遅い傷心旅行Day2
神戸旅行2日目。
昨日は思いの外疲れていたようでホテル近くの店でご飯を食べて(途中でこの旅の目的を知っている同期から心配の電話がかかってきたが。)お風呂に入ったら眠ってしまっていた。15年近く使っている自室のセミシングルベッドと比べてダブルベッドは私には広すぎた。
今日は元カノと2日目に行った布引ハーブ園に行くことに。新神戸駅からロープウェイへの道は前回と同じできちんと覚えていた。ロープウェイを降り立ったら変わらずの風景で安心している私がいた。前回と違うのは3連休初日だからか人が沢山いることだ。(前回来た時はあまりにも人が少なくていつか潰れるのでは?と思っていたから驚いた。←ド失礼)
食欲が湧かないから先に周りを散策することに。前回バスケットゴールや綱渡りがあったところは綺麗に取り除かれてベンチやテーブルが置かれた静かな休憩エリアとなっていた。そこで彼女とツーショットを撮っていたのをインスタのアーカイブで確認しているから同じ構図で撮った。私の右側に誰もいなくて悲しそうに今にも泣き出しそうな目と唇を引き結んだ自撮りになってしまった。
奥にある香りの資料室に入った。入るまですっかり忘れていたが、ここには色んな香りの瓶が置いてあってそこで私は元カノからイランイランを教えてもらったのだった。当時あの子が使ってたヘアオイルもイランイランであった。彼女になる前、仲の良い友達の時にレモングラスのハンドクリームのことを草の匂いと言って少し怒らせたのも思い出した。数ある香りの瓶からイランイランのラベルを見つけて嗅いだら懐かしい香りで泣きそうになってサングラスを掛けた。あぁ、こんなにおいだったなぁと。
残暑のせいかあまり食欲が湧かなく、初めて下の温室へ行った。そこにハーブティーを飲めるカフェがあるそうだ。そこでサンドイッチとハーブティーを注文して景色を見てのんびりと時間を潰した。前回はロープウェイを降りてすぐの建物の2階にあるレストランで食べた。3段の食器に小さな前菜が置いてあってちょっとしたコース料理であった。また、フォークとスプーンでパスタの食べ方を教えてくれたのは元カノだった。今じゃ簡単にできるけれども当時は四苦八苦して食べているのを見てあの子は笑っていた気がする。
そんな事を思い返しつつ外の景色をのんびり見てゆっくりとした時間を過ごした。
ホテルの清掃時間が終わっている頃に戻り、ロープウェイで新神戸まで降りた。新神戸駅のお土産さんで赤福を売っていているのを知っている私は敢えて寄ったのだ。元カノが好きな赤福、過去に一人旅で名古屋旅行に行った際にあの子に赤福12個入りを3箱買っていって喜んで食べていた。8個入りを一つ買ってホテルに戻って食べた。ただただ甘かった。やはり悲しさで泣けてしまった。あの時意地を張って元カノに会いに行く為の新幹線のチケットを払い戻さなければ。払い戻しても後で買い直せばいいやと思ったことも。あの子は最後まで心配していたのにあの子に対する怒りでその手を振り払ってしまったことに。社会人なりたてで色々大変だった私が少し、ほんの少しだけ余裕があればまだ関係が続いていたのかもと後悔と意味のない思考をホテルの部屋で繰り返す。失ったものは取り戻せない。あの子の邪魔になるような事をしてはならないし、執着をなくして前に進まなくてはと思った。
気がついたら眠ってしまっていたようで陽も落ち始める時間になっていた。お腹も空いたから2日目の夜に食べたお肉屋さんでご飯を食べようと思い、海の方へ行くことに。あの時は工事中だった神戸ポートタワーは工事が完了して赤く爛々と光っていた。ポートタワーを見ている時にあの子との言葉を思い出した。
「改装が完了したらポートタワー登りにいこう。あとイスズベーカリーでたらふく食べよう」あの頃の私たちは将来こんな未来になるとは知らなかっただろうそんな言葉を思い出して胸が痛んだ。あの時は人が少なかったはずなのだが今日は本当に多いなと思った。カップル連れも多く少し肩身が狭い。
レストランについて、メニューを一瞥してすぐに店員を呼んだ。メニューを隅々まで見る必要は私には無かったからだ。同じもの、ハンバーガーとポテトとスプライトの3点をオーダーして食べた。相変わらず美味しかった。食後に海を見た記憶があったから海の方へ向かおうと歩いていたら観音堂というチーズケーキが美味しいらしいお店があって立ち止まってしまった。ここも寄った事を思い出したからだ。実際に行くまで思い出せないことってあるんだなとしみじみ思いながら海の方へ。観覧車の下のベンチに腰掛けたこと覚えていたからほぼほぼ同じ場所に腰掛けてnoteを書き始めた。残暑が嘘のように引いて時折涼しい風が吹いて気持ちが良い。
明日で最終日。ちゃんと想いを清算できると良いな。
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