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#60 背筋をシャンと

昔おばあちゃんに、よく背中をポンと叩かれて、「背筋をシャンとしなさい、かっこ悪いわよ」と言われた。
おばあちゃんはそれはそれは素晴らしく優しい、おおらかなおじいちゃんと楽しく暮らしいていて、しかし不慮の病でおじいちゃんを亡くして、萎むように元気を失っている。1年もとうに過ぎたが、会う度に身体が小さくなっていき、私はそれを見てはいつもこっそり泣いている。
どんな人にも別れがある。
どんな人にも悲しみがある。
いい人ほど煮湯を飲まされる。私はそれをよく知っているから、優しい心が傷付けられるのになるべく気付いて、守ったり癒したりしたい。
映画館で仕事終わりに「望み」を見た。うちと家族構成が全く同じで、境遇も似ていて、なんかもうずっと泣けてしまった。
いつか兄と「2人で親を幸せにしよう」と約束して泣いた夜を思い出した。
この間上司に「今は介護を協力していこうとか思ってるかもしれないけど、何十年後かの現実はそんなに上手くいかないからね。心が荒むよー」と言われた。100理ある。
100理あるけど、私はあの夜を忘れないだろう。2人で日本酒を呑める歳になって、酔っ払って、ぜっったいに守ろう、幸せにしようって泣いた。どの家族とも同じように色々あったけど、そうやって親のために2人で泣ける子供になれた。
家族について考え直してる。
本気でむかつく思い出も、心がポカポカでどうしようもなく満たされる思い出も全部家族にまつわることで。
かつて父が自分の心を酷く病ませながら、全力で家族を守ろうとしていた日々を思い出す。私達子供を導こうとしていた日々を思い出す。
とてもいい映画です。是非ご覧ください!

とか書いていた私だが、疲れに任せて帰って早々母親に怒ってしまった...思っていることを誠実に実行は人間なかなかできないね笑 それでも少しずつ、、、

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