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成仏日記【10】エピソード①ひまわりTシャツ事件

ここからは、私が印象に残っている父のエピソードを浄化させたいと思う。思い出すだけで辛いので、敢えて書き出してみたい。できるだけ時系列にしていくが、エピソードシリーズは思い出したらその都度書き足していく予定だ。

一つ目から私にとっては重い出来事で、長らく記憶から抹消されていたのだが、大学時代に受けていたカウンセリングの途中で蘇り、泣いてしまったものだ。

それは七五三のとき、つまり3歳の頃の事件。3歳の記憶がないのは当たり前だと思うかもしれないが、私は2歳くらいからの記憶が残っていて、この事件のことも今では鮮明に思い出せる。

さて、この七五三の時、父方の祖母が数日間も襲来して母にストレスを与え続けるという追加イベントが発生した。母は姑が居る状況下で我慢を重ね本調子ではなくなり、それを察した私もだんだんと不機嫌になっていた。迎えた当日、私は遂に溜まったものが噴き出して母を苦しめる祖母が持ってきた着物を着るのが嫌になった。そこで、お気に入りのひまわりTシャツを着ていく、と言い張った。

私が愚図るのは珍しかったらしく、母が「じゃあ、それで行こうか」と折れたところ、父と祖母が「お前の子どもなんだから、お前が努力して着せろ」「母親失格だ」というようなことを言った。具体的なセリフは後から聞いたことだが、とにかく母が責められているのは当時の私にも理解できた。それで私は着物を着ることにしたのが、今でもそれがトラウマで晴れの日に自分が主役で着飾るというイベントが苦手である。人見知りで美容院に行けないわたしのために、母が着付けもヘアメイクもやってくれたことだけが良い思い出だ。

自分のパートナーと母親が一緒に居る場では、あくまでも男性側が姑から守る姿勢を取るべきだと思う。自分の母親の意見に乗っかって一緒に「そうだそうだ」と喚くとは何事だろうか。ひまわりTシャツを着たがっている女の子は、お前の子でもあるんだぞ。言葉では表せないところに恐ろしさが潜む、噛めば噛むほど香ばしいエピソード。

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