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小説:大好きでした。伊藤計劃
「大好きでした」と過去形なのは、伊藤さんが既に故人だからです。
自分の中で、過去形のほうがしっくりくるのね。
伊藤さんの本は数年前に一度読んでいるのだけど、
また改めて「虐殺器官」と「ハーモニー」を読み返しました。
すごーく面白く読んだはずなのに、決定的な展開部分を忘れていて、
もういちど楽しく読めました!!
記憶力が低下するのもいいもんです。
ハーモニーは、昔の、真っ白でシンプルなカバーの方が好きでした。
前回は図書館で借りて、今回はamazonで買って読んだのだけど、
ウェブ検索中に、2作品とも映画化していたことを知りました。
見たい! とは思わなかったけど。
ウェブ検索中に、”ハーモニーは鬱映画だった”みたいな文章をチラッとみて
(そのページにはアクセスしていないのですが)
さもありなん! と思いました。
伊藤計劃の良さって、一人称なのに徹底的に客観的なところなのかな、と思っています。
人がさくさく死んでいくしエグい描写も結構あるんだけど、サラっと読めてしまうのですよね。
サラっと読めるけど人の死が軽いわけではなくて、
むしろちゃんと重みがあって、それを受け止めきれないからこその客観性みたいな感じで。
それを映像化すると、伊藤計劃の良さである、妙に客観的なところが薄れて
ストーリー的に鬱映画になっちゃうなぁ・・・と思いました。だから、見たいと思わない。
(伊藤さんの創造した近未来は映像として見てみたい気もしますが。)
数年前は2作品をくらべてハーモニーの方が面白いと思ったけど、
今回は虐殺器官の方が面白いと思いました。
設定、ストーリー展開はどちらも最高なので、
オチがしっくりくるかこないかっていうところだけでの評価。
ハーモニーの仕掛けには驚いたし、1回目のインパクトがすごかったけど、2回目は主人公の最後の行動(相手を○○した)に入りこめなかったんだよね。
一方、虐殺器官のエピローグは秀逸で、好みでした。
きっと、また、読むでしょう。
どういう時に読むかなぁ。
エグイ描写がたくさん出てくるけど、けして暴力的な気分の時に読みたい本ではないな。
落ち込んだときとか、虚しい時に敢えて読むかなー。
淡々飄々としている作風は好みです。
惜しい人を亡くしました。
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