
20020206 ノーベルへの道
2000年のノーベル化学賞$${^{*1}}$$は日本の白川英樹氏らに贈られた。導電性のプラスチックの研究$${^{*2}}$$が評価された。
電気伝導度の高いプラスチックの発見のきっかけはポリアセチレン$${^{*3}}$$の合成を行う際に、誤って1000倍の量$${^{*}4}$$の触媒を加えたことだった。
どうやって誤れば1000倍もの量を入れてしまうのか。間違えるというのは普通は2、3倍、多くても10倍ぐらいである。桁を一つ間違えるというのは笑い話や新聞の4コマ漫画$${^{*5}}$$などではよくある話である。1000倍と言えば3桁である。大きすぎる。八百屋の親父が「へーい、奥さん、お釣り20万円ね」というのは4桁間違っているが、これは冗談なので間違えている訳ではない。
単純に考えれば「mg」を「g」と勘違いしたのだろう。ミリは1/1000なので、例えば本来「10mg」であるべき所を丁度1000倍の「10g」入れてしまったのかもしれない。最終的にはこの間違いがきっかけとなってノーベル賞$${^{*6}}$$受賞につながっていった。
私が小学生の頃、家庭科の授業で調理の実習があった。グループになってほうれん草$${^{*7}}$$の油炒めを作った。出来上がった物をグループのみんなで食べてみると物凄く塩辛い。塩を入れ過ぎている。教科書を読み直してみると塩の量が5人分で小さじ1/5$${^{*8}}$$の所をそのままグループの人数分掛けてしまい、更に大さじを使ってしまっていた。
通常の十数倍の塩を入れたのであったが、特にそれがきっかけでノーベル$${^{*9}}$$賞には至らなかった。
*1 Chemistry 2000
*2 ノーベル化学賞:筑波大学の白川英樹名誉教授が受賞
*3 電気を通すプラスチック
*4 白川筑波大教授にノーベル化学賞
*5 秋竜山マンガ館
*6 Nobel e-Museum
*7 ホウレンソウ
*8 塩の量を知ろう
*9 NOBEL Homepage