遅い傷心旅行Final
3日目朝。昨晩海を見に行った帰りに足下が暗くてうっかり段差から踏み外して足首を捻挫してしまった。普通にお風呂入ったりお酒を飲んでいたものの、寝る前に痛みが出始めあまりよく眠れなかった。
チェックアウトギリギリまで寝て痛み止めを飲んで変わらず過去と同じルートを辿るようにして行動することに。
生田神社→明石焼きを食べる→三ノ宮散策→異人館街に行く。これが私の今日やったことだ。そしてこれを帰りの新幹線で書いている。
ex予約の割引を使用したので普通車指定席と変わらないぐらいの金額でグリーン車に乗れた。初めての経験であり、感想を記すならば最高の一点に限る。席幅も広くリクライニング幅も深い。何より人がほとんどいなく静かであって非常に快適だ。1人で静かに旅をするならばグリーン車利用利用というのも一つの選択肢だろう。
今回は今日の総括というよりかはこの旅を通して何を思ったかを記そうと思う。
第一にあの子の事好きだったんだなぁと。今まで若干名の女性とお付き合いさせて頂いたけれども、唯一あの子に対して自分から付き合いたいという好意があったということ、色んな初めてをあの子がくれた事。色んなことを教えてくれたこと。たくさん笑った、怒った、泣いた。あまり人に対して感情を剥き出しにしない私が彼女に対して感情をぶつけ、甘えてそんな事を受け入れてくれたことにありがたい事だったんだなと思えた。
あの子がもし死んでしまうなら自分の命と交換していいと狂った愛なのかエゴなのか分からないけれども差し出せるぐらい大好きだった。
将来このまま付き合って結婚して仕事終わってご飯を食べて少し晩酌して、2人で動画を見て少しソファでハグしたりして私はそんな未来を描いていたかった。富とか名声とかそんなのはいらなくてただ好きな人と時間を過ごすそのようなささやかな幸せを望んでいたんだけれども意外と難しいものなのかもしれない。
そして、いつもLINEできることやいつも横にいる。そんな当たり前というのは当たり前ではない事。それを続けられることって幸せなことなんだろうなと。
忘れることは前を進むために必要でその忘却から前へと踏み出す姿が美しいという人がいれば、逆に忘れずに想い続ける健気さが美しいという人もいる。私の脳内にあの子の思い出がたくさんあるから忘れるべきであると思っていたが、初めてをたくさん与えてくれたあの子との思い出は忘れられない。恋愛の楽しさ、心同士をぶつけて愛を深め合う美しさ、そして人を愛する事は難しい事を元カノとの恋愛を通して学んだ今後の私の人生の中で彼女との思い出というのは間違いなく居続けるだろう。じゃなきゃ普段歩く街で貴女との思い出を思い出してはあの日の幻影を追おうとはしない。
あの子はあの子自身の道を自分で切り拓いて人の為に役に立つように頑張っているだろうだからそのままそれを続けて彼女なりの幸せを見つけて欲しい。私も私なりの幸せを見つけられたらなと思う。なんとなくまたどこかで会えそうな気もしているがそれこそ神のみぞ知る話だ。
好きになってくれて愛してくれてありがとう。色々傷つけてしまってごめんなさい。貴女の夢が叶うことを幸せを祈ってます。
そんな過去を拾う旅であったし懺悔した旅でもあった。前回あの子に会いに乗った新幹線の帰りで遠距離の不安や寂しさで泣いたことで新幹線=悲しいものという私の中でのイメージになってしまったがそれは変わらずなようでやっぱり苦手だなと呟いてパーサーさんがくる前に急いで涙を拭いた。新幹線は私を日常に帰すために月夜の闇の中を切り裂いて東へひた走る。
おしまい
2024.09.15
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