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怒鳴り合う文化
今日はお休み。
昨日は初のスポーツ遅番だった。13時25分開始、21時55分終了というシフトになる。昼ごはんを早めにとり、出発したが昼過ぎの接続が悪く思いのほか時間がかかってしまった。夏休み中は工事も増えるのでその影響もある。
今日のリーダーは遅番に入っていることが多く、しっかりした印象を持っていた人だった。まず2時間ほどイベントのフライヤーを配る担当になった。ホールや食堂を歩いてゲストに声をかけながらイベントの宣伝をする係である。なるほど。
同僚の話だと若い世代や子どもたちの多くはスマホに釘付けで、他のことにはほんとど興味を示さないらしい。ベルリン市がサポートしている湖での水泳教室も参加者の多くから「ネットに接続できない」と苦情が入った上、早めに切り上げたらしい。非常にもったいない話である。フライヤー配布当日はALBAのトレーナーによるバスケット教室、翌日にはサーカス教室が2回に分けて行われる予定になっている。
ホールでフライヤーを配っているときに人だかりに気づいた。なんだ、また何かあったのだろうか。遠目で見ていると「そこのブルーのベストの人、ちょと来てください!」と声がかかった。フライヤー担当なんだけどなぁ、と思いつつ仕方なく騒ぎの現場に突入する。セキュリティーやチームリーダー、スタッフが10人ほど集まっているではないか。揉め事の中心に入るとやっぱりよく見かける女性たちがいつものように大声で罵り合っていた。やれやれ。
「すみません、ちょっといいですか?」
「すみませーん!ちょっと聞いてもらえます!?」
というのを何度か繰り返すとやっと彼女たちはこちらを向いた。
「ほら、外を見て!ここはドイツだからそんな大声で揉めたらみんなびっくりして飛んでくるんですよ。揉めるのは好きにしてください、ただ次からはもう少し声の大きさを落としてもらっていいですか。わかった?」
と彼女たちに念押しするとしれっとこんな返事が返ってきた。
「なぜあんなに人が来るのかわからない。別にちょっと揉めてただけだし」(と言いながらまだ大きな声で揉めている)
言ってる先からすでに大声なのだ。人の話をとにかく聞かないし、子どもの前だろうが所構わず大声で罵り合うのだから救いようがない。理性的に静かに淡々と話し合うのをよしとするドイツ人に理解できるわけがないのだ。強いて言えば関西のおばちゃんたちの5倍くらいは煩いのだから。彼女たちと話すときは脳内で関西のおばちゃんへ変換している自分がいる。やかましいだけで別に害はないというか悪気もへったくれもないのである。
たまたま知っているチームリーダーがいたので「もうああやって怒鳴り合う文化だと思っておいた方がいいですよ。揉めるならもう少し静かにやるようには言っておきましたけど…」と伝えたらなんとなく納得していた。別件でも同僚に連れて行かれたが、さすがにもういいや、とフライヤー配布担当だと言って途中で逃げてきた。ホール担当のロシア語話者はこうして常に揉め事の仲介に駆り出されるのだ。一番頼りになるロシア語話者の同僚が休暇中だからだろうなぁ。
そのあとは、もっぱらボールの管理で1日が終わった。借りっぱなしで返さない子どもが後を絶たないからだ。怒鳴り散らす親元で育つと大きな声を出して押し通すのが正義になるし、ルールもなにもあったもんじゃない。それでも第3者は放置せず、わかるまで何度も言い聞かすよりほかにないのである。
夕暮れの空がきれいだった。
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