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20070121 三重の戦争遺跡(4)

 「三重の戦争遺跡$${^{*1}}$$」という本に興味深い戦争遺跡が載っていた。「聴音壕$${^{*2}}$$」と呼ばれる内径が3m、深さ2mの円筒状の煉瓦造りコンクリート張りの壕である。中にはコンクリート製の腰掛けが四つあるらしい。

 この中に入って$${^{*3}}$$アメリカ軍の爆撃機のエンジン音を聴きその接近をいち早く捉えていたらしい。アレシボ電波望遠鏡$${^{*4}}$$の超小型音波版みたいな感じである。

 残っているのは「壕」だけだが、当時は円錐形の屋根$${^{*5}}$$があったようだ。中で音を聴く人が雨で濡れないようにだろうか。考えてみればアレシボ電波望遠鏡$${^{*6}}$$のように真上からの音を聴いていては、防空としては時既に遅しである。斜めから来る低いエンジンやプロペラの音を屋根の内側で反射させて壕の中で聴いたのかもしれない。ただし三重県のそれに屋根があったかどうか判らない。

 敵機の音を聴くと言えば、大きなラッパが数個付いた聴音機$${^{*7}}$$を思い出すが、たった六十数年前$${^{*8}}$$にこういったラッパよりも更に素朴な軍施設があったかと思うと感慨深い。

*1 20070120 三重の戦争遺跡(3)
*2 みどり市|防空監視哨跡
*3 防空監視哨跡(群馬県吾妻郡長野原町) - 日本史跡研究会 日々の徒然~埋もれた歴史を訪ねて~
*4 国立博物館-宇宙の質問箱★拡大画像
*5 <10>-空襲- 見張り役は女性や若者|第2部 銃後の思い|とちぎ戦後70年|下野新聞 SOON(スーン)
*6 arecibo observatory photos
*7 man21.jpg
*8 海野十三 空襲下の日本

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