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20070719 温暖化の説明図(4)

 温暖化の説明図$${^{*1}}$$の続き。大気の膜の内部に初めから「$${-19\degree C}$$」の熱源があるとすると、内側では地球からの「$${-19\degree C}$$」分の放射、$${1}$$平方メートル当たり$${236W}$$のエネルギーを受け取り、大気の膜からは同じ量のエネルギーを内側に向けて放射すれば辻褄が合う。そして同量のエネルギーを外側に放射するので、宇宙から見れば「$${-19\degree C}$$」になる。

 では大気の膜が絶対温度$${^{*2}}$$$${0}$$度だったらどうなるか。「$${-273\degree C}$$」の時である。地球からの「$${-19\degree C}$$」分のエネルギーの放射を受け取って、どんどん大気の膜が温まり、次第に大気の膜からの放射量が増えていくのだろうか。

 大気の膜が現実の物体であれば、熱容量$${^{*3}}$$があるので、エネルギーを吸収すれば内部にエネルギーを貯めることができる。それによってその物体の温度が決まる。温暖化の説明図ではステファン・ボルツマンの式だけで記述されている$${^{*4}}$$ので、大気の膜の熱容量など関係がない。つまり放射エネルギーの出入りでその物体が何度になるかが考慮されていない。もしかしたらこの時点でこの説明図$${^{*4}}$$は破綻しているかもしれない。

 温度が最初から与えられていれば熱容量は関係ない。ステファン・ボルツマンの式で放射エネルギーと温度との関係は一義的に決まる。しかし放射エネルギーの出入りによって物体の温度が変化するのであれば、その物体の熱容量が定義されないと物体の温度は求められない。エネルギーの吸収によって、その物体が何度上昇するかが定義されないと計算できない。はずである。

 仮に絶対温度$${0}$$度の大気の膜が温められて「$${-19℃}$$」になったとする。地表からは「$${-19\degree C}$$」分の$${1}$$平方メートル当たり$${236W}$$のエネルギーしか受け取らない。大気の膜からは$${1}$$平方メートル当たり$${236W}$$のエネルギーが出ているので、大気の膜と地表との間では正味のエネルギーの移動量は「$${0}$$」になる。従って大気の膜は「$${-19\degree C}$$」で一定になりそれ以上にはならない。

*1 20070718 温暖化の説明図(3)
*2 20031221 華氏
*3 熱容量
*4 参考資料(大気関連)

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