだろう」
そして、立場身分国籍が違うと同じことを経験してもこれだけ受け止め方が変わるというのを書いたつもりです。
例えばイギリス人が重要ポストを占めていたことも、エジプト人からすれば不満ですが、イギリス人からすると
「そのおかげで秩序が保たれている。エジプト人をトップにすると警察署も骨董美術保護局も賄賂横流しだらけになる」。(←否定できない)
小説の盛り上がるのは、エジプト革命前夜と呼ばれる「カイロの火」(ブラックサタデー)の暴動。たまたまそれに巻き込まれたクリスチャン青年の目線と呑気なエジプト国王と、イギリス軍隊を出すか出すまいか苦悩するイギリス人の目線(本当に難しい判断だったに違いありません)で書き上げましたが、次々にヨーロッパ建築が破壊され燃やされるくだりは自分で涙が出ました。
それからその後にエジプト革命が勃発し、追放されるエジプト王族側からその革命を書き上げたことです。特に(フランス革命でマリー・アントワネットの子どもがどうなったか知っていた)ファリダ王妃がとっさにとった行動は、お子さんを持つお母様方なら全員涙されるのではないでしょうか。
(ちなみに絵描きなどがお仕事の方々の間では有名な女性ですね、ファリダは、、、)
ファルーク国王は本当にナセルに暗殺されたのか?王妃王女のその後は?エジプト最後のアルバニア人王家に絡み、日本では全然知られていませんがムバラク大統領の「へえ」という感心するエピソードもあります。
続編ではなぜムバラク大統領が追放されることになったのかの背景に「ナセルの息子」の存在があります。アラブの星と呼ばれた英雄中の英雄の長男です。ムバラクは何度もナセルの長男を死刑にしようとします、そういう話の続編があるであろう(多分)ということを念頭に本書「エジプトの輪舞ロンド」のナセルのシーンを読んでいただけると嬉しいです👍
PS
ファルークのエドワード8世、オードリー・ヘップバーンやグレース・ケリーとの親交も本当です!