20021007 耳糞の味
何かの本で読んだのか、誰からか聞いたのか記憶が定かではないが、世の中で一番旨い物は自分の耳垢$${^{*1}}$$だという。鼻糞は舐めたことは何度でもあるが、耳糞は舐めたことはない。「世の中で一番旨い」という説を知った今でも舐める勇気は出ない。
自分の耳垢が一番旨いと言った人の耳垢はどんな耳垢だったのだろう。
耳垢には二種類ある。乾いた耳垢と湿った耳垢である。小学生の頃、耳糞というのは耳掻きでポロポロほじくる物だと思っていたが、同級生に、耳掻きを使ったことがなくちり紙$${^{*2}}$$を捻って耳垢を取ると聞いて驚いたことがある。そんなことで耳糞が取れるのかと思ったら、何やらべとっとした耳糞を見せてくれた。
日本人の多くは乾いた耳垢$${^{*3}}$$らしい。近隣諸国では南に行くほど湿った耳垢が多いようだ。オーストラリア原人やアメリカ白人、黒人はほぼ全員が湿った耳垢$${^{*4}}$$らしい。
日本人が「耳糞が旨い」と言ったのなら乾いた耳垢で、アメリカ人がそう言ったのなら湿った耳垢だろう。しかし乾いた耳垢と湿った耳垢とを並べておいて、思わず舐めてしまうのはどちらだろうか。何となく湿った方ではないだろうか。鼻糞が舐められて耳糞が舐められないのは、鼻糞は少々湿っているが、耳糞は乾燥しているからではないだろうか。では、何故乾いた耳糞が舐められないか。舐めるというのは味見だから舌で触るだけで、食べる訳ではない。乾いていると舌にくっついてしまうのでちょっとした味見にならない。だから少しばかり湿っていた方が舌にくっつかないので、舐める気になる。
そうなると「耳糞が旨い」と言ったのは湿った耳垢の人が言い出したのではないか、と思えてくる。何れにしろ納豆$${^{*5}}$$やナマコ$${^{*6}}$$などを最初に食べた人と同様に勇気のある人である。
因みに耳垢が湿っている人は腋臭がある$${^{*7}}$$と言われているらしい。
*1 19991108 究極の耳掻き
*2 ちり紙
*3 縄文人と弥生人
*4 「松っちゃんと優香/貴乃花休場/あなたの耳アカ」
*5 市販納豆博物館
*6 なまこ(海鼠)
*7 Dr赤ひげ.COM : 家族の健康