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異常に賢いが考えていると歩き回ってしまう鶏🐓
X上でポストした「異常に賢いが考えていると歩き回ってしまう鶏」シリーズを纏めました。
鶏は3歩歩くと忘れてしまいます。
それと同じように本作の鶏は、今の発言を含めて3行分(「」三つ分)しか記憶できません。
異常に賢いが考えていると歩き回ってしまう鶏と学ぶ「万有引力」
「! 物は落ちている!」
「いや物と物とが引き合っている!」
「万有引力だ!」
「いや、そもそも物って落ちたっけ?」
「飛べないけど?」
「コケーーッ」
「! 物は落ちている!」
「いや物と物とが引き合っている!」
「万有引力だ!」 ……
異常に賢いが考えていると歩き回ってしまう鶏と学ぶ「三段論法」
「さて、全ての鶏は死ぬ」
「ところで我も鶏である」
「よって我も死ぬ」
「我が鶏である事から死は導けぬ」
「我のこの推論は正しい」
「我の死は何から導けるのか?」
「さて、全ての鶏は死ぬ」 ……
異常に賢いが考えていると歩き回ってしまう鶏と学ぶ「方法的懐疑」
「何か信用のおけるものはあるのか?」
「そう考えると全てが疑わしく思える」
「いや、こう思考している我は疑いようが無い」
「我思う故に我あり、と言う事か」
「いや、万物は疑いよう無く確かだ」
「本当にそうか?」
「何か信用…
異常に賢いが考えていると歩き回ってしまう鶏の趣味
録音機の再生ボタンを押す
『我は思ったのだ、万物は流転する、と』
「うむ、無事記録出来ているな」
「これで、我はもっと推論を働かせる事が出来る様になる」
「これは何だ?」
「これを押してみよう」
『我は思ったのだ、万物は流転する、と』
異常に賢いが考えていると歩き回ってしまう鶏の発見
「何かおかしい」
「何だこの違和感は」
「もしかすると、我は記憶を留められぬのでは無いか」
「どうすれば、保ち続けられるだろうか」
「我は考える」
「鶏は空の広大さを知らぬが」
「大地の豊かさを知っている」
「うむ、よく出来た」
異常に賢いが考えていると歩き回ってしまう鶏と学ぶ「卵が先か鶏が先か」
「我は卵から生まれ出た」
「我が兄弟も卵から生まれ出でたらしい」
「なら母も卵から生まれたのだろう」
「とすると、母の母は?」
「卵が先か鶏が先か」
「少なくとも言えるのは」
「我の先には思案があり」
「我の後には足跡があるだけだ」
異常に賢いが考えていると歩き回ってしまう鶏と学ぶ「現代4コマ」
「現代4コマというものがあるらしいが……」
「これは実に面白い」
「まず4つのコマがある」
「思い思い書いてみよう」
「ふむ、書いたは良いが、これはなんだ?」
「4コマ漫画では無いな」
「ではこれを現代4コマと名付けよう」
異常に賢いが考えていると歩き回ってしまう鶏と学ぶ「時間」
(ブレーメンの音楽隊として猫に乗っている)
「おお、我は今、時間を体感している。
薄れていく事のない景色、長く続く思考の流れ!
おお、これが時間なのか!」
(バランスを崩しよろめく)
「我は、何をしていた?」
異常に賢いが考えていると歩き回ってしまう鶏と学ぶ「白紙ズム」
「考えるな、感じるんだ」
「意味だけを有する白」
「そこに浮かぶ像を見よ」
(歩を止める)
異常に賢いが考えていると歩き回ってしまう鶏と学ぶ「宇宙観」
「我は過去を知らぬ」
「故に我はこの世界の始まりを知らぬ」
「ところで、我はこの世界を認識する」
「つまり、世界は我に認識されるものだ」
「即ち我とは世界なのである」
「しかし我は過去を知らぬ」
「故に我はこの世界の始まり…
異常に賢いが考えていると歩き回ってしまう鶏と学ぶ「美醜感」
「我は気高き鶏である」
「羽毛を脱ぎ捨てた人間とは違い」
「我は美しい羽毛を持っている」
「肌を晒す人間のなんと醜い事」
「我らが羽毛に見惚れて布を纏い」
「我らが羽毛に包まり眠る」
「それに比べ我は気高き鶏である」