20000712 小宇宙
切手収集の趣味$${^{*1}}$$を持つ人は多いだろう。今は集めてなくても子供の頃はやっていたという人も多いと思う。何故切手は集めたくなるのだろう。
それはあの小さな紙切れの中に完結した世界を見ることが出来るからだと思う。小世界というか小宇宙というものにはものすごく惹かれる。切手に限らずテレホンカード$${^{*2}}$$や蔵書票$${^{*3}}$$なども同様だ。根付$${^{*4}}$$や豆本$${^{*5}}$$にも小宇宙を感じる。
巻き貝の螺旋の頂点が無限に続いている$${^{*6}}$$ような感覚があると以前書いたことがあるが、これも小宇宙への憧れだろう。
webの世界ではバナーだろう。絵が動くものもあって楽しい。これを収集したサイト$${^{*7}}$$もある。
小さければ何でもよいわけではない。世界一小さな算盤$${^{*8}}$$はそれを作る技術は確かに凄い。しかし出来上がった算盤は切手や根付に比べて極端に小さ過ぎて目に見えないので小宇宙を感じることが出来ないのである。
小さなものに世界や宇宙を感じてそれに惹かれるのは本当の広大な宇宙に憧れるのと同じの様な気がする。微小世界と巨大世界は完全な対極であるが、対極をなしているものをそれぞれ同じように感じてしまうのは私だけではあるまい。三島由紀夫*$${^{*9}}$$9もF104$${^{*10}}$$という小説の中でそんなようなことを書いている。
天体望遠鏡の倍率を極限までどんどん上げていったら、見えてきたのは自分の後頭部だった、という感覚である。
*1 キッテコム(切手.COM)切手のホームページ キッテコム
*2 不二スタンプへようこそ
*3 ロマンの泉美術館 新潟県 西蒲原郡 弥彦村
*4 高山清水 作 新作 伊勢根付直接販売
*5 ■第5回:「豆本の世界とマイクロ技術」(後編)
*6 19991119 巻き貝の頂点
*7 GIFアニメーションギャラリー
*8 The world's smallest abacus
*9 三島由紀夫 Cyber Museum
*10 三島由紀夫本