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20100211 耳障りな雑誌

 「週刊そーなんだ$${^{*1}}$$」という雑誌があることを最近知った。一体どこの方言なんだ「そーなんだ」と言うのは。この雑誌は普段の生活の中で抱いた疑問を解き明かすのが目的で、思わず「そうなんだ!$${^{*2}}$$」と納得せられてしまう内容だと解説してある。

 「そうなんだ」と言いながら納得するのは、一体どこの風習なのだろう。この話法には違和感があって非常に耳障りである$${^{*3}}$$。納得する時のつぶやきは「そうなのか」もしくは音便$${^{*4}}$$が起こって「そうなんか」の筈だ。「そうなんだ」もしくは「そうなのだ」は話者が相手の主張に対して肯定する場合に使うのが普通だろう。

 鰻屋$${^{*5}}$$の店先で立ち止まる連れを見て
「君、さっき昼を食べたばかりなのに。もう一度食べるつもりなのかい」
「そうなんだ。僕ぁ、うなぎに目がなくてねぇ$${^{*6}}$$」

 と言った具合に使う。この場合、少し前に食事をしたにも拘らず鰻の匂いにつられる連れの姿を見て「君は鰻が大好きだなぁ」と言う相手の主張に対して肯定しているのであって、決して「自分は鰻が好きだったのか」と自分が納得している訳ではない。

 最近、語尾上げ話法$${^{*7}}$$は殆ど聞かれなくなった。この「そうなんだ」もそのうち聞かれなくなるのだろうか。

*1 そーなんだ! 3訂版  | DeAGOSTINI デアゴスティーニ・ジャパン
*2 本誌の特色 | DeAGOSTINI デアゴスティーニ・ジャパン
*3 20040528 不遜語
*4 音便
*5 19991013 いば昇のうなぎ
*6 20001106 ヤツメウナギ
*7 20000120 (コラムニスト⤴)

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