zakko

生きることに躓いた、不器用な20代。 好きなことや感じたことを気まぐれに書いていこうと思います。 料理や読書、日常の些細なことなどつらつらしつつ、親との確執や卑屈な思いを解毒する凸凹な場所。

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生きることに躓いた、不器用な20代。 好きなことや感じたことを気まぐれに書いていこうと思います。 料理や読書、日常の些細なことなどつらつらしつつ、親との確執や卑屈な思いを解毒する凸凹な場所。

最近の記事

成仏日記【10】エピソード①ひまわりTシャツ事件

ここからは、私が印象に残っている父のエピソードを浄化させたいと思う。思い出すだけで辛いので、敢えて書き出してみたい。できるだけ時系列にしていくが、エピソードシリーズは思い出したらその都度書き足していく予定だ。 一つ目から私にとっては重い出来事で、長らく記憶から抹消されていたのだが、大学時代に受けていたカウンセリングの途中で蘇り、泣いてしまったものだ。 それは七五三のとき、つまり3歳の頃の事件。3歳の記憶がないのは当たり前だと思うかもしれないが、私は2歳くらいからの記憶が残

    • 成仏日記【9】アンガーマネジメント

       私は日本語でも表現できることをむやみに横文字にするのは好きではないのだが、いくつか例外はある。アンガーマネジメントという言葉がその一つだ。父には「怒りの抑制」ではなく「アンガーマネジメント」が必要だった。  父はキレると手が付けられなかった。何を壊し、何を投げ、どんな暴力を振るってくるかわからない。何かの手続きとかでコールセンターに電話すれば数分でお姉さんに八つ当たりし始めるし、なにがきっかけで怒り出すのか常人にはわからないから対策のしようもない。突然、パキッとくるのだ。

      • 成仏日記【8】しつけ

        こんにちは。Zakkoです。 8回めの成仏日記をお届けします。感想、コメントも気軽にしてください。お待ちしてます(*^^*) 子育てを母に押しつけていた父であるが、食事のマナーだけはなぜかこだわっていた。お箸や食器の持ち方、食べ方や姿勢、なにもかも注意された。母の料理はすごくおいしかったのに、食事の時間は苦痛だった。毎日注意されるので、人前で食事をすることが苦手になった。給食の時間は拷問のように思えた。あの子はあんなにお箸の持ち方がおかしいのにお家で言われないのかしら、と卑

        • 成仏日記【7】父の人間性~生活態度~

          こんにちは。Zakkoです。 成仏日記も7回目。今回は、父の生活態度に迫っていきます。 父は生活態度が好ましくない人間だった。職業柄、一通りの生活力は持ち合わせているはずで、なおさらたちが悪い。  まず、テレビは大音量で流す。隣の家に聞こえるレベルだ。本当にうるさい。音が大きいというのはそれだけでストレスなのだ。しかも、自分だけが好きなF1の番組を観るので、誰も父のそばに座って一緒に団らんを過ごす者はいない。  振り返ってみると、父は大音量で流すことで「何観てるの?」

          不安は受け入れるものなのか

           ある人に「こういったわけで不安だ」と相談を受けたので「この場合はこうなるから大丈夫」のように理論で説明していたら、横から「不安はまず受け入れることが必要だ。不安に対して論理的に返すべきではない」と言われたことがある。  私は、不安に対して、なぜ不安なのか、どうすればそれが和らぐのか、頭の中で整理して納得がいくと落ち着くタイプだ。もちろん、「そうなんだね、わかるよ」と肯定されることで解消される人も居るのは理解しているのだが、それはその人の不安の根本的な解決には至っていない気

          不安は受け入れるものなのか

          成仏日記【6】父の人間性~禁止事項~

           父の独裁政権の元には、いくつか禁止事項があった。今思い出せるのは、漫画とゲーム、アニメ、それから塾だ。 【漫画】 私は漫画は、絵も描ければストーリーも立てられる人にしか許されない創造物で、芸術だと思っていたので「漫画なんか買うな」と言われた日には驚いた。「馬鹿が読むものだ」云々も言っていた気がする。芸術を理解する心がないのか。日本人として生を受けておきながら、漫画を手にする機会を自ら失いに行くとは、頭がおかしいんじゃないか、と真剣に思ったが、小さな私はただ「はい」と頷いた

          成仏日記【6】父の人間性~禁止事項~

          成仏日記【5】父の人間性~暴言~

           父は暴言を吐くのが趣味のような男だった。というか、それ以外の日本語知らなかったのかもしれない。いや、ほんとに。日本語は暴言で成り立っている言語ではないというのに、日本語が可哀想だ。それくらい、暴言は日常茶飯事で、むしろご飯と茶より多かったのではないだろうか。カロリー過多である。  おそらく、父は自分がしゃべっていることが暴言だと言うことにすら気付いていなかったのだと思う。これがやっかいで、わざとやっているなら悪意を受け流せばいいのだが、無意識にやっているために、一生、父と

          成仏日記【5】父の人間性~暴言~

          成仏日記【4】父の人間性~否定~

           ここからは、回にわけて父の人間性で「毒」になったものを思い返していきたい。  幼い私が最も傷付いたのは父がことあるごとに否定してくることである。テレビを見れば「そんなもの見るな。何が面白いんだ」と言うし、本を借りてくれば「またそれか」といった具合だ。人と会話するときに否定文から入る方法しか知らないのか、というレベルである。  幼少期は特にそうだが、子どもにとって親というのは絶対で、自分の世界の大半を占める。その存在からなにもかも否定されては、小さな心はすぐに崩壊してしま

