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20091015 名と語

 JPEG$${^{*1}}$$やUNESCO$${^{*2}}$$など単語の先頭の字や音節を組み合わせて綴り読みにした語を「頭字語」と言うらしい。いつ頃からある言葉だろう。最近できた言葉に違いない。何となくそう思う。英語では「acronym」と言う。英単語の方は1940~45年にできた$${^{*3}}$$ようだ。ということは「頭字語」は戦後に作られた言葉になる。

 このacronym専用の辞書を見つけた。「Globalacronyms$${^{*4}}$$」と言うサイトである。世界中のacronymが集められているようだ。申請すれば新しく追加もできる$${^{*5}}$$らしい。間違いだらけのウィキペディア$${^{*6}}$$と違って、勝手に追加するのではなく、追加を申請する形になっているので、少しは確度が高いと考えられる。「NHK$${^{*7}}$$」を検索してみると「Nippon Hoso Kyokai$${^{*8}}$$」とでてくるが、何語が基になっているかを示すところには「English」と出てきている。ここは「Japanese」でないとおかしい。大体、この程度の確度なのだろうか。

 それにしても昔から気になっていたのは「-nym」という英単語がいくつかあるということだ。「synonym(同義語)$${^{*9}}$$」「antonym(反意語)$${^{*10}}$$」「retronym$${^{*11}}$$」「eponym$${^{*12}}$$」「anonym(匿名)$${^{*13}}$$」「pseudonym(雅号、仮名)$${^{*14}}$$」など。「synonym」「antonym」「retronym$${^{*15}}$$」「eponym」は「~語」と言う意味なのに「anonym」「pseudonym」は「~名」になっている。言葉と名前とでは意味が随分と違ってくる様な気がする。これが「-nym」付き英単語の意味を憶えるのに混乱のもとになっている。

 共通しているのは「nym」ではなく、「onym」であった。「onym」はギリシャ語の「名前」を意味する「onoma, onyma$${^{*16}}$$」からできた接尾辞らしい。本来は「名前」と言う意味だったのが、「単語」と言う意味も持つ様になったのだろう。

 漢字の「名」は「名前」を意味するが、「文字」と言う意味もある。真名、仮名$${^{*17}}$$は、それぞれ漢字、平仮名もしくは片仮名のことだ。中国語で文字と言えば漢字であるし、漢字は言わば西洋語の単語に相当する。ということは洋の東西を問わず「名前」と「単語」とが同じ意味を持つと言うのは面白い。考えてみれば、人や物の名前は、言語の基本単位であるから当然と言えば当然なのかもしれない。

*1 20041117 サフェージュ
*2 20061021 世界無形遺産
*3 Acronym Definition | Definition of Acronym at Dictionary.com
*4 Globalacronyms
*5 Globalacronyms
*6 20090928 カッターシャツ
*7 20090321 国辱番組
*8 Acronym NHK - Definition ※データベースは消滅して、Internet Archiveにも記録が残っていない
*9 synonymの意味 英和辞典 - goo辞書
*10 antonymの意味 英和辞典 - goo辞書
*11 retronymの意味 英和辞典 - goo辞書
*12 eponymの意味 英和辞典 - goo辞書
*13 anonymの意味 英和辞典 - goo辞書
*14 pseudonymの意味 英和辞典 - goo辞書
*15 20011217 カメノテ(2)
*16 name Online Etymology Dictionary
*17 20050720 ワと○

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