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20030717 正十七角形

 正十七角形$${^{*1}}$$は定規とコンパスとだけで作図することが出来る。「十七角形」を何のために作図するかは特に意味がない。「十七」という数字に意味があるだけである。十二角形$${^{*2}}$$ぐらいまでは何かしら用途があるが、「十七」となると用途は全くといってないだろう。

 正十七角形$${^{*3}}$$が定規とコンパスとだけで作図できることを発見したのはガウス$${^{*4}}$$である。作図できるという証明を19歳の時に思い付いて$${^{*5}}$$、本格的に数学の道に進むことを決意した。

 単に正十七角形が作図出来ることを証明するのは簡単らしい。方程式$${X^p-1 = 0}$$(肩の小さい文字は累乗を示す。「$${X^p}$$」は$${X}$$の$${p}$$乗。$${p}$$は素数)が平方根で解けることを証明すればいいというのである。つまり$${X^{17}-1 = 0}$$の解が平方根を用いて表せるということを示したのである。更に方程式$${X^p-1 = 0}$$($${p}$$は素数)の解が平方根で表せる場合、素数$${p}$$は $${2^{2^{k}} + 1}$$という形になっていなければならない$${^{*6}}$$ということガウスは発見した。

 方程式$${X^p-1 = 0}$$($${p}$$は素数)が平方根で解が表せると言うことは、それが二次方程式の解になっているということである。二次方程式の解は円と直線で作図出来る$${^{*7}}$$らしい。円は二次曲線だから一次曲線である直線と組み合わせれば何となく出来そうだが、具体的にどうすればいいのか$${^{*8}}$$見当が付かない。

 円全周は360度である。360は17で割り切れないから正十七角形は上手く書けないと直観的に思ってしまうが、実はそうではない。逆に「正九角形$${^{*9}}$$」は割り切れるのに定規とコンパスとでは作図が不可能らしい。

360度の「360」は勝手に決めた数字である$${^{*10}}$$。全周は360度でなくて、「100度」でもいい。360だと色々な数で割り切れるので何かと便利であるということだけだ。だから「正多角形」の作図と「360」という数字との間には関連性は全くない。「全周は360度」というのが頭に染みついているので、なかなか納得するするのは難しい。

*1 正17角形の作図
*2 Dodecahedron -- from MathWorld
*3 Heptadecagon -- from MathWorld
*4 Gauss summary
*5 Gauss, Karl Friedrich (1777-1855) -- from Eric Weisstein's World of Scientific Biography
*6 Metametamathematician's HP 正十七角形 regular heptadecagon
*7 Takashi Takebe's home page. 正17角形の作図
*8 Abstract Algebra II: Theory of Rings and Fields Ruler and compass construction
*9 Nonagon -- from MathWorld
*10 20021120 1ドル360円

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