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20090527 不味い中華料理屋

 先日、妻と二人で隣の市内で最も不味いと噂されている中華料理店に昼を食べに行った。「あそこは不味い」と言う話を聞いてから十数年以上経っている。そう聞いているのでどれくらい不味いか行ってみたかった$${^{*1}}$$が、今まで食べに行ったことはなかった。噂を聞いてから、少なくとも十数年以上潰れずに営業している。もしかしたらその噂が間違っているかもしれない。美味しい筈の店を素通りするのは誠に悔しい。

 店構えは古い。店構えの古い飯屋には二通りある。全く流行らないので、改装ができない場合と、味一筋なので店を構っていない場合とである。この店がどちらなのかまだ判らない。自動車で行き、店の駐車場に入ると出前用の店の自動車が置いてあった。軽自動車である。出前用なら原動機付き自転車の方$${^{*2}}$$が維持費が安い。自動車の中を覗き込むとどう見ても出前用である。客の送迎用ではない。出前に軽自動車を使うのは何か中途半端な気がする。自動車は相当古い。本当に動くのかと思いたくなるような古さだ。空き地に不法投棄されている自動車のようだ。塗装が粉を吹いている。

 噂がなければ、結構美味い料理を出してくれそうな店に見える。店には頓着せず、客に出す料理の素材に精一杯費用を掛ける姿勢とも見なせる。本当にどっちなのか判らなくなってきた。店に入ると結構、客がいる。満席とまでは言わないが七割程度入っている。私は天津飯$${^{*3}}$$とラーメンの組み合わせを注文した。妻は炒飯と唐揚げの組み合わせ。学生時代に食べた世界で最も不味い天津飯を思い出した。その天津飯はご飯の上に水で薄めただけで他に何も入っていない卵焼きが乗せてあり、上からケチャップ味の餡が掛けてあるだけだった。こんな酷い天津飯をよくもまぁ平気な顔をして出せる飯屋があるものだと感心しながら食べた記憶がある。それでいて大して安くなかった。

 不味い。噂通りだ。ただ不味いと言っても、吐き出したくなるようなものではない。美味くないのだ。学校給食$${^{*4}}$$に五百円以上出して食べているような感覚である。卵に混ぜてある具が酷い。カニの身の代わりにハムの細切りが入っている。ハムは縁が赤色になっている魚肉ハム$${^{*5}}$$だ。

 もう二度と行かないだろう。これでどうして客が入っているのか不思議だ。値段が安い訳でもない。この値段ならもっと美味いものが出せそうだ。カニの代わりにハムを入れるなど材料費を安くする工夫しをて何とかやっているのだろう。帰りがけに駐車場の軽自動車で店員が出て行くのを見かけた。ちゃんと自動車は動くようだ。それよりも驚いたのは出前を取る人がいると言うことだ。ここの市民はどういう味覚の持っているのだろう。水道に何か変な物が入っているのだろうか。違う。ここの市民は相互扶助の精神が根付いているのだ。そうに違いない。

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*4 学校給食ニュース
*5 akahamu.jpg

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