          成仏日記【4】父の人間性~否定~

          歯医者さんが怖いのはなぜか真剣に考えてみた

           事の発端は休職中に少し体調が良くなってきて、今しかできないことをやってしまおうと思い付いたことにある。  いろいろ考えた結果、長らく放置していた歯を治療しようと予約を入れたのだが、ゆく道々で急に不安になってきた。  「歯が汚い、歯石だらけの虫歯だらけ、よくここまで放っておいたな」などと言われたらどうしよう。麻酔は痛いのだろうか。親知らずを抜くことになったら面倒だな。 と、私の頭の中は忙しくまわった。受付を済ませ問診票を書くと、治療室に通された。家族経営の穏やかな雰囲気

          歯医者さんが怖いのはなぜか真剣に考えてみた

          成仏日記【3】「毒親」という言葉の概念

           こんなものを書き始めておいて言うのも何だが、私は「毒親」という言葉自体はあまり好きではない。確かに「毒を持った親」はいるのだが、自分の正当性を証明するために「親が毒を持っている」ことにするのはまた違った問題だと考えるからだ。  確かに私は父のおかげで性格にも認知にも歪みが生じたが、それを父の毒のせいにしていたら一生、この毒に心身を蝕まれたままでいる気がするのだ。なんだか負けたようで悔しいではないか。  だから、私は父に対して「毒親」という表現はしない。あれは人間という生

          成仏日記【3】「毒親」という言葉の概念

          成仏日記【2】はじめに

          前書き ②と題してあるのに、ここから読み始める変わり者はそういないと思うが、このシリーズは私の家庭環境をある程度押さえた上で読んで頂くと因果関係がわかりやすいため、初めましての方はどうか①もお目通しください。 はじめに 私が父を最初に異常だと思った日のことを、今でも鮮明に覚えている。それは、6歳離れた末っ子がまだ母のお腹の中に居たときにまで遡る。  当時の母はつわりに苦しんでおり、吐くときはトイレに駆け込んでいたものの、間に合わず流しや洗面所などに行くこともあった。ある日、

          成仏日記【2】はじめに

          「うつ病」は治さない

           うつ病とは、もうかれこれ3年近くの付き合いになるが、私はその年月の中で、一つ悟ったことがある。  それはうつ病は治らないということだ。うつなどの精神疾患は「完治」ではなく「寛解」と表現するらしいのだが、私は敢えてうつ病を治そうとは考えていない。  最初は早く元通りになりたくて、うつ病になってしまった自分が嫌でどうしようもなかった。どうすれば治るのか、そもそも本当に良くなるのか。そういう気持ちばかりが胸の中をぐるぐるして苦しかった。  だが、ある日、ふと「治さなくていい

          「うつ病」は治さない

          成仏日記【1】自己紹介

           この記事をクリックして覗きに来てくださったあなたは、自分の親が「毒」だと感じたことはあるだろうか。近年、「毒親」という言葉が流行っているように、子どもに悪影響を与える親が認識されつつある。  恐らく、「毒親」などというものは人類の始まりからいたに違いないが、親の行動が子どもに及ぼす影響やその根深さそのものが、認知されつつあるのだろう。  毒親についての議論は図書館に行きネットを叩けば多種多様なものが出てくるので敢えてここでは避ける。  私がこれを綴るのは、自分を蝕んだ「毒

          成仏日記【1】自己紹介

          人生の脱線事故を起こしたら

           「あの失敗があったから」という企画に参加しようと過去の失敗を思い返してみたのだが、私は慎重なおっちょこちょいだったので、数え切れないくらいの失敗を積み重ねてきた。いちいち覚えていたら身が持たないので、具体的に何をやらかしたのかは瞬時に思い出せないのだが、ひとつだけ「これは失敗だったな」と忘れられないことがある。  それは、大学3年生の時に発症した「うつ病」である。病気を失敗の定義に入れていいものなのか悩んだが、過去に私が最も苦しんだ、そして最も価値観の変容を起こした出来事

          人生の脱線事故を起こしたら

          【海外ドラマ】ライン・オブ・デューティ

          私は、日本のドラマより海外ドラマが好きだ。テーマ、ストーリー展開や音楽もちろん、名前も私生活もスキャンダルも知らない俳優陣で、まっさらな自分の頭と心だけで見ることが出来るという魅力が大きい。 そんな数あるドラマの中でも、私は特にアメリカ、イギリス、ドイツのドラマが好きだ。最初は語学学習の一環で見始めたのだが、次第にその魅力にとりつかれるようになり、動画配信サービスに登録し、いろんなドラマを見た。 今回は、イギリスの刑事ドラマ「ライン・オブ・デューティー」を紹介したい。イギ

          【海外ドラマ】ライン・オブ・デューティ

          【映画】愛のむきだし

          あらすじクリスチャン家庭に生まれた男子高校生の本田悠は、優しい神父の父・テツと2人で暮らしている。ある日、テツは聖職者でありながらカオリという愛人をつくり、彼女に夢中になっていく。だが、カオリがテツのもとを去ったことでテツの性格が豹変し、悠に毎日「懺悔」を強要するようになる。悠は父との関係を守ろうと「懺悔」のためにわざと罪を作るのだった。 次第にその行為はエスカレートし、悠は盗撮魔となってしまう。テツにその行為を「変態」と殴られ怒られたことで、漸く「神父」のテツが「父」とし

